整数の中で、偶数と奇数は交互に並んでいます。1、3、5、7・・・が奇数。2、4、6、8・・・が偶数ですね。
では、それらを足し合わせると結果はどうなるでしょうか。
今回は1から100までの整数で考えてみましょう。
問題
1から100までの整数をすべて足すと5050です。
では、その中に含まれる「奇数」だけをすべて足すといくつになりますか?
1から100の整数のうち、奇数は50個、偶数は50個あります。
ということは、奇数だけのたし算は「半分になるはずだから5050÷2=2525だ!」と考えなかったでしょうか。実はこれは間違いです。
さて、今回の問題の答えは「2500」です。
解説
1から100までの和は5050ということが分かっています。
(1+2+3+・・・+99+100=5050)
このうち、奇数だけを取り出して、計算をしなければいけません。
つまり、1+3+5+・・・+97+99がいくらになるかということです。
偶数だけを取り出した計算は、2+4+6+・・・+98+100ですね。
これらを縦に並べて比べてましょう。
1+3+5+・・・+97+99
2+4+6+・・・+98+100
どちらも50個の数をたし算しています。しかし、上下の数を比べると、偶数の方が1ずつ大きくなっていることが分かります。
したがって、それぞれを合計すると、50の差が生まれることになります。(下図参照)
「奇数の和」と「偶数の和」を合わせると5050で、それぞれの差は50です。
5050のちょうど半分が2525なので、「2525+25」と「2525ー25」とすると、差を50にすることができますね。
したがって、奇数の和は2500、偶数の和は2550ということになります。
ちなみに奇数だけのたし算をすると、次のような規則性があります。
1 = 1²
1+3 = 4 (2²)
1+3+5 = 9 (3²)
1+3+5+7 = 16 (4²)
1+3+5+7+9 = 25 (5²)
・・・
「n番目までの正の奇数の和はn²」という性質です。
これを今回の問題で当てはめると、1から100までに奇数は50個あるので「50番目までの奇数の和」ということになります。つまり、その和は50²=2500ですね。
まとめ
偶数と奇数の個数が同じだからといって、その和はちょうど半分ずつにはなりませんでした。
数の規則性は、様々な解法があるので、他にもどのような解き方ができるか、ぜひ考えてみてください!
※解き方は複数ある場合がございます
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」