自分が仕事を休んだら周りに迷惑をかけてしまうから、と体調が悪いのに無理して仕事に行ってしまう…こんな経験のある人も多いのではないでしょうか。
いっちー@バーチャル精神科医(@ichiipsy)さんが、「仕事を休む」ことについての考えをX(旧Twitter)上に投稿すると「賛成です」「ハッとさせられます」などのコメントが寄せられ話題になっています。
精神科医であるいっちーさんの「仕事を休む」ことについての考えがこちらです。
日本で「うつ病になる前に仕事を休む」ということを一般化させるには、”皆勤賞”とかいう制度をなくす必要があると思う。学生のころから「休む=悪いこと」という価値観が植えつけられてしまってる。適度に手を抜いて休息する方法は、子供のうちから覚えたほうが良い。
— いっちー@バーチャル精神科医 (@ichiipsy) November 28, 2023
つい「休むのは悪いこと」と考えてしまいがちですよね。そうして無理して仕事に行き続けているうちに、心のバランスを崩してしまうということは多いようです。
そうなってしまう前に、適度に休息する方法は身に付けておいたほうがよいかもしれませんね。
適度に手を抜いて休息するには…
こちらの投稿について、いっちーさんに詳しいお話をお伺いしました。
---適度に手を抜いて休息する方法は、大人と子ども、それぞれどんな方法があるのでしょうか?
「適度に休んでいくためにはプライベートと仕事のバランスを保つことが大切です。仕事や学校はいわば長距離走のようなもので、適度に休んで楽しむこと、自分の体力にあった走りを維持することなどを心がける必要があります。全力疾走をずっと続けることができないように、仕事や学校など緊張する場面と、遊びや趣味などのプライベートのバランスを保つようにすると良いでしょう」
---バランスを保つことが大切なのですね。
「仕事でも勉強でも、完璧を求めすぎると、自分ひとりでなんでもしようとしてしまい、効率が落ち、他人に頼ることができません。自分の中で行き詰まってしまったとき80%完成したら周りを頼る、というように仕事においても完璧を求めすぎないことを意識すると良いでしょう」
---つい完璧を求めてしまいがちですが、80%と考えると気持ちが楽になりそうです。「皆勤賞という制度をなくす」以外にはどのような方法が有効だと思われますか?
「もし可能であれば、職場でも学校でも、もっと流動的に働ける、仕事ができるような制度があるともっとうつ病などの病気で悩む人は減るでしょう」
---流動的に働けるとはどのようなことでしょうか?
「精神的な疾患になる人の多くが人間関係に悩みを感じています。人は狭い空間で同じ人と過ごしていると、いやでもヒエラルキーが生じてしまいます。そこではいじめやハラスメントが起こりやすくなってしまうので、人間関係の問題が生じにくいよう、学校や会社、そのようなしがらみの少ない制度があると、病気は少なくなると思います」
---人間関係の問題を生じにくくするというのは効果がありそうですね。
「仕事を休む」ことへのさまざまな考え
こちらの投稿にはさまざまなコメントが寄せられました。
「諸悪の根源は『休まないことが美徳』という謎の風潮ですね」
「皆勤賞、無欠席。どこでも、大切にされてますね。
寒暖差、気圧差で体調崩しても。『体調管理、自己管理は社会人の常識』とすら言われますね。社会人、やること多すぎ問題」
「今の会社皆勤手当があるから休みづらさが有る」
「適切に『休みを取ったで賞』が欲しいですなぁ」
「健康を維持している人は社会的に認めるべきだと思います。その努力を褒めることは大事です。一方で、行きたくても行けないという様々な問題にも真剣に向き合うべきです。人それぞれ認め合える環境や姿勢は理想ですが、それが難しいですね…」
うつ病が原因で休職や退職を余儀なくされる人も少なくありません。体調を崩してしまう前に、心も体も適度に休ませることが必要なのですね。
働き方について考えさせられる内容でした。
取材協力:いっちー@バーチャル精神科医(@ichiipsy)さん