同じ数を何度もかけ算するとき「指数」を用いて表現します。
これは中学1年生の数学で「正負の数」の単元で学習するのですが、覚えているでしょうか。
長い式を簡潔に表現できる一方、その計算方法には注意が必要です。
今回は、間違えやすい指数の計算に挑戦して、正しい計算方法について確認をしてみましょう!
問題
次の計算をしなさい。
[1] (-3)²
[2] −3²
[3] (-3²)
[4] -(-3)²
どれも似たような式になっていますが、それぞれの違いに注意して計算をしましょう。
これらの計算は、間違えやすい計算なので、中学生の数学の問題集でも必ず載っている問題です。皆さんも一度も解いたことがあるはずです!
さて、今回の問題の答えは次の通りです。
[1] +9
[2] −9
[3] −9
[4] −9
解説
計算のポイントは「2乗」がどこについているか、ということです。
[1] (-3)²
この式の場合、2乗はカッコがついた-3にかかっています。つまり、(-3)を2回かけ算しているということになります。
(-3)²
=(-3)×(-3)
=+9
[2] −3²
この式にはカッコがついていません。2乗は3だけにかかっているということになります。
計算の際は、頭のマイナスを置いておいて、3を2回かけましょう。
-3²
=-(3×3)
=ー9
[3] (-3²)
さて、次の式は、再びカッコがついた2乗の計算です。「[1]と同じなのでは?」と思った方は、注意が必要です。
[1]はカッコの外に2乗がついていましたが、[3]はカッコの中に2乗があります。
つまり、2乗がかかっているのは、あくまでも3だけということになります。
(-3²)
=-(3×3)
=ー9
実は、これは[2]と本質的には同じ問題です。
「計算を先にする」という意味でカッコを使うことが多いですが、それ以外にも「数のひとまとまり」を明確にするためにカッコを使うこともあります。
例えば、+3とか-5とか表記する際に、(+3)、(-5)とあえてカッコに入れます。
それと同様に、−3²という数をカッコに入れて、(-3²)と表現しただけなので、[2]と[3]の問題は同じものです。
[4] -(-3)²
マイナス×マイナス=プラスなので、次のような計算を考えなかったでしょうか。実はこれは間違いです。
(間違い)
-(-3)²
=(+3)²
=(+3)×(+3)
=+9
もし「-(-3)= +3」であれば、正しいのですが、今回の場合は指数の計算からしなければいけません。
そのためカッコの外にあるマイナスは後で計算をしましょう。
(正しい)
-(-3)²
=-(-3)×(-3)
=-(+9)
=-9
まとめ
似ているようで、全く違う計算でしたね。
この指数の計算は、中学1年生で学習しますが、その後の数学をやっていく上ではなくてはならないものです。
忘れていた方は、これらの計算の違いをしっかりと確認してみてください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」