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NHK朝ドラ『ブギウギ』「つらいときはやけのやんぱちで歌う」梅丸の残ったスズ子(趣里)の新たな試練とは

  • 2023.11.17
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(C)NHK

連続テレビ小説『ブギウギ』第7週「ギリと恋とワテ」が放送を終えた。義理のある梅丸に残るのか、それとも松永(新納慎也)を追って日宝に行くのか。まさに義理と人情のあいだで揺れうごいたスズ子(趣里)の葛藤が描かれた週だった。

スズ子を引き留めた羽鳥の言葉

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松永には、アメリカで待っている“大切な人”がいた。それなのに、スズ子に思わせぶりなことをするなんて……とヤキモキした視聴者も多かったかもしれない。松永は自分のことを好きでもなんでもなかった、あくまで歌手として「欲しい」と言っていたのだ、と知ったスズ子は、あらためて“歌手としての自分”を意識することになる。

こんなとき、やはりひとつの指針をくれるのは、スズ子にとって歌の師匠である羽鳥(草彅剛)の言葉だ。一度は梅丸を裏切って日宝にいこうとした身であるスズ子。どんな顔をして歌えばいいのか……と逡巡する彼女に、羽鳥はいつもの調子で、彼自身の言葉で道を指し示す。

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「つらいときは、やけのやんぱちで歌う」。楽しいとき、つらいとき、ときには歌手といえど、歌いたくない日だってあるだろう。そんなときも、その「歌いたくない気持ち」を乗せて歌えばいい、そうやって生きていくんだ、とまさに等身大の言葉がスズ子の心を打つ。

平謝りの末、スズ子は梅丸に戻ってきた。悩みを葛藤と精一杯に向き合った彼女のステージは、より観客を圧倒させた。

スズ子は家族にどう向き合うのか

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松永との別れ、そして、大阪に戻ってしまった秋山(伊原六花)との別れを経験したスズ子。もしかしたら、彼女はさらに大きな別れと向き合うことになるかもしれない。11月20日から放送される第8週は「ワテのお母ちゃん」と冠されている。

スズ子の母・ツヤ(水川あさみ)の体調が思わしくないこと、そして、弟の六郎が甲種に合格したことなどが、スズ子へ宛てられた手紙で匂わされていた。東京で歌手として活躍するスズ子にとって、大阪にいる家族のことは気掛かりのひとつだろう。ましてや、一番の稼ぎ頭として頼りにされる可能性も浮上している。

第8週の予告では、ツヤの弱った様子、そして六郎が兵へ取られていく様子が描かれている。歌に踊りに、朝から満点の元気を与えてくれている「ブギウギ」だが、次週は少し覚悟が必要な展開になりそうだ。

 

※記事内の情報は執筆時点の情報です



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_