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今季の月9は「見れば見るほどハマる」不可解な“謎”と切なさが交錯する異色の作品

  • 2023.10.20
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Ⓒフジテレビ

二宮和也・中谷美紀・大沢たかお、トリプル主演『ONE DAY〜恋のから騒ぎ〜』。 逃亡犯・報道キャスター・シェフの物語はどう交錯していくのか……? クリスマスイブの1日の出来事を1クールかけて追っていく、“謎と愛と奇跡の物語”。

3人の主人公にとっての“ONE DAY”が紐解かれる

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誠司(二宮和也)が目覚めると、横には銃で頭を打ちぬかれた男の死体と銃。記憶はない。そこへ知らない男から電話がかかってきて「逃げろ」と告げられるーー。

とあるレストランに逃げ込んだ誠司は、クリスマスディナーを仕込み中だったシェフの時生(大沢たかお)に見つかり、カウンターを飛び越え鮮やかに逃走。追いかけようとした時生はカウンターを飛び越えようとしてつまずき、店が代々受け継いできたデミグラスソースの鍋をひっくり返してしまう。

銃殺事件の知らせを受け、「横浜テレビ」報道キャスターの桔梗(中谷美紀)も現地へ向かう。立ち上げた報道番組「日曜NEWS11」を背負ってきた彼女はやや強引にこの事件を扱うことを決めるが、新社長によって番組打ち切りを言い渡されてしまう。

3人にとって最悪の状況から始まった“ONE DAY”。誠司はレストランでの立ち居振る舞いからただ者ではなさそうだが、今のところ殺人を犯したような悪人にも見えない。犯罪組織アネモネのボス・ミズキ(中川大志)とも面識があるようだし、ミズキが電話で「裏切り者は誠也でも殺せ」と言われていたが、やはり犯罪者(悪人)なのだろうか? それとも……。何か知っていそうな警視庁管理官の満作(江口洋介)との関わりも気になる。

本作に登場する刑事たちの「かっこよさ」が光った。満作はハードボイルドな雰囲気で渋いし、神奈川県警の警部補・カレン(松本若菜)凛とした美しさが嫌味なくクールだ。

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時生(大沢たかお)はコメディー担当な印象が強い役。ソムリエの梅雨美(桜井ユキ)やアルバイトの一(井之脇海)など個性豊かなスタッフとの会話も楽しい。自分が鍋を倒したことを言い出せず、百面相するところは笑った。めんどくさいおじさんだけど、娘の査子(福本莉子)お弁当を作る様も彼の魅力をアップさせている。そして、その“お弁当”がまた美味しそうなのだ。個人的に飯テロに遭っている気分だ。

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査子は桔梗の部下だった。イケメンの彼氏がいるらしいが、査子の仕事中に他の女と堂々と浮気しているようだ。 「日曜NEWS11」チームはなんだかんだ仲が良さそうだが、逆にその穏やかさに怪しさを感じなくもない。言い出したら聞かない、仕事に前のめりな桔梗にほかのメンバーが付き合っているのか、その熱意を利用するのか。深読みすればするほどキリがない。

3人それぞれと何らかの関わりがあるらしい真礼(まれい・佐藤浩市)の正体が気になる。真礼が苗字なのか名前なのかもわからない。どうストーリーに絡んでくるのだろうか。

謎だけじゃない、切ない魅力まで。見れば見るほどハマる!

謎以外の要素だと、時生と桔梗にある種の哀愁を感じた。こだわりが強く頑固な時生が持論を語る間、ほかの人たちは別の話題に夢中。店に落ちていた銃のことを通報したらみんなに責められる。桔梗の周りの人たちも彼女を尊敬や尊重はしているようだが、仕事一筋な生き方を「古い」と感じている。「女性も仕事を頑張る」みたいな考えは新しいものと言われていたけど、もはや古いのか……。それぞれの大事に思っているものが若干軽んじられている感じがちょっと切ない。

謎がどう解き明かされていくのか、伏線がどう回収されるのかも気になるが、すべての人にあたたかいクリスマス(聖夜の翌日)が訪れるようなラストも期待したい。

 



ライター:ぐみ
熱量高めなエンタメライター・編集者。ドラマ・映画・アイドル・アニメなどのコラムやレビュー・インタビューや書籍の執筆・編集も手がける。コンテンツ編集(人気少女漫画や芸能人の公式コンテンツ制作のほか、広告制作、メディアの編集・立ち上げなど)を経て現在フリー。音楽とアイドルと物語とかき氷が好き。X(旧Twitter):@gumililium
編集:TRILLニュース