算数・数学の図形問題のひとつである「角度を求める問題」。問題によっては補助線を引いたり、ひらめきが必要だったり、難しい問題もたくさんあります。
しかし、問題にはパターンがあり、見た瞬間に答えが出せてしまうということも!?
今回はそのような問題に挑戦してみましょう。
図形問題は脳トレにもぴったりです。問題のパターンを覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか?」を考えることでさらに数学が楽しくなります。
問題
次のxの角の大きさを求めさなさい。ただし、同じ印がついている角は、同じ大きさである。
わかっている角は50°しかありません。印がついている角がありますが、具体的な数字はわかりません。いったいどのように計算をするのでしょうか…。昔このような問題を解いたことがあるけれど、大人になって忘れてしまったという方も多いかもしれませんね。
さて、今回の問題の答えは「25°」です。
解説
今回の問題を解くために、まずは三角形の角に関する次の定理を確認しておきましょう。
「外角の定理」
三角形の1つの外角は、その隣にない2つの内角の和に等しい。
この「外角の定理」は、三角形の内角の和が180°であることから導くことができます。なので、多くの角度に関する問題は、この定理自体を知らなくても解けることが多いです。
しかし、これを知っていると、計算がラクに、そして簡潔に考えることが可能です。
今回もこの「外角の定理」を使って解きましょう。次のように、2つの三角形において、それぞれ定理を使います。
⚫︎や△で表された角があるので、この記号を使って、式を表します。
【左の場合】50+⚫︎⚫︎=△△
【右の場合】x+⚫︎=△
2つの式を作ることができたので、見比べてみましょう。
「50+⚫︎⚫︎=△△」の両辺を2で割ると、
「25+⚫︎=△」となり、「x+⚫︎=△」と同じ形になりました。
つまり、x=25ということですね。
もっと簡単に解けるんです!
今回、このような手順で解きましたが、わかっている角が50°ではなく、他の数字だったらどうでしょうか。
実はこの問題の場合、どのような数であったとしても、先端の2つの角の関係は、「一方は、もうひとつの角の半分」となります。これがわかってさえいれば1秒で解くことができますね。
まとめ
図形のパターンを知っていると、一瞬で答えが求められる問題をやってきました。
この結果だけを覚えるのではなく「なぜそうなるのか?」を考えることで、頭を柔らかくすることができます。
わかるようになれば、さらに数学が楽しくなりますね!
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。