「約数」というのは小学校で習いますが、その後の中学・高校の数学を学習していく上で、重要な考え方のひとつです。
分数の通分・約分の計算はもちろん、方程式の計算をする際にも、約数をパッと見つけることができると便利です。
最大公約数の見つけ方はいくつかあるのですが、今回はその中でも、簡単にそして素早く見つけられる方法を紹介します!
問題
12と24の最大公約数を求めなさい。
「約数」というのは、ある整数をわり切ることのできる数のことです。
例えば、8の約数を考えてみましょう。
8÷○をして、あまりが出ないように◯を決めればよいのです。
これくらいの小さい数であれば、順に試していくことで約数を見つけることができそうです。
8÷1、8÷2、8÷4、8÷8。これらが8をわり切ることのできる計算ですね。
つまり、8の約数は1、2、4、8ということになります。
そして「最大公約数」というのは、2つ以上の数について、共通な約数のうち最大のものということになります。
つまり、今回の問題では、「12の約数」と「24の約数」を求め、共通するのものうち、最大のものを選べばよいということです。
さて、今回の答えは「12」です。
解説
最大公約数の求め方のひとつは、先ほどの例のように、地道に約数を書き出すという方法です。
この方法は、1〜2桁程度の数であれば、そんなに大変ではないかもしれません。(今回の問題もこの方法で解くことができます)
しかし、より効率的に求める方法が「すだれ算(逆わり算)」と呼ばれる方法です。
では、手順を見ていきましょう。
まず、2つの数を並べて書き、わり算の筆算をひっくり返したように線を引きます。
そして、2つの数の共通してわることができる数でわり算をします。今回は12も24も2でわることができます。
なので、左側に2、それぞれの下にわった答えを書きます。
次に、6と12で同じことを考えます。再び2でわることができそうです。
あとは、これを繰り返していくだけです。
いちばん下の数が1と2になりました。共通してわれる数がないので、計算はここまでです。
(1と2を共通してわる数として1がありますが、1でわっても結果は変わらないので、ここでは考えません)
すると、最大公約数は左側の数字をすべてかけたものとなります。(2×2×3=12)
したがって、12と24の最大公約数は12です。
ひとつずつ約数を書き出す方法よりも簡単に求めることができましたね。
まとめ
最大公約数の見つけ方は、ここで紹介した「すだれ算」以外にもいくつかあります。さまざまな方法を知っていると、状況に合わせて使い分けることが可能ですね。
興味のある方は、他の方法も探してみてください!
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。