大人が意外と間違える数学「√45ー√x＝√5」→「x=40」は間違いなんです！

平方根の計算、数学が得意な方なら、√4＝2、√9＝3、など計算はすぐにできるのではないでしょうか。

これは「2乗すると◯になる数」というのを考えるんでしたね。
（√4は、2乗すると4になる数。4＝2²なので、√4＝2）

では、ルートがついた数で、たし算やひき算はできるのでしょうか。

実は、ルートがついた数をたし算・ひき算をするのは、整数や小数、分数のたし算・ひき算とは違った計算規則があります。

「2乗すると◯になる数」という理解をもう一歩進めて、ルートを含んだ計算により詳しくなりましょう！

次の計算をしなさい。
√45ー√x＝√5

すべてルートがついた数です。

45ーx＝5の方程式を解いて、x=40とした方はいませんか。これはよくある誤答のひとつです。

ルートがついた数同士でたし算・ひき算をする場合は、勝手にルートを外してしまってはいけません。

さて、今回の答えは「20」です。

ルートのついた数の計算の基本的な性質から確認をしてみましょう。

もしかけ算・わり算であれば、次のように「ルートの中だけを計算する」ということができます。

【正しい】√3×√2＝√6

しかし、たし算・ひき算の場合は、「ルートの中だけを計算する」というのは間違いです。

【間違い】√3＋√2＝√5

では、このようなたし算はどうするのかというと、「√3＋√2」はこれ以上計算できません。もし計算の過程で「√3＋√2」と出てきたら、それが答えということです。

まだたし算が残っていて途中のような気がしますが、これで計算完了となります。

しかし、ルートのたし算がすべてこのようになるわけではありません。

【正しい】√3＋√3＝2√3

√3同士のたし算は「2√3」となります。これは、√3が2つ分ということで、2×√3の「×」が省略されて2√3となっています。

このように、ルートの中の数が同じであれば、たし算・ひき算が可能になります。

では、今回の問題を見てみましょう。

√45ー√x＝√5という方程式です。

これを式変形すると、√x＝√45ー√5となります。（移項した際に、計算しやすいように符号を調整しています。）

ルート同士のひき算になり、ルートの中が異なるので、計算ができないのでしょうか。実はまだ計算が可能です。

√45というのが、もう少し簡単に表せそうですね。45＝3²×5となるので、√45＝3√5です。

すると、3√5ー√5＝2√5（＝√20）

したがって、x＝20となります。

以上の計算をまとめると、以下のようになります。

√45ー√x＝√5
√x＝√45ー√5
√x＝3√5ー√5
√x＝2√5
√x＝√20
x＝20

今回はルートのついた数でのたし算・ひき算に関する問題でした。

かけ算・わり算はそのまま計算ができますが、たし算・ひき算はちょっと注意が必要ですね。

忘れている方は、この機会にぜひ学び直しをしてみてください！

文・監修：SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。