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“空容器”を回収する弁当店 お客様への配慮かと思いきや、その裏側の“本当の狙い“に「向上心の塊」と称賛の声、集まる

  • 2023.11.21

法事や会社の会議などで、仕出し弁当を利用したことのある人は多いのではないでしょうか。中にはお弁当箱を回収してくれる、主催側としては有難いサービスを提供しているお店もあります。

なごみ庵(@shidashi9)さんは、熊本市にある仕出し弁当専門店です。なごみ庵さんがお弁当箱の回収理由について、X(旧Twitter)上に投稿すると「向上心が素晴らしい」「なかなか出来ない事」「感心しました」などのコメントが寄せられ話題になっています。

なごみ庵さんがお弁当箱を回収するのは、いったいどんな理由があるのでしょうか。

その意外な理由がこちらです。

うちのお店は大量の弁当の注文が多いのでご希望があれば容器の回収もしています。
セミナーなどで大量の容器を処分するのはとても大変なので、昨日も沢山回収させて頂きました。

ただ、表向きはお客様が容器の処分に困るからという事にしていますが、本当の狙いは違います。
本当の狙いは回収した容器を分別する際中身をチェックして、残された料理を確認しています。
不特定多数のお客様のリアルな声がここにあり、残された料理はお客様からのメッセージと捉えて改善するようにしています。

ちなみに昨日回収した容器はどの容器も驚くほど完食されてたんで一見満足いただいた様に見えるんですが、それはそれで量が足りなかったんじゃないかと心配になります

お客さんが容器の処分に困らないようにという配慮も十分に素晴らしいのですが、もう1つの理由にも驚きですね。

さらに美味しいお弁当を作ろうと改善点を探しているとは…!素敵な企業努力です。

お弁当箱の回収から得られる多くの気付き

---この取り組みはどのような経緯で始められたのでしょうか?

「元々弊社では一定の金額以上で無料で配送をしておりますが、とあるお客様より『容器の回収もしていただけると助かる』とのお声があり、始めました

---回収には相応のコストや手間がかかるのではないでしょうか?

「大量の発注は当社にとっても大変ありがたく、たとえば10個のお弁当を2件配達することを考えれば、100個のお弁当配達して回収しても、考え方によってはここにはコストは存在しません

---廃棄に関してはどうですか?

「容器を分別して廃棄する手間がかかりますが、事業用ゴミの回収は定額制なので実際にかかるコストは私の労働力だけですが、僅か30分で貴重な情報を得ることができるので、こちらにもコストという概念はありません

---メリットの方が大きいのですね。お弁当箱を回収したことでどんな発見が得られましたか?

「お弁当に入っている天ぷらや副菜などは季節によって野菜を変えていますが、お客様が残された物を見て、茄子の天ぷらは弁当にはあまり向いていないとか、この副菜は多く残されているなどの気づきがありました」

---改善点を見つけられるのですね。回収によって得た知見からお弁当の改善にまで至った例はどのようなものがありますか?

「先ほどの茄子の天ぷらもそうですが、煮物なども形崩れがしやすい料理ですので、少し味付けを濃くして煮る時間を短くしたりして煮崩れしにくいように注意しています」

---さらに美味しいお弁当作りに活かされているのですね!

「素晴らしい」の声

こちらの投稿を見た人たちからは、次のようなコメントが寄せられました。

「企業努力が素晴らしいです 見習わなくては」
「流石なごみ庵さん・・。向上心の塊ですね」
「確かに、本音がよく表れるところですよね!完食は研究の成果ですよ」
「なるほど。お弁当の空箱から得る商品開発ヒント。確かに価値ある情報だわ」
「アンケート取るよりわかりやすいね」

なごみ庵さんの企業努力に素晴らしいという声がたくさん寄せられました。

日々改善を重ねられているなごみ庵さん。この姿勢、見習いたいですね!



取材協力:なごみ庵(@shidashi9)さん