長方形や正方形の面積を求めるのは難しくないはずです。
しかし、1辺の長さも分からないときは、どうすればいいでしょうか。
与えられた情報から、「何を求めることができるか」を逆算していく必要があります。
今回は、少しのひらめきも必要な面積の問題です。
問題
正方形の辺を2cmずつ大きくしたら、面積が40cm²増えました。もとの正方形の1辺の長さは何cmですか
さて、分かっていることは、2cmずつ大きくすると面積が40cm²増えたということです。(黄色い部分の面積が40cm²)
ここから、もとの正方形(白い正方形)の1辺を求めることができるでしょうか。
3分程度で解けたあなたは、頭が柔らかい!?
さて、計算できたでしょうか。
答えは9cmです。
解説
黄色い部分の面積が40cm²と分かっていますが、L字型をしているので、このままでは他の辺の長さを求めることができません。
そこで、図形問題でよくやることと言えば、補助線です!
L字型の部分をした図のように分けてみましょう。
すると、すべての形が、正方形もしくは長方形になり、計算がしやすそうですね。
この中で面積が計算できるのは、赤い部分。これは縦横が2cmの正方形です。つまり面積は4cm²ですね。
増加した面積40cm²のうち、赤い部分が4cm²です。ということは長方形部分(2つの黄色い長方形)は合わせて36cm²です。(40-4=36)
そして、2つの長方形は同じ形だから、1個分の長方形は36÷2=18cm²
ここまで来れば、大丈夫そうですね。黄色い長方形の面積は18cm²で、縦は2cmです。
ということは横の長さは9cmということになります。
したがって、もとの正方形(白い長方形)の1辺の長さは9cmということになります。
補助線を引くというだけで、問題がとても解きやすくなりましたね!少しのひらめきで問題の見え方は変わってきます。
まとめ
増加した面積から、もとの正方形の長さを求める問題でした。
少し話は逸れますが、実はこの図(黄色や赤で色を塗った図)、数学の「式の展開」の解説で使われる図のひとつです。
(x+2)² を展開しなさい。
白い正方形の1辺をxcmと考えると、面積はx²(白)、2x(黄色)が2つ、4(赤)の4カ所です。
なので、(x+2)²=x²+4x+4となります。
黄色の長方形が2つなので、2倍になっているのがポイントです。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース