簡単な計算に見えて、よく間違えてしまう、今回はそんな問題に挑戦です。
そして、実はこの計算の考え方は、日常生活でも使うものになります。「なんとなく」で計算をしてしまった方も、この機会に考え方を確認してみてください!
問題
長さが24mの歩道に、4mの間隔で木を植えていきます。両端にも木を植えるとき、木は何本必要ですか。
このように道に「木を植える」というシチュエーションの問題なので「植木算」と言われます。
ただのわり算ではあるのですが、考えずに解いてしまうと、間違えてしまうことも!!
図を書いて考えると、分かりやすくなります。
さて、答えは「7本」です。皆さん、解けたでしょうか。
解説
もしかすると、24÷4=6なので、6本と答えた方もいるのではないでしょうか。
実は、「木の本数」と「木と木の間の数」は同じにならないのです。
これは、図に書いてみると分かりやすいでしょう。
4m間隔で、24mの道に木を植えると、上図のようになりますね。
しかし「木の本数」を数えてみるとどうでしょうか。確かに7本あります。
24÷4=6として計算した「6」という数は、「木の本数」ではなく、「木と木の間の数」ということだったんですね。
両端にも木を植えるので、「+1」をしなければいけません。
一般に、N個のものを等間隔に並べると、その間の数は(N-1)個となります。
(例)10本の棒を等間隔に並べると、間は9カ所。
映画館の座席では、座席数よりも1つ多い肘掛けがあるということになります。
それぞれの観客がうまく使えば、「両方の肘掛けが隣の人に使われて、自分の肘掛けがない!」ということには、ならないはずです。
このように、計算結果と求めたいものが「1だけズレる」というのは、日常生活でもよくあります。
例えば「お盆休みは、8月11日から20日までです」というとき、「何日間のお休み」になるでしょうか。
20ー11=9なので9日間・・・ではないですよね。お休みは10日間になります。ぜひカレンダーで数えてみてください。(この計算は「植木算」ではありません。)
まとめ
落ち着いて考えれば難しくない計算ですが「1だけズレる」というのに注意が必要な植木算でした。
木を植える問題だけでなく「間の数」を考える問題は、同じように解くことができます。
近年では、ソーシャル・ディスタンスのために「人と人の間を◯m以上あけましょう」ということがよくあったので、この考え方を使う機会も多かったのではないでしょうか。
身近なところに、算数・数学の考えが潜んでいます。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース編集部