中学生になると数学の授業で「方程式」を習います。
1次方程式、2次方程式など、ひとくちに方程式と言っても、さまざまな種類がありますが、今回は「連立方程式」に挑戦してみましょう。
xとyの2つの値を求めないといけない連立方程式。きちんと解法の手順を知っていないと解くのは大変です!
問題
次の連立方程式を解きなさい。
2x+5y=9
x+2y=4
連立方程式は、2つの文字x、yを含んだ式を2つセットにして、1つの問題ということなります。
(問題によっては、3つ以上の文字、3つ以上の式となることがあります)
2つの式を組み合わせて計算をする必要があるため、数学が苦手だった方には難しく感じる問題かもしれません。
しかし、手順をしっかり確認して、ゆっくり計算をしていけば理解ができるはずです。
さて、今回の答えは「x=2, y=1」です。解くことができたでしょうか。
解説
連立方程式の解き方は2パターンあります。「加減法」と「代入法」です。
基本的にどの連立方程式でも、加減法と代入法のどちらの解き方を使っても、答えを求めることができます。
ただし、問題によっては「加減法の方が解きやすい」「代入法の方が解きやすい」ということもあり、どのように解き進めるかを見極めることも必要です。
ここでは、その2パターンの解き方を解説します。
2つの式に①、②と名前をつけておきます。
2x+5y =9 ・・・①
x+2y =4 ・・・②
1.加減法での解き方
「加減法」という名前の通り、たし算(加法)やひき算(減法)を用いて解いていきます。
そのために、まずは2つの式の係数をそろえます。
係数というのは、文字の前についている数字です。(例)2xの係数は2
今回はxの係数をそろえることにします。式②の両辺を2倍します。
すると、2x+4y=8となりました。
2x+5y =9 ・・・①
2x+4y =8 ・・・②×2
これらの両辺をひき算してみましょう。(縦にそろっているところ同士をひき算)
するとy=1が出てきます。
x、yの一方が求まれば、元の式に代入するだけです。
②に代入すると x+2=4となり、x=2となります。
以上より「x=2, y=1」です。
2.代入法での解き方
すでに答えは出ていますが、同じ問題を別の方法で解いてみましょう。
「代入法」というのは、片方の式を「x=〜」もしくは「y=〜」の形に変形して、もう一方の式に代入するという解き方です。
今回は②の式を変形すると x = -2y+4 とすることができます。
これを①の式のxに代入するのです。
すると、2(-2y+4)+5y =9 となります。カッコの部分がもともとxだったところですね。
これで文字がyだけの式になったので、1次方程式として計算をすることができます。
-4y +8 +5y = 9
-4y +5y =9 -8
よって y=1
x、yの一方が求まった後は、先ほどと同じです。②に代入してx=2が得られます。
以上より「x=2, y=1」。解き方は違いましたが、同じ結果が出てきましたね。
まとめ
今回は、連立方程式の加減法と代入法という2つの解き方を解説しました。最終的な答えは同じになりましたが、途中の計算は違います。
このように、ひとつの問題でも複数の解法が存在することを「山登り」に例える数学者もいます。
最後に辿り着く頂上は同じだが、どの登山道を選ぶかによって、見える景色が変わります。険しく厳しい山道になることも、なだらかな優しい山道になることもあり、どの道を選んで進んでいくかを考えることも面白さのひとつです。
加減法と代入法、みなさんが好きなのは、どちらの解き方でしたか!?
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース