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あまり知られていないExcelの機能に「名前の定義」があります。セル範囲に名前をつけると関数内でセルの範囲を参照する際、簡単でわかりやすく指定することができます。複雑な計算式が名前に変更されることで、どのような計算がされているのか瞬時に判断することができます。
そこで今回は、名前付き範囲の使い方を紹介したいと思います。
Excelで、複数のシートにまたがった表間で計算する場合、「シート1!B5:B9*シート2!C7」など複雑で何が参照されているのか混乱しがちですよね。
そんなとき役立つのが冒頭で記載した「名前の定義」機能。セル範囲に名前をつけることで関数が「価格*個数」といったようにわかりやすく置き換えることが可能です。
自分だけでなく、データを共有しているメンバーもどのセルが参照されているのか一目瞭然になるので、本記事を読んで、積極的に活用していただけると幸いです。
名前の定義ってなに?
セルの範囲には通常「A1:A9」といった記号がつけられていますが、実は名前をつける(定義する)ことができます。
名前をつけることで数式の理解と整備がより簡単になり、また長い関数が日本語で表記されることで、誰が見てもどんな計算がされているかなどわかりやすくなります。
名前付き範囲を使う
名前を定義する方法は簡単。セル番号が表示されている表左上の名前ボックスにつけたい名前を入力するだけです。
[名前付き範囲を使う方法]
1.名前を定義したいセル範囲を選択
2.名前ボックスにつけたい名前を入力
実際の使用例
では実際にどんなときに名前を定義するのか、具体例を紹介していきます。
主に複数のシート間を参照する場合において活躍します。というのも、表全体の範囲を指定したり列や行のセル範囲を指定する場合はシート名が含まれるとセル番号が長くなり関数が複雑になってしまうからです。
そんなとき、関数が「商品」「価格」「個数」などに置き換わっていると見やすくなります。
[名前を定義前]
[名前を定義後]
このように、どのセル範囲が参照されているのか見やすくなります。
複数の名前を一度につける
また応用編として複数の名前を一度につける方法も紹介します。操作方法に慣れてきたら徐々に覚えてみてください。
[複数の名前を一度につける方法]
1.名前を定義したいセル範囲を選択
2.数式タブの「選択範囲から作成」をクリック
3.ダイアログが表示されたら名前が表示されている場所を「上端行」「左端行」「最下行」「右端行」のいずれかにチェックを入れてOKをクリック
4.名前ボックスの「▲」「▼」をクリックすると、「選択範囲から名前を作成」で作成した名前が表示される
これで、セル範囲に「売り上げ」という名前がつけられていることがわかります。
名前付き範囲を使用するとExcelがもっと使いやすくなる
今回は簡単な操作でExcelの作業効率がかなり向上する名前付き範囲について紹介しました。
意外に使われていない機能ですがかなり便利なので、ぜひこの機会に実践してみてはいかがでしょうか。
ライター:ちだい
家電・モノライター&デザイナー。オーディオやバッテリーなどの小型ガジェットを中心にモノ系やカルチャー・サービスなどモノ誌で執筆。趣味は映画鑑賞と競走馬。
編集:TRILLニュース
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