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"80歳でもハイヒールを履く女”、【デヴィ夫人】の体型維持の秘訣とは?

  • 2020.2.16

2月6日に80歳のお誕生日をお迎えになったデヴィ夫人。その年齢とは思えないスタイルの良さは感動的。背筋がすっと伸び、「膨張するからニットは着ないわ」と。TV番組は「あんなに高貴な人がこんなことまでやるの?」と思うようなことでも笑顔でチャレンジ。私たちもその姿に勇気をもらっている感じさえします。いくつになっても失うことがない、その美体型とチャレンジ精神の源とは?

人の視線は私にとってビタミン剤。ウエストを締めた服が基本で、膨張するニットはNGね

ーーデヴィ夫人の素敵さ、女性らしくいられる秘密を教えてください。

「それは絶えずに人に見られていますから、絶えず緊張感を持っているということでしょうか。人の視線は私にとってビタミン剤ですね」

ーースタイルもとてもいいのですが、維持するために意識されていることはありますか?

「人間の体は“鋳型”の中に入れておかなければ、どんどんゆるくなってしまうものなのです。だから私は胸高のブラジャーを絶えずしていますし、ウエストがキュッと締まる服を着ています。そしてニットは着ません。油断すると、人間の体ってブワッと膨脹してしまいます。だから絶えず締めておかなければならないし、“鋳型”の中に入れているようにしておかなければダメなんです」

ーースタジオに入っていらっしゃったときに、ハイヒールを履いてスッと立っていらっしゃるお姿がとても素敵でした。

「私がこの年齢でハイヒールを履いていることにみなさん驚かれるんですけれど、私の自宅があるニューヨークは歩く街であり走る街。私はずっとニューヨークをハイヒールで走っていました。そして年を重ねると足から弱くなっていきますので、足を強くしていたい。だからお家ではエレベーターではなく階段を使って登ったり降りたりしています。そして日本舞踊もしていましたし、ボールルームダンスと呼ばれる社交ダンスもずっとしています。夏は海に行く機会があればスキューバダイビング、冬はスキーもしますよ」

デヴィ夫人

絶えず興味と好奇心を持って挑戦。絶対無理といわれることができたときの喜びと達成感は何ごとにもかえがたい

ーーテレビのバラエティー番組で、いろんなことに楽しそうに挑戦していらっしゃる姿が印象的です。デヴィ夫人のチャレンジ精神の源を教えてください。

「何かに挑む心を失くしたときが、私が年を取った証拠だと思っています。よく言うのですが、永遠に17、18の頃のように何ごとにも興味と関心、そして使命感を持っていられたらいいなと思うんですね」

ーー例えば、滝壺へとジャンプしたり、見ているだけでも怖いことにも挑戦されていますよね。その勇気はどこから生まれてくるのでしょうか?

「『あの人にできて、私にできないことはあるのかしら』と思います。同じ人間なのに、彼女がイルカに乗ってサーフィンができるのなら、私にできないはずがない。あの人が4000メートル上空からジャンプする?  あの人も人間、私も人間、だったら私にもできなければおかしい……そう思うので絶えず挑戦して挑んでいます。新しいことに挑んで、絶対無理と言われていたことができたときはやはり達成感があります。そのときの喜びは何ごとにも代えがたいものですから、ずっと挑戦を続けています」

デヴィ夫人

私は毎日を“生きて”いる。日々を生活する、過ごすではなくて、“生きる”なんです

ーーデヴィ夫人は年齢を気にされることはありますか?

「年齢というのは、毎年毎年1年ずつ取っていくもの。それを気にするかしないかは、本人次第だと思うんですね。いつまでも若くいたいのなら、気を若くしていればいいのかなと思います。私は講演で、『お金を一銭も払わずに、いつまでも若くいられる方法がありますよ』と教えているんです。今の1分1秒が過去になっていくわけですから、今を楽しく生きることがいちばん。『笑う門には福来たる』と言いますけれども、大抵の人は毎日を“生活”しています。でも私は毎日を“生きて”います。楽しく生きています。仕事もいっぱいしますが、思う存分遊んでもいます」

ーーTRILLユーザーの中には「この年齢だからこんなファッションはしないほうがいいかな」というように自らを制限する人もいます。年齢を理由に自分にリミットをかけることについてはどう思われますか?

「それは絶対にダメです。外国に行きますと、70、80になってもピンクの可愛らしいドレスを着た素敵な老婦人に会いますよ。私は“年だから”という言葉は使いたくないです」

デヴィ夫人

私のエネルギーの源は怒り。不公平、不条理、非情さを感じるとどうにかしなければと正義感に燃え勇気が湧き、力強くなれるのです

ーーブログなどでは日常の他に、世間を騒がせているニュースも取り上げていらっしゃいますよね。そのストレートな発言にとても感銘を受けることが度々あります。

「私のエネルギーの源は“怒り”なのです。毎日、新聞を広げて1面から28面まで、全て目を通しますけれど、例えば池袋の高齢者の運転手が起こした暴走事故のような事件が起きると、正義感が湧いて、“何とかしてあげなければ!”と思ってしまうんです。私は日本に戻ってきてから、いろんなカルチャーショックを受けました」

ーー例えばどのようなことでしょうか。

「いちばん私の心が痛んだのは、我が子を虐待死させる事件です。戦後約75年経っていますが、私たちが子供の頃の日本の親は、身をていしてまでも我が子を守りましたよ。それが今では男性を失いたくないがために、男性と一緒になって我が子を虐待死させる最低な母親……日本の人命軽視ということに関して怒りを感じます。だからテレビのニュースを見たり新聞を広げて、不公平、不文律、不条理を感じたものに関しては怒りをぶつけています。弱きを助ける、弱者の味方でいたいと思っています」

ーーそのように考えていることを明確に言葉にできることに感動します。どうしたら自分の気持ちや考え方を言葉で発せられるようになるのでしょうか?

「日本は自己主張をすることができない方が非常に多い。だから言いたくても言えない。思っていても、それを言葉にできない。そういう人たちの代わりに私が言ったり、書いたりすることが多いのですが、『よく言ってくれた!』『熱烈に支持します』という言葉をいただくことが多いんです。ですから、書いて良かったな、言って良かったなと思うこともしばしばです。ただ、自己主張をすることは他人が教えてできることではないんですね。個人個人が自分から表現したいという意識を持つことが大事だと思いますね」

私の人生のモットーは、絶えず遊び心を持っていること。そして心のゆとり。そして美しいものを見て優しくなること。

自分の目的、目標、使命感を持つ人が、チャンスにめぐりあったときにそれを掴める

ーーデヴィ夫人のように、なりたい自分になるにはどうしたらいいのでしょうか?

「これは日本に帰ってきてがっかりしたことのひとつなのですが、小さい子に『将来何になりたい?』と聞くと、『わからない』と答える子が多いんです。私が小さい頃は、満天の星を見ながら『世界へ飛び立ちたい。ああなりたい、こうなりたい』ということが頭の中にずっとありました。要するに、今はご自分の目的や目標、使命感を持っていない人が多い。それは本当に困ったことだと思っています。長い人生の中で、『私はこの年代になったらこうありたい』と自分の目的や目標、そして使命感を持っている人が、チャンスに恵まれたらそれを掴むことができる人なのです」

ーーTRILLには「自分らしさを大切にする」というテーマがあります。デヴィ夫人にとって自分らしさとはどんなものでしょうか。

「自分らしさというか……私がモットーとしている言葉があります。自分で考えた造語なのですけどね。私がモットーとしていることは遊ぶという字に雅と書いて『遊雅(ゆうが)な人生』。絶えず遊び心を持っていること。そして心のゆとり。ゆとり(裕)という字を書いて『裕雅(ゆうが)』。そして美しいものを見ると、人の心は優しくなりますから、優しいという字と雅という字を書いて、『優雅(ゆうが)』。この遊雅、裕雅、優雅の究極を秀雅(しゅうが)となす。これが私の人生のモットーで、秀雅なる人生を送りたいと思っています」

 

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Movie & Photography:Yohei Takahashi(f-me)
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Writing:Yuko Sakuma
Edit:Natsuko Hashimoto(TRILL編集部)

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