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【木南晴夏】さんに聞く演技の魅力と自分らしさとは?

  • 2019.11.14

役柄ではキリッとしたイメージの木南晴夏さん。取材してみると、とてもあたたかい雰囲気の朗らかなお人柄でした。大人の恋愛をテーマにした「マチネの終わりに」に出演中の木南晴夏さんにとって、演じることとは? 自分らしさとは?

大事にしているのは“恥を捨てること”。やったことがない役をするのがすごく楽しい

――作品ごとにいろんな表情を見せてくれますが、女優という仕事をする上で、「これが大切」だと思うことを教えてください。

「恥を捨てることは大事にしているかなと思います。とにかくお芝居がすごく好きなので、やったことがない役をするのが楽しいです」

――恥を捨てるというのは?

「お芝居をするって、本当はすごく恥ずかしいことなんです。その場にいるみんなが見ているし、たまに自分に戻ってしまうと、『恥ずっ!』と思うことがすごくたくさんあります。でもそこで“ドヤッ ”みたいな感じで、恥を捨てると気持ち良かったり、楽しいって気持ちに持って行けるんです。そんなふうに頑張って恥ずかしさを捨てることは心がけていると思います」

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異次元に飛んでいるような感覚になりつつ、冷静に見ている自分もいる

――木南さんにとって演じることの楽しさ、魅力とはなんですか。

「それはずっと変わっていないと思うんですけど、セットでもロケでも、その世界観に入って、自分じゃない人としてそこに生きている、そこに存在していることです。撮影そのものはスタートからカットまで、すごく短い時間なのですが、それが異次元に飛んでいるような感覚になれる。そういうのがすごく好きです」

――自分ではない感覚が味わえる?

「いえ、その瞬間は自分もいて、私は冷静に見ています。没頭しているというよりは、『あ……今ちょっとセリフがあやうかった。大丈夫かな』と思うこともあります。例えばテストのときはここで感情が動いたのに、今は動かなかった……そう思ったら『あ、こっちで動いた』って気がついたりする。そんなふうに冷静に見ている自分もいるんだけど、表面はその役になって、セリフを言って動くんです。それがお芝居をすることの楽しさなのかなと思います」

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――テストのときと違う部分で感情が動いたら、そう感じた瞬間に違うことを試すのでしょうか。

「最近の撮影でも、泣くお芝居のときに鼻水が出たけど、大事なシーンだったのでそのまま続けました。頭では、この鼻水をどうにかしないとと思いながら。そんな感じで、頭では冷静に考えて、頭の別の部分ではガーッと感情的に喋る、そういうときがあります」

――演じるということは、今の木南さんにとってどんな意味合いを持っていますか?

「何だろう……毎日撮影しているときは挑戦です。いつも新しいことにトライしている感覚でドキドキ感もあるし、一つの場面を撮るたびに毎回チェックして、OKを出されるというのは、テストを受けている感覚でもあります。そうやって毎日難しい試練に向かっているという感覚がいやになることもあるけど、それが大事なのかなって気がします。私はダラダラすることが大好きだから、お芝居がなくなっちゃったら本当に何もない、ぽけーっとした人生になっちゃいそうですね(笑)」

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テンションがいちばん高いのは現場にいるとき。みんなで楽しい空間を共有できるのが素敵

――TRILLには自分らしく生きたいと思っている人を応援しようというテーマもあります。木南さんにとっての自分らしさとはどんなものでしょうか。

「私は周りに流されやすいほうで、実は自分の中はふわふわ揺れているんです。でも周りから見ると、すごくドッシリしているように見えるらしく、周りの目から見た自分と、本当の自分の“中”とのギャップのようなものは、けっこう感じます」

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――では日常でどんなことをしているときが「私らしい」と感じますか?

「自分は現場にいるときがいちばんテンションが高い気がします。多分、現場にいるときってウキウキしているんですね。もちろん緊張もしているんだけど、例えば連ドラなら最初の数日間はドキドキ緊張して、撮影を重ねて後のほうになると、どんどんどんどん楽しくなって、毎日テンションが高くなるんです。アドレナリンが出るというか。『プライベートでもそんなにテンションが高いの?』って言われたときに普段の自分をふり返ると、『そんなにテンションが上がっていないかも……』と思いました。そのとき改めて、そうか現場がそんなに楽しいんだって思いました」

――撮影現場の楽しさってどんなところですか?

「お芝居すること、そのものです。みんなでガッと集中力を出し合うスタートからカットまでの時間はもちろん、カットがかかって、ふわ〜ってみんなが溜息をつく瞬間も好きです。そうかと思いきや、みんなでワイワイガヤガヤおもしろいことをしながら、笑いを我慢しているような瞬間も好き。何が起こるかわからないみたいな空間もいいし、みんなで一つのものを作る、その一体感と緊張感が好きですね。現場での、そのときのテンションや空間をみんなで共有できることが楽しいですね」

 

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Movie & Photography:Yohei Takahashi(f-me)
Movie edit & Design:dely
Writing:Yuko Sakuma
Edit:Natsuko Hashimoto(TRILL編集部)

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