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水原希子さんにとってのファッション、そのリアルな本音とは?

  • 2019.11.1
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国内はもちろん、世界的なファッションアイコンとしても活躍されている水原希子さん。そんな彼女が語るファッションとはどんな意味合いがあるのでしょうか?Netflixの「クィア・アイ」の日本特別版では、悩める人々を見た目もマインド的にも変身させています。国や言葉を超えて、人と人は通じ合うものがあるいう、水原希子さんのリアルとは?

自分の幸せは?と考えると難しい。でも、他の人を笑顔にすることで、自分も幸せになれると思う。

――水原さんがガイド役を務めていらっしゃる「クィア・アイ」日本特別版を拝見しました。ファブ5によって改造されたみなさんの表情が、番組の最初と最後ではまったく違っていたのが印象的でした。

「最初、私は『クィア・アイ』が日本でどんな化学反応を起こすんだろうと思っていました。日本とアメリカではカルチャーが違うから、日本のヒーロー(クィア・アイの依頼者のこと)の人たちはファブ5の勢いにビックリしちゃうんじゃないかと思ったりもしました。でも国や言葉、育ってきた環境やカルチャーが違っても、人間は何かひとつのきっかけがあれば共感し合えるんですよね」

――もちろんファッションなど外見の変化もありましたが、みなさん自信を持てるようになり、それが表情に出ていた気がします。

「例えば1話に出演されたヨウコさんという女性を、タン(ファブ5のファッション担当)と私がスタイリングするシーンがあるんですけど、「これはどう?」ってタンが服を選んでも、ヨウコさんは最初「わからない……」みたいな感じでした。でも選んでもらった服を着たヨウコさんの表情がパッと変わるんです。そしてタンが選んでくれた服を着たヨウコさんを見て、タンが「素晴らしい!」と言う表情を見て、ヨウコさんもうれしくなる。人と人との関わりって、そういうところが素晴らしいんだなって思いました」

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――やはり人間は他の誰かと深く関わることによって、自信に繋がるし、最終的にはハッピーになれるのでしょうね。

「自分がどうしたら幸せなのかってことを考えるのってすごく難しいと思うんです。自分にとって『何が幸せ?』って聞かれても、『何だろう』ってすぐにはわからない。私もどちらかというと自分のことになると疎かになるほうなんですよね。でも他人のためになること、他人を笑顔にするためだったらちょっとがんばっちゃおうかなって思えるじゃないですか。そしてその結果、自分が幸せになっていることはたくさんある。この番組を通してそういう心と心が呼応し合う感じが、とても美しいなって思いました。そこには国境、壁はないんだなって改めて思ったんです」

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違う自分を知ることで、内面からも引き出されるものがある。それがファッションの醍醐味

――1話でファッションの大切さを語っていらっしゃいましたね。水原さんにとってファッションとはどんなものですか?

「ファッションは、違う自分を見せてくれる最強のツールだと思います。普通に生きていると“自分はこういう人だ”と思い込みがちなんですよね。みんな自分でもいろんな側面があるということはわかっているんです。だってどんな人間も持っているものは“ひとつ”だけではないから。いろんな部分があって、もしかしたら人にすごく嫌われる部分も持っているかもしれない。それと同じようにすごく優しい心やクレイジーな部分、すごく自信がない部分……みんなすべて持っていると思うんです。そういう感情的な部分と同じで、ファッションにもいろんなスタイルがあるじゃないですか」

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――それでも「自分はこういう人間だ」と思い込んでしまうと、ファッションもいつも同じ感じになりがちかもしれないですね。

「自分がどんな自分になりたいかわからないとしても、『ちょっとこのネックレスを身に着けてみようかな』『いつもパンツだからスカートを履いたらどうなるかな?』って、ちょっと試してみたら想像もしていなかった自分が見えてくることってありますよね。そうすることで、さらに内面から引き出されるものがめちゃくちゃあると思うんです。そしてそれがファッションの醍醐味だと思います。トレンドのものを着る、高級なものを身に着ける……そういうことではなくて。知らない自分に出会うためのツール、それがファッションだと思うんです」

――「クィア・アイ」日本特別版に登場したみなさんもファッションのちょっとした変化で感動していましたね。

「それは『こんな自分がいたんだ!』ということに感動しているわけですよね。それがファッションの本当の強さ。メイクアップや髪型を変えるのもそうですが、違う自分になることによってストレスが解消されることもある。そしてなりたいと思っていた理想の自分に近づく。ファッションによってそれが可能になることはあると思います」

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ファッションは何気なく選んでいるようで、心の中をすごく表しているものだと思う

――水原さんのプライベートでの服の選び方やファッションの基準は?

「私は、ファッションを毎日楽しむようにしています。普段の格好は自分にとってパーソナルなものしか着ないんです。例えば、LA出身のデザイナーの友達がいて、私は彼女のことが大好きなので、彼女が作った服を毎日着ていたいんです。そうすると彼女のエネルギーを常に感じられるような気がするし。それからビンテージの服をよく着ますが、それにもちょっとした理由があって、子供の頃、おばあちゃんの家に行くと母が子供の頃に着ていた服をよく着せられていたんです。ビンテージを着ることにあまり深い意味はないと思っていたんですけど、知らないうちに子供の頃を思い出すようなものを選んでいたんだなって思いました。」

ーー身につけるものからエネルギーをもらう?

「そうですね、ファッションって何気なく選んでいるようで、自分の心の中をすごく表している。ちょっとしたメディテーションに近いなとも感じます。私は、仕事柄いろんな服を着ているので、日常はこれを着ていると安心という、とてもパーソナルで落ち着くものを身に着けていますね。身につけるもの、色などで印象も変わるので、みなさんにもそれぞれに心地いいファッションを楽しんで欲しいです」

 

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Photography:Yohei Takahashi(f-me)
Movie & Design:dely
Writing:Yuko Sakuma
Edit:TRILL編集部

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