AKB48を卒業後、着々とお仕事の幅を広げている小嶋陽菜さん。ガーリーで可愛らしいイメージが強い小嶋さんですが、ファッションでもお仕事でも自分のイメージを決めつけたくないそう。小嶋さんが思う自分らしい仕事やファッションの選び方とは?
自分自身を発信するもののひとつとして、ブランドのプロデュースを始めました
ーーテレビのお仕事の他にモデルやアパレルブランドのプロデュースをしたりと、お仕事の幅をどんどん広げられていらっしゃいますが、グループを卒業したばかりの頃はどんな心境でしたか?
「2年前の4月に卒業したんですけど、卒業してすぐは”これから何になるの?”とよく聞かれていました。何をするか本当に考えてなかったのですが、13年間やってきたことをその延長で”また頑張るぞ!”という気持ちはなく、一度リセットしたいと思っていました。そして、その時感じた好きなことや、やりたいことを自分で選択していこうと。何をしたら楽しいか、次は何をしようかなって。でもあせりは特になくて、いろいろ探していました」
ーーアパレルブランドをプロデュースしようと思ったきっかけを教えてください。
「AKBを卒業してリセットした後、何をしようかなと考えていたときに、自分自身を発信するメディアを作りたいと思いました。そこで自分のファッションやメイク、ライフスタイルを紹介できたらなと。その中の一つとして自分が好きな服を作りたいなと思ってブランドを始めました。メデイアに関しては当初考えていたものとは違う形でリリースしようと思っています」
たくさんの気持ちを込めて作った服だから、街で着ている人を見るとすごくうれしい
ーーHer lip toというブランドをプロデュースするにあたり、インスピレーションはどんなところから得ていますか?
「私の旅行の予定からです。例えば2か月後にヨーロッパに行くとなったら、その場所で着たい服。リゾートに行く予定があれば、リゾートで着たいドレス。行きたい場所を想像して、そこで着ている自分をイメージして考えています。後は、たくさんの生地の中から好きなものを選んで、質感や柄やカラーからイメージが湧くこともあります」
ーー小嶋さんにとってファッションやお洋服とはどんなものですか?
「毎日の気分を上げてくれるものなので、Her lip toのワンピースを着てどこかへ出かけたくなったり、袖を通して気分がアガったりしてくれたらいいなと思って作っています」
ーー気分を上げるためには着る服を毎日どのように選んでいますか?
「私の場合は行きたい場所や会う人に合わせて素材や色を考えたり、映画やドラマから影響されていつもの自分とテイストを変えてみたり、その時に感じた感覚で変えていますね」
ーーフェミニンだけど背中が開いていたりしますが、服作りでこだわっているところを教えてください。
「私が作る洋服は女性らしいパーツをきれいに見せるというのがポイントになっていて、デコルテや背中の開きの分量だったり、ウェストのラインのシルエットだったり、体をきれいに見せられることにこだわって考えています。今までいろんな洋服を着て私自身が感じてきたことをデザインに活かすようにしています」
ーー服を作る難しさや楽しさってどんなところですか?
「難しさはいっぱいありますね。色んな意見があるのでそれを自分になりに消化して考えをまとめるのに時間がかかったりはします。楽しさもたくさんありますが、製作段階での話しでは、イメージしたものがサンプルとして形になって上がってくる瞬間ですね。」
ーー展示会にもたくさんのお客さんがいらっしゃっていましたが、ご自分が手がけた服をたくさんの方が着ているのを見るのはどんなお気持ちですか?
「ただ服を届けるというよりも、作った服で思いを共有できるというか、コミュニケーションが取れている気がします。“特別な日に着ました”というSNSの投稿を見たときはすごくうれしいですね」
ーーポップアップの演出や飾られたお花もご自分で考えられたと聞きました。
「お手伝いしてくださる方はいるんですが、友達のお花屋さんにお願いして、話しながら作ったりしています。ただそういう部分は柔軟でいたいと思っていて、“これがやりたい”って自分だけで決めるのではなく、いろんな人の意見を聞いたり、今はどういうものをみんなが求めているかを考えて作っている感じです」
ーー自分がやりたいことを実現していくだけではなく、今どんなものが求められているか、何が好きと言われているかを考えることも大事であると。
「自分がやりたいことを優先するのではなくて、みんなが好きなものは私も好きだから、それを提供して喜んでくれたらうれしい。そういう気持ちでやっています」
自分のイメージを決めつけずに選択していけば、おもしろい人間になれるんじゃないかと
ーー今、小嶋さんが思う自分らしさとはどんなものでしょうか?
「自分らしさという言葉はすごく難しくて、私は決めつけられるのがいやだなと思っています。それは思い返してみると昔からで、AKB48デビュー当時によくあるアイドルの自己紹介で"キャッチフレーズ"を自分で考えないといけなかったのですが、1つのイメージをつけたくないのと、私はこんな人ですって少ないワードで表現したくないなと思って「埼玉県から来ました、小嶋陽菜です」って適当なことを言っていました(笑)。
自分らしさやイメージをあえて裏切りたいというか。例えば『これってこじはるらしいよね』と言われると、もっと違うことをしたくなってしまうんです。イメージにとらわれて変化していくことを制限したくないんですね。だから“自分”というものを決めずに、いろんなことに挑戦したいと思っています。ファッションにしても、今日みたいなワンピースも着るけど、もっと違うテイストも着たいし、自分のイメージを決めつけない。“これ”というものにとらわれない選択の仕方をしたいなって、普段から思っています」
ーー小嶋さんといえば可愛くてガーリーなイメージだったのですが、インスタを拝見すると意外とカジュアルなファッションも着ていらっしゃることがわかりますよね。
「そうですね。ストリートファッションも着ます。イメージ通りじゃないというのは、お仕事でも趣味でも言えることです。きっかけそのものは番組でしたけど、競馬を始めたのも“これ”って決めずにいろんな面を見せたかったから。イメージとは違う一面や話題が提供できるようにいろいろ挑戦しています」
ーーお仕事の幅を広げるために努力していることがあれば教えてください。
「次に何をしたらいいかは常に考えて、いろんな情報を見て、自分に合うものを選んだりします。後は“自分に何が求められているか”ということは、どんなお仕事でも考えますね。その期待に応えることもあるし、あえて応えないこともあるし。応えなくても、自分に何が求められているかはわかるように、自分を俯瞰で見たり、情報を集めることはもうクセみたいになっていますね。そして、いつも柔軟でいることが大切かなと。そうすると周りから良いアドバイスを頂けたり、良い出会いが訪れる気がします」
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Movie Director:Yohei Takahashi(f-me)
Writing:Yuko Sakuma
編集:TRILL編集部