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大統領も女子!?ウーマンパワーの先進国、エチオピアってどんなとこ?

  • 2019.5.17
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-食べることから知る、多様な世界-胃袋TRIP。13回目のエチオピア料理に続き、今回はエチオピアのさまざまなカルチャーについてご紹介します。前回料理についてお話ししてくださった「クイーンシーバ」のオーナーソロモンさんにもリアルなエチオピア事情についていろいろと教えていただきました!

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『エチオピア基礎データ』(外務省)(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ethiopia/index.html)をもとに作成、The World Factbookから引用 

【観光】手つかずの自然やタイムスリップしたような景色がたくさん!

豊かな自然が今も残るエチオピア。足を運ぶと大自然のパワーをもらえそうなスポットや歴史を感じる遺跡や街並みがたくさんあります!

まずご紹介するのは、エチオピア北部に位置し、今も活火山として噴火し続ける「ダロール火山」。「地球上で最も過酷な場所」と言われますが、熱された塩水が噴出してできた極彩色の絶景には誰もが息を呑むはず…!塩水が噴出する場所は毎年変わり、訪れるたびにその姿を変えているのも特徴です。

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shutterstock/  lkpro

続いて、エチオピアとジブチの間にある塩湖「アベ湖」は、映画「猿の惑星」の撮影地として人気のスポットです。石灰が積もってできた煙突状の柱が印象的です。

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緑を楽しみたい方には、トレッキングを楽しめる「シミエン国立公園」がおすすめ。エチオピアで最も高い山とされる「ラス・ダシェン」をはじめとする、3000メートル級の高山が連なっていて、見渡す限り大自然というシチュエーションは圧巻です!

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shutterstock/ WitR

ナイル川の水源となるタナ湖から流れ落ちる「ブルーナイルの滝」もその雄大な眺めに感動すること間違いなし。また、滝にたどり着くまでにも吊り橋を渡るなどスリルがあり、道のりも冒険のように楽しめますよ。

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shutterstock/  Aleksandra H. Kossowska

大自然以外にもオススメしたいのが、2006年に街全体が世界遺産に認定された「ハラール」。街の中に99ものモスクがあり、イスラムの聖地として世界中の人々が巡礼にやってくるスポットです。色鮮やかな街並みも必見!さらにフランスの詩人ランボーの住居跡や大聖堂、野生の馬が生息する山など楽しめる箇所が多いのも魅力。

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shutterstock/  John Wollwert
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shutterstock/ AleCasa77

また、ユネスコ世界文化遺産に登録されているのは「ラリベラ岩窟教会群」も必見です。岩をくり抜いて作られたという教会は、現代でも再現できない高度な技術を用いた建築物として高く評価されています。他にもまだまだエチオピアの歴史を感じるスポットは多くあり、意外にも観光名所が豊富にある国なのです。「近代文明を離れて大自然に触れたい」「タイムスリップ気分を味わいたい」という方にはピッタリかも!?

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shuttersrock/ Sarine Arslanian

【文化】1年は13カ月!アフリカ最古の独立国家に残る独特の文化

アフリカ大陸ではほとんどの国が植民地支配を受けたにも拘らず、エチオピアはイタリアによる一時的な統治を除いて、唯一独立国家を守り続けた国です。そのため、今もなお、独自の文化が色濃く残っています。

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shutterstock/ Jarretera

例えば、1年が13カ月あるという点。通常多くの国が西暦を採用していますが、エチオピアでは独自の年月日のカウント方法を用いた「エチオピア暦」を使っており、日本との時間差は約7年あります!なんと、現在は2012年です。さらに時間も6時間ずれており、通常の朝6時がエチオピア時間では12時なのです。

このようなエチオピアならではの時間の捉え方は、支配を受けなかったからこその遺産なのかもしれません。

【経済】中国企業参入でさらに環境が変化?

エチオピアには石油や鉄鉱石などの天然資源がほとんどありません。さらに植民地支配による外国文化や経済の流入もなかったため、経済的には非常に貧しく、世界最貧国の一つとされていました。

ところがここ数年、鉄道、道路網、高速道路、巨大ダム、携帯電話やインターネットの普及などのインフラが着々と整い始めています。2014年には、経済成長率は10.3%で世界1位を記録したほど。

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shutterstock/ Martcha
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shutterstock/ rweisswald

これは、政府が主力産業を農業から工業へ経済シフトしたことにプラスして、中国企業がエチオピアに多数参入したことが大きな要因となっているようです。経済発展はどんどんと進んでいきますが、農村との格差は開く一方。今後も課題はまだまだありそうです。

【民族】鮮やかな装飾を纏う少数民族も!多民族国家エチオピア

エチオピアは、アムハラ族、ティグライ族、オロモ族、ソマリ族など80以上の民族が存在する多民族国家です。公用語にはアムハラ語ですが、方言を含めると100種類近くの言語があると言われています。

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shutterstock/ Nick Fox
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shutterstock/ Yury Birukov
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shutterstock/ Luisa Puccini

唇にお皿をはめる民族や赤土を髪の毛に塗り込む民族など、日本ではみることのできない珍しい風習を今なお継承し続ける少数民族も残っています。ドルゼ族という民族は、象の鼻の形を模した家に住むのが特徴で、ファッションもカラフルでとってもオシャレ!最近では「少数民族=秘境で自然と共に暮らす」という訳ではないようで、また、集落を見せるマーケットを定期的に開いており、観光客が少数民族に出会うための観光ツアーも組まれているのだとか。

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【政治・子育て】女性活躍の先進国!2018年に女性大統領も誕生

2018年、エチオピア国会はサヘレウォルク・ゼウデ氏を大統領とし、史上初の女性大統領が誕生しました。アフリカ大陸全体でも現在、女性国家元首はただ1人です。また、エチオピア国会における女性議員の比率は38.8%で世界では第18位。内閣改造で閣僚の半数に女性を起用し、社会では女性の活躍が目覚ましい国家の1つです。

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shutterstock/ Nick Fox

ソロモンさんはこれについて「エチオピアは元々男女平等で、会社でも女性の管理職も多くいますよ。日常生活でも性差別の視点は非常に少ないと思います。また、日本に比べて子供の数は多いですが、エチオピアの女性はすぐに社会復帰をします。“子どもはみんなのもの”という意識が強いので、周りの家族や近所の方などみんなで育てていくから、仕事に戻りやすいんです」と教えてくれました。先進国に比べて保育所などの環境は整ってはいませんが、「みんなで子どもを育てよう」という強い意識があるからこそ、女性が安心して働ける社会が成り立っているようです。

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shutterstock/ lkpro

女性大統領の誕生により、これから働く環境や子育ての環境はもっともっと変わっていくかもしれませんね。

【恋愛】恋愛はオープン!お調子者や明るい人がモテる傾向に

ソロモンさんにエチオピアの恋愛事情についても伺うと、宗教的な縛りなどは特になく、非常にオープンとのこと。出会いは、学校や職場、パーティー、飲み屋などが多く、基本的に日本など他国と変わらないようです。

デートではバーで生演奏の音楽を楽しんだり、一緒にお酒を飲んだりするのが一般的。男性は口が達者でお調子者タイプ、女性はとにかく明るい人が人気なのだそう!

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shutterstock/ Sarine Arslanian

結婚適齢期は20代で、子どもは3〜4人生まれることが多いようです。

【性格】性格の裏にあるのは、独立国家という誇り

「アフリカの人は陽気で時間にルーズ」なんて話も耳にしますが、エチオピア人はちょっと違うんです。勤勉で時間にはかなりキッチリとした性格。初対面では少しシャイで謙虚な人が多いようですが、打ち解けていくうちにとても温かく接してくれ、非常になじみやすいそうです。この、初対面がシャイでだんだんと打ち明ける性格には、独立国家の背景があるそうです。日本人の旅人からも「エチオピアの人たちは温かかった…!」という声が多いのだとか。

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shutterstocl/ Quick Shot

 

知っているようで知らない、アフリカ東部の国、エチオピア。遺産や民族など独自の文化は残りながらも経済発展が進んでいく様子は、今後も目が離せません。次はフランスをご紹介。なんと結婚は3パターン!結婚しないカップルもいるのが普通の国。5月下旬配信予定。お楽しみに!

 

Writing: 竹林佑子(エフェクト)

Edit+Design: TRILL

 

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