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「○○を制すれば美人見え!」【河北メイク】の極意とは?【第1回】

  • 2019.3.8

美しさはどうすれば引き出せるのか? その模索の答えこそ、自分を活かすメイク=“河北メイク”。“河北メイク”で一番大切なのは、まず自分と向き合うことである。

“河北メイク”――ヘア&メイクアップアーティスト・河北裕介さんがつくり出す、ナチュラルなのに美しくあか抜けているそれは、まさに私たちの憧れる女性像そのもの。
でも、女優さんやモデルさんそっくりにメイクをほどこしても、あんな風に美しくなれないのはなぜ…?
それはメイクの技術のせいでも、ましてや土台のせいでもない。
そこには、自分のメイクを見直す時期であるアラサーこそ向き合うべき「美容論」があった。

――早速ですが、先日出版された『読む河北メイク』。メイクテクニックかと思いきや…。

僕のヘアメイク人生を通して培ってきた、「美の哲学」をまとめた一冊です。23歳でこの仕事を始めてから、今こんな風にメッセージを発信させてもらえるようになるまで、スランプどころか仕事が全くない時期だってありました。その時代から今まで考え続けてきたことを、日々模索しながら、一つ一つ言葉にしていきました。

――ナチュラルさをカギとした“河北メイク”は、初めは支持されなかったということ?

というよりも、まず“河北メイク”なんてものが存在しなかった。世の中で正しいとされていたメイク方法を実践しても、なぜか納得のいく仕上がりにならなくて、悩んだこともありました。
それで、どうしたものかなと思った時に、あるモデルさんと、メイクの方向性について一緒に考えさせてもらう機会があって。そこで初めて、「女性の美しさはどういう風に引き出せばいいのか」っていうことと真剣に向き合った。やっと、今の“河北メイク”の方向性が見えてきたんですよね。

――そこで行き着いた“方向性”がナチュラルメイク?

僕の言う「ナチュラル」って、ファンデーションを薄くすることではなくて、“その人の美しさを最大限に活かす”ということ。
まず、僕は「メイクは“自分中心”であったほうがいい」と思っているんです。メイクは、トレンドのためでも、誰かのためでもなく、自分のためにあるべきだと。

TRILL × YUSUKE KAWAKITA

――“誰かのためのメイク”というのは? 気付かないうちにしてしまっていたりして…。

例えば初めてのデートの時なんかにみんなメイクを張り切りますよね。「この人に好かれたいから」って。でも、その気持ちでメイクしちゃったら、もうそこで負けてるんです。だってそのメイクで好かれなかったらアウトでしょう?
「私、なんのためにメイクしていたんだっけ…?」という気持ちほど自信をなくしてしまう状況はない。例えそのメイクでは好かれたとしても、その人に媚びたメイクをずっと続けるのは、やっぱり苦しい。だったら、本来の自分らしいメイクをするのが一番だと、僕は思っています。

――デートなのに、ファッションやメイクで男性ウケを度外視してもいいんですか? やっぱりある程度の年齢になったら「色気」とか…。

「大人の色気」を意識しだす世代の皆さんにぜひ知ってほしいなと思うのが、それって“セクシー”とは違うよってこと。男性が色っぽいなと感じるのは、たくさんの成功や失敗を経て、その経験と結果を前向きに積み重ねている女性。男って、その人が内面から漂わせる“センシュアル”な雰囲気に惹かれるものなんです。

TRILL × YUSUKE KAWAKITA

――どうすればセンシュアルな雰囲気が出せるようになるんでしょう。

まずは、メイクやファッションを気にかけること以上に、普段の生活の中で、一つ一つの所作や言葉選びが丁寧にできているかということが、とくに皆さんぐらいの世代には、すごく大事になってくる部分だと思います。
メイクというのは、そうした“人間性”に寄り添うものだし、僕のメイクはそういう女性を引き立てるもの、魅力を引き出すものでありたい。

――とはいえ「メイクを張り切りたい」時も。デートでも仕事でも、ここぞという時のメイクはどうすればいいのでしょうか。

そもそも皆、まずメイクより先に服を選んでいると思うんですよね。「今日はこんな雰囲気で行きたいから、この服で行こうかな」って。そうしたら、その延長でメイクを考えること。「この服に合うアイシャドウの色は?」「今日のテイストに合うアイラインは?」って。メイクだってトータルコーディネートの一部なんだから。そう考えられるようになったら、メイクはもっと、もっと楽しくなりますよ。

TRILL × YUSUKE KAWAKITA

――でも、エイジングサインが気になってきた女性にとっては「メイクはアラを隠すもの」。それこそデートなんて、その意識が爆発してしまうんです。

そりゃこんな小さい手鏡の中でメイクしてたら、毛穴から何から何まで気になりますよ! でも皆さん、ハズキルーペで人の顔見ているの?見てないでしょ(笑)。理想は、服を着てから、できたら半身ぐらいは見える鏡でメイクすること。そうすると、「ああ、この服ならこのぐらいのメイクがちょうどいいな」なんてことが分かるようになるから。そうするとぐっとオシャレになる。シミが一つ見えなくなるのと、全体的な魅力を引き上げるのと、どちらが効果的ですか? っていう話です。

――では河北さんが、メイクの中でいちばん手をかけていらっしゃる部分は?

眉って、顔の中で唯一はっきりとラインを描ける場所なんですよ。そしてこの“線”っていうのは顔の印象操作にもすごく大事。例えば少し下方向に描くだけで、困った顔に見えてしまったり。意志のある顔、柔らかさ、エレガントさ…、眉さえコントロールできれば、どんな雰囲気でもつくれると僕は思っています。だからこそ、眉は時間をかけてじっくりつくり込みたい。河北メイクのルールですね。

TRILL × YUSUKE KAWAKITA

――眉を制するものはメイクを制するんですね!

そうです。日本人の女性には、しっかりとラインをとった眉が似合うことが多いかも。平面的な顔に自然な立体感を出してくれるので、おすすめです。眉を頑張るだけで、メイクは相当うまくなるはず。つまりは、美人度が格段に上がります。

――最後に、ユーザーへメッセージを。

10代20代の頃はいろんなメイクに挑戦していいかもしれない。だけど、大人になればなるほど、“その人らしさが見えるメイク”じゃないと魅力的に映らない。
なぜならメイクはフェイクじゃなく、自分の美しいところを引き出すためのものなんだから。
そのためには、まず「私らしい美しさとは?」と、自分と向き合うこと。僕のメッセージが、そのきっかけになれたら嬉しいです。

 

「メイクは自分らしい美しさを引き出すもの」ということを教わった今回のインタビュー。
とはいえ、「自分に美しいところなんて」という女性も多いのでは…。
次回は、その“自分らしい美しさ”の見つけ方を伺います。3月9日(土)配信予定。お楽しみに。

 

▼第2回の記事はこちら
「嫌いを好きに変えるには?」人気ヘア&メイク河北裕介さんに聞く ”私らしい美しさの引き出し方”【第2回】

河北裕介プロフィール
『ただの美人にならなくていい。“最高の私”になればいい 読む河北メイク』インフォメーション

Movie Director:Yohei Takahashi(f-me)
Writing:Kaoru Isobe
Edit:Natsuko Hashimoto(TRILL編集部)

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