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【スイス】カルチャー編 「結婚に縛られなくてもOK!重要なのは『どう幸せになるか』」

  • 2019.1.27

色々な国の料理を通して、様々な文化に触れていく「世界の胃袋TRIP」。3回目スイス料理に続き、今回はスイスのお国柄や恋愛事情などについてをご紹介。前回伺ったスイス料理専門店のオーナー、デニーさんのリアルなお話も交えながら、日本とはまた異なる価値観に触れていきます。

【言語】さすがヨーロッパの縮図!公用語が4つもあった!

スイスはドイツ、フランス、イタリア、オーストリアの4カ国に隣接した内陸国。公用語もドイツ語をはじめになんと「4つ」もあるんです。また、スイス在住外国人も多く、“ヨーロッパのハート(中心)”または“ヨーロッパの縮図”なんて呼ばれることもあります。

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正式な国名は「スイス連邦」ですが、4つの公用語にあわせて、国名もそれぞれ表記が異なります。しかし、硬貨や紙幣には4つの国名を記載するスペースがないため、印字されるのはどの言語にも属さないラテン語の国名である「ヘルベティア国家連邦(Confoederatio Helvetica)」。なので、国名表記はなんと5つもあるのです!車のナンバープレートや通貨の単位、ウェブのドメイン名などには、国名コードにはCHと入っていますよ。

【政治】日本が江戸時代の頃からずっと続く、永世中立国

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LouieLea/Shutterstock.com

スイスといえば、「ヨロレイヒー」なんて歌声が聞こえてきそうなアルプスの山々を想像しませんか?実際に国土の大半が山岳地帯であるため、歴史的にも外国勢力による長期的支配が少なく、中立主義や直接民主制などの独自の政治体制・伝統が出来上がっていきました。

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SAPhotog/Shutterstock.com

現在、世界で最も古い永世中立国であることもスイスを語るには欠かせない特徴の1つ。1815年から200年以上も続いています。日本はまだ江戸時代の後期の時です。
どの国にとっても平等なイメージが保たれるため、世界保健機構(WHO)や赤十字国際委員会、世界貿易機関(WTO)などがジュネーブに、国際サッカー連盟(FIFA)はチューリッヒに、国際オリンピック委員会(IOC)はローザンヌに本部を置いています。

【政治】「牛に角が生えてるか生えてないか」も、投票で決める?

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Stefano Ember/Shutterstock.com

世界でも稀な直接民主制を取っているため、なんでも国民投票で決定するスイス。EUの非加盟も国民投票で決まったことの1つです。つい最近では、「牛たちの声を代弁したかった」という農家の思いから「牛に角はついているべきか」を問う国民投票が実施されました。

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このように国民自身で決めることが多いため、日頃から意思表示をはっきりとし、ディスカッションすることを楽しんでいる人が多いのが特徴。

【地理・政治】世界平均寿命ランキングでは、日本に続き第2位!

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Jakl Lubos/Shutterstock.com

雄大な山脈に囲まれた環境も魅力の1つ。ヨーロッパアルプスの最高峰であるモンブランやマッターホルン、ユングフラウヨッホなどの名峰が連ねています。スイス国民にとって、山は身近なもので、休日には山登りやハイキングをよく楽しむのだそう。

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Umomos/Shutterstock.com

そんなスイス、2018年に発表された世界平均寿命ランキングでは、日本に続き第2位という好結果。さらに世界幸福度ランキングでは5位にランクインしています。ちなみに日本はなんと54位…!どちらの結果でも毎年上位に位置することは、他国民からすると、なんともうらやましい限り。自然に囲まれて休日を楽しむという心の満足感が平均寿命にも影響しているのかも…!?

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Fedor Selivanov/Shutterstock.com

【技術】ロレックスも、インターネットも、アルミホイルも、実はスイス生まれ!

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SilvanBachmann/Shutterstock.com

オメガ、ロレックス、フランクミュラー…誰もが聞いたことのあるこれらの高級時計メーカーは、どれもスイスメイド。世界の高級腕時計市場はスイスがほぼ独占している状況です。そして、それら人気メーカーに共通して評価される理由は“高品質”であること。

16世紀に宗教弾圧により職を失っていた宝飾職人と、同じく宗教弾圧によりフランスからスイスに流れてきた時計職人が技術を補い合うことで、高度な技術の時計ができあがっていったのが始まり。

また、デニーさん曰く、「スイスはイノベーションの国」。そう、現代生活における必需品の中にはスイスで誕生したものがたくさんあるんです。例えば、インターネット、アルミホイル、マジックテープ、ジップ(ファスナー)、キックボードなど。スイス人は常に新しいことを考えながら生活しているそうで、日々の中で“あると便利”なものを生み出すのが得意のようです。

【国民】意外と保守的?「女性=家を守る」という意識がまだまだ根強い

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Abizova Elvira/Shutterstock.com


男性はその働きぶりを評価されていますが、実は女性の社会進出が遅いというのもスイスの現状。欧州21カ国中21位。未だに「女性の役割は家を守ること」という意識が強く残っているようです。スイスでは家族で過ごす時間を大切にしているため、会社や学校に行った家族がお昼ご飯を食べに家に戻ってくることが当たり前なんだとか。

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FamVeld/Shutterstock.com

このように家族で過ごす時間や家事を重視していることに加え、ヨーロッパ諸国に比べて育児支援が少ないという事実も。なんと、保育料は世界一の高さとも言われており、産後の職場復帰がなかなか難しいのです。

ですが、最近では幼児を預けやすくするよう裁判が行われたり、パートタイムの仕事でも役職が与えられたりという事例もあり、時代の流れに伴って少しずつ変化しているようです。

【恋愛】意外にも計算高い?スイス人女性の恋愛事情

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さて、そんなスイスの恋愛事情ですが、家庭を大切にするということで、さぞかし熱〜い恋愛が繰り広げられて、結婚するのかと思いきや…女性は男性を選ぶ際には、情熱的になることなく、冷静に財力も重視するのだとか。まじめかつ倹約家な性格であるせいか、他国で資産を得ている外国人との国際結婚が多いという話もありますよ。

スイスには在住外国人が多く、公用語も4カ国語あることで、グローバルな恋愛に発展しやすいのが要因の1つ。その結果、国民全体の4割が国際結婚をしているとも言われています!

【恋愛】結婚という契約はしない?それよりも、どう幸せになれるかが大事!

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スイスは事実婚が多いんです。その理由には、結婚をすることで税金が高くなることや、離婚率が高く結婚に対して良いイメージを持てないことにあるのだとか。

デニーさんによると、「結婚という契約よりも、『どうやって自分たちが幸せになれるかを決める方が大事』なんです。スイス人にとっては、より良いパートナーシップを続けることがとても大切」なのだそう。家族を大切に思うことは変わりありませんが、愛の形は結婚に縛られずそれぞれあるんですね。

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育つ環境やお国柄で異なる、性格、恋愛観、結婚観。けれど、勤勉で恋愛にも冷静なスイス人は、私たち日本人にとって共通する部分が多いのかもしれませんね。他の国について知ることで、もっと自分の国を客観視できたり、自分の考えの選択肢の幅が広がったり。次回はトルコを紹介!2/9,10配信予定。お楽しみに!

Writing: 竹林佑子(エフェクト)

Edit: TRILL

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