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アラサー女性が最も気になる人「高橋一生」が語る“お金”、“幸せ”とは何か?

  • 2018.10.17

大学時代の親友が宝くじで当てた3億円と共に忽然と姿を消す男ーー「億男」で高橋さんが演じたのは最後まで敵か味方かわからないミステリアスなキャラクター。豊かな表現力で様々な役柄を演じ、女性たちの心を掴んでいる俳優・高橋一生さんに「役者」としての人生観を語っていただきました。

アラサー女性が注目している高橋一生さんに、役者としての人生観を語っていただきます
1/演じるにはどんな役にでも共感できないといけない

お金によって仲間が変わってしまった。その絶望感は計り知れないと思う

ーー「億男」で演じられた九十九という役はお金を手にしたことによって、いろいろ達観している人なんだなと思いました。九十九の生き方についてはどう思いましたか?

「アリだと思います。九十九はあきらめている人間だと思うんです。僕は九十九を演じて、彼に寄り添っているので、九十九の絶望もよくわかる。お金によって仲間が変わってしまった。しかも自分すらも変えようとしている。自分と仲間が築いてきたものが純粋なものではなくなってしまった…その恐怖や絶望感は底知れないと思いました」

ーー劇中にはお金に翻弄される人々が多数登場しますが、いちばん共感できるのは九十九ですか?

「九十九にはとても共感できます。まあ演じるには、絶対的に悪とされる役でもなんでも共感できないといけないと思っているのですが」

2/僕の芝居からにじみでるものを受け取って、何かに触れてもらえたら役者冥利につきます

最終的に人間であるために必要なのは娯楽。芝居をすることはその一端を担っている

ーー高橋さんの俳優としての生き方についてもお聞きしたいのですが、九十九という役へのアプローチから考えると、他人の人生を生きるのが俳優の仕事なのかなと思いました。

「そうですね。僕は最終的に人間であるために必要になってくることは娯楽だと思っているんです。お芝居は“ごっこ遊び”だと思われている人もいるかもしれませんが、お芝居をするということは、その一端を担っているのだと以前から強く認識しています」

ーー娯楽によって、人間は人生を楽しむことができるし、希望を見いだすことができるということでしょうか?

「多分娯楽がないと人間は、最終的に動物的な生活になっていくと思うんです。どんどん必要じゃないものを排除して、合理的になっていったら、ただの動物になってしまう。楽しむ、笑う、泣く、そういうことがないと人間である必要性がなくなってしまうと僕は思っています。人間には心というものが存在してしまうから。どこにあるのかわからないけれど、その心のおかげで人間は、想像力を持ったり、豊かな気持ちになれたりするんじゃないかと思うんです。その部分を刺激するのはとても必要なことだと思います」

ーー娯楽を享受することによって人間の心は刺激を受ける、と。

「それは僕も含めてです。お芝居をするにあたって、役によって自分も刺激されるわけです。僕の芝居からにじんでいるものを受け取って、何かに触れてもらえたら、役者冥利につきます」

3/他者の目を気にせず自分の思う通りに生きた方がいいと思う

本質的な女性としての魅力を大切にすべきだと思う

ーーTRILLのユーザーは「30代までには結婚するべき」ような社会的「べき論」に悩んでいる方も多いようです。高橋さんは「男として」、「俳優として」こうあるべきということに惑わされることはありますか?

「ありません。それは他人からどう思われるかということが根底にあるんだと思います。人目が気になるということは、結局はそこには他者が存在している。他者からの目を気にして生きていたら、死ぬときにもっといろんなことをやっておけばよかったと後悔すると思うんです」

ーー確かに大抵の場合、そういう他人は言いたいことを言っているだけだと思います。

「男性も女性も、自分の思う通りに生きたほうがいいんじゃないかと思います。例えばお金持ちと結婚して、洋服をたくさん買って自分を着飾って美貌を保つことができても、寂しさが付いてまわる気がします」

ーー物質的な幸せは得られるでしょうね。

「そういう女性にはそういう男性が来てしまうと思うんです。女性を不動産のようにしか思っていない人たちが」

ーー「億男」にも出てきました。女性を外見の美しさだけで判断するような男性たちが。

「若さや美しさの向こう側にある本質的な女性としての魅力を大切にすべきだと思います。どこに重きを置くかによって、生き方や人生の見え方が変わってしまうから、他人の目にあまりとらわれないほうがいいと思います」

4/自分の本心の重心がとれている、バランス感覚がよい女性がステキだと思います

「本当の自分はこうだけど」と思っていたほうが柔軟でいられる

ーーとなると、高橋さんがステキだなと思う女性は?

「周りのことを全然気にしていない人」

ーーいまのお話の流れだとそうなりますね。

「気にしていないようで、相手や周りを気遣っている、そういう方がステキだと思います。自分の本心の重心がちゃんと取れていてバランス感覚が良い女性は、いざというときにどこかどっしりしているから頼れるというか」

ーーそれでは最後に高橋さんが思う「自分らしさ」を教えてください。

「人に決めてもらうことです。自分で『自分はこうである』と決めてしまうと、本当に動きづらくなるので。それこそ僕はこういう仕事をしているので、自分らしさは人に決めてもらう。『どうぞ勝手に決めてください』という感覚でいるんだと思います。そうすると誰かが作った人格と自分が持っている人格との差が離れてしまっても、自分が持っている人格にはすぐに戻ってこられるんです。差異がわかると自分に戻りやすい。『本当の自分はこうだけど』と思っていたほうが気持ちがラクだし、自分というものに対して柔軟でいられるんじゃないかと思います」

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Photographs:Yutaka Matsumoto
Writing:Yuko Sakuma
Edit:TRILL編集部

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