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【第2回】「Lean In Tokyo」創立者・鈴木伶奈さんに聞く「自分らしさ」と「自信」の作り方

  • 2018.9.19
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女性が自分らしく、自分の本当にやりたいことを実現できる社会を作ることをサポートするコミュニティ作りとサポート活動を展開している「Lean In Tokyo」。その創立者である鈴木怜奈さんに、「自分らしさ」と「自信」の作り方を聞きました!

世の中の「当たり前」を疑う。バイアスをかけずに自分の心に向き合う

ーー鈴木さんはいろんなところで「自分らしく生きることの大切さ」について講演されていると思いますが、ご自身で心がけていることはありますか?

「一つめは毎日いろんなことを夫と話すようにしています。夫に話せば自分の考えを整理できるし、自分の毎日を振り返ることにもなるので」

ーー結婚していない場合や、話す相手がいない場合はどうすればいいですか?

「以前は、ずっと日記をつけていました。日記のいいところは自分の考えが言語化されること。読み返すことはあまりしませんが、日記を書くのは自分との対話というか、『何でこう思ったんだろう』と考えることを繰り返すことにつながる。それが自分らしさを保つことに効果的だと思います」

ーー日記にはどんなことを書けばいいんでしょうか?

「例えばイライラしていることも書くようにするんです。怒りなど感情には振り幅みたいなものがあって、日記に毎日書いていると、自分の感情が同じことや似たようなことに反応していることが多いことに気づいたりします。それを知るだけでも自分のストレスが減るというか、『またこういう状況が来たからイライラしているんだな』って気づくことができる。そうするとストレスもなくなるし、自分のことをより深く知ることにつながると思います」

ーー他にもルールはありますか?

「二つ目は『当たり前を疑う』ということをしています。基本的に女性が『嫌だな』と思うことって、“世の中の当たり前”に縛られていることが多いんです。毎日生きていると本当にいろんな当たり前があります。それに流されず、何か判断を下すときは『当たり前』というバイアスにとらわれないようにする。リベラルな視点で、自分の心に向き合い、素の自分はどう思うのかを考えるようにしています」

周りとの関係性から「自分らしさ」を知る鈴木伶奈さん
出典:Lean In Tokyo

自分らしさは自分の中にあるもの。だから内省の時間を持つことが大事

ーー自分らしさを維持しつつ、自分なりにアップデートしていく方法はありますか?

「まず一つは価値観が合わない人とは無理して会わない。二つ目は仲間を持つ。一人で世界を変えることなんてできないから。でもいちばん大切なのは、自信を持つことだと思います。自信を持つためには、周りに何人かサポーターみたいな人を持つことがすごく大事。私はLean In Tokyoのメンバーと頻繁にやりとりしあっています。例えば女性同士の揉め事などは夫にはわからないから、そういう話はメンバーと話します。そして『いや悪くないよ』、『大丈夫だよ』、『みんな期待しているから』という声を返してもらえると私はすごく安心できます」

ーー何が自分らしさなのか、わからない女性も多いと思います。自分らしさを身につけるためにやるべきことは?

「自分らしさを見つけるために、旅に出る方がいらっしゃいますが、それは違うかなって思います(笑)。自分らしさって、やっぱり自分の中にあると思うから。自分の中にあるということは、自分の感情の起伏を知ったり、自分を振り返ったり、そういう内省の時間を持つことが大事だと思うんです。それでも結局は他の人がいてこその『自分』なんですよね」

ーー周りとの関係性の中から「自分」というものが見えくることはありますね。

「その周りの人たちに『私ってどういう人間?』って聞くのもいいと思います。自分が思う強みや弱みは、意外と周りの人が思ってるものと違うかもしれないから。なので周りの人から見た自分を受け入れて、そこを『強み』と思って活かすのは大事だと思います。そのためにも周りの目から見た自分と自分が思う自分、その両方知っておくといいと思います」

いろんな人との交流を楽しむ鈴木伶奈さん
出典:Lean In Tokyo

自分が失敗と思っていることも、他人から見たら案外そうではない

ーー鈴木さんのように次々とやりたいことを実行する勇気を持つにはどうしたらいいでしょうか?

「やりたいことって、多分やってみないとわからないと思うんです。『好きなことは何ですか?』って聞かれると、結構たくさんあるし、即答するのは難しいですよね。一方『嫌いなことは何ですか?』と聞かれると、いっぱい出てくるんですよ。だから『これは何か嫌い』と決めつけずに、『これってどうなんだろう?』と思ったことを何でもいいからやってみる。そうしてやってみると、大抵は好きか嫌いかわかると思うし、好きってことはやってみたいことなんだと思います。とにかく気になることがあったら1回やってみればいいんじゃないかなって」

ーーそこで失敗したくないと思うと躊躇しそうですよね。

「私も失敗したくないと思うことは結構あります。でも失敗って、自分の中で失敗と思っているだけで、周りから見ると案外そうじゃないことが結構あると思います」

ーー自分が思い込んでいるだけである、と。

「行動したり人前で話すのが苦手だけど、『こういうことがやりたい』という気持ちはすごくある子がいたんです。『じゃあ、そのための一歩をどうやって踏み出しますか?』という状況になったとき、 ある人がこうアドバイスしました。『まずそれを徹底的に勉強しなさい』って。私はそれを聞いて、何かやりたいことがあるときに、それについて勉強して知識を得ておくことは、すごく自分の力になるなって感じました。だから言いたいことが言えなかったり、行動ができない人は、それを徹底的に勉強して、勉強した上で何人かに会ってみるといいと思います。そこで違うと思うなら『いやいや、それは違うよ』と言えるし、勉強したことによって『私は他の人より知識があるかも知れない』って自信にもつながる。それによって、もしかしたらもっと行動的になれるかもしれないですよね」

Lean In の考えを広める鈴木伶奈さん
出典:Lean In Tokyo

主語を「私」ではなく「私たち」にした瞬間、女性は勇気と大きな力を持つ

ーーそうですね。でも、新しいことを始めるときって、どうしても周りがざわつくというか、賛否両論が起こりますよね。それについてはどう思いますか?

「私たち女性ってすごく面白くって、『自分のためにやっている』って思うとわりと批判的になるんですけど、『私たち、WEのためにやっている』って思うととたんに、罪悪感がなくなるんですよね。

私が取材を受けたり、記事を書いたりするのも、別に自分が有名になりたいからじゃなくて、この(Lean Inの)大切な考え方を世の中に広めたいと思ったからなんです。私も最初は気になってましたが、だんだん外野の意見は気にならなくなったんですよね。

もし自信がなくなったり、迷ったりしたら、『そもそも自分のこの仕事は何のためにやっているのか』、『誰に届けたいのか』などを自分に問いかけてみてください。そのとき、具体的な人の顔が浮かぶと、勇気とパワーが湧いてくるんですよね」

――では、鈴木さんが大事にしている言葉はなんですか?

「最年少ノーベル平和賞を受賞したパキスタンの少女、マララ・ユスフザイの言葉なんですが、『Do not wait for somebody to come and speak for you. It is you who can change the world. 誰かがあなたのところにきて、あなたのために声をあげることを待たないでください。世界を変えるのはあなたなんです』というもの。この言葉はLean Inを始めるときにも本当に自分にもすごく響いて。社会ってこうあるべきだよねや、こういうのって許せないよねっていうことを、今までは気づいていたのに封印して、実際は何もしてこなかったんですよね。でもこの言葉を聞いたときに、『あ、私でも、一人でも何かができるんじゃないか、変えたければまず自分が動かなきゃ』って気づかされて。それ以来、自分が何かを変える人になる。そのためにチェンジし続けようと思っています」

やらない後悔の方が大きいと語る鈴木伶奈さん
出典:Lean In Tokyo

やってみて失敗を嘆くより、やらない後悔の方が人は大きい

ーー最後にTRILLユーザーにメッサージをお願いします。

「恋愛、仕事……いろんな不安や悩みがあると思いますが、その不安や悩んでいることはまず人に話してみるといいと思います。そして『これやろうかな』と思っていることがあるなら、何でもやってみた方がいい。私は昔、転職しようかって迷っているときに、ヘッドハンティングの連絡が来て、そのお話を受けるかどうかすごく迷ったんです。そんなときに友達から、『いや、まずその会社に受かってないし、受かってから考えたら?』と言われて、それもそうだなと思いました(笑)。何かを始めるかどうか迷うより、まずその状況になってから考えればいい。やってみて失敗を嘆くより、やらない後悔の方が人は大きいって言いますし。不安でもとにかく何かをやってみる。一歩を踏み出して、行動することにつなげていくと、違う景色が見られるんじゃないかなと思います」

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Movie Director:Yohei Takahashi (f-me)
Edit:Natsuko Hashimoto(TRILL編集部)

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