1. トップ
  2. 恋愛
  3. 3歳までに決まる! 子どもへの虐待やネグレクトが招く“愛着障害”とは

3歳までに決まる! 子どもへの虐待やネグレクトが招く“愛着障害”とは

  • 2015.2.20
  • 965 views

【ママからのご相談】

テレビで『愛着障害』に関する特集を見ました。“3歳までの親の接し方が大切”だと話しているのを聞いて、わが子(3歳と1歳)の接し方に不安を覚えました。 仕事を掛け持ちしている上に家事などがあってしっかり接することができてないので、愛着障害になってしまうのではと不安です。

●A. 時間ではなく、質(愛情)を重視した子育てをすることが大切です。

ご相談ありがとうございます。フリーライターの桜井涼です。

昨年、広島で起こった少年犯罪によって『愛着障害』が今、注目されてきています。こういった心の問題についてしっかり考えていらっしゃる相談者様は、お子様のことを考えておられるようですね。とてもすばらしいことだと思います。

お仕事を掛け持ちでされた上、家事育児まで頑張っていると、どうしても子どもと接する時間が少ないと考えてしまいます。しかし、時間ではなく質を重視した接し方をすることで愛着障害を引き起こすようなことにはならないと考えます。

●愛着障害とは?

生まれてから人間関係を形成する段階で、最初に接する大人(親)から虐待やネグレクトを受けてしまうことで起こります。子どもの心は、「私が悪い子だからこうされるんだ」という気持ちを持ってしまい、大変自己評価が低い状態です。子どもは、最初から、「親が悪い」なんて考えません。何をされても、年齢が低いとお父さんやお母さんが大好きという気持ちがなくならないからです。

そういった気持ちが蓄積されることで、発症してしまいます。大きくなっても“人を思いやることができない”“自身の行動をコントロールできない”といった状態になります。法務総合研究所の調べ(2014年)にて、少年院にいる子どもで虐待を受けた子どもは、男子18.6%、女子39.7%となっています。

この結果から、多くの子どもたちが愛着障害になっている可能性が高いことがわかると思います。

●“3歳までの親の接し方が大切”の意味は?

相談者様が、テレビの特集の中で“3歳までの親の接し方が大切”と聞かれたことについてですが、これは脳の発達が関係しています。脳の発達は、3歳ころまでが著しいとされています。そんなときに、暴力やネグレクトなど、子どもに感心を持たないような状態が続いたとしたら、子どもの心は傷ついてしまうことがおわかりになるでしょう。

親がそういった行為をやめて、子どもが安心して暮らすことができる家であったり、関係を築くことがこの年齢期には重要だということを意味しているのです。

●具体的にはどうすればいいの?

忙しいときだからこそ、目を見て話を聞いてあげる時間を取ってみましょう。子どもは“聞いてもらえた”“お母さんがこっちを見て笑った”“抱っこしてくれた”など、ちょっとのことで安心してすぐ次のことをするようになります。お母さんから離れないというのは、不安な気持ちが取れないからです。“不安感を取り除いてあげる時間”を作ってあげることが子どもにとって一番必要なことだと考えましょう。

子どもの欲しがる愛情の器は、小さいけれど底なしです。「もっともっと!」と欲しがります。でも、お母さんだけでは限度があります。だから、周りの大人からも力を借りましょう。夫婦で協力したり、おじいちゃんやおばあちゃんの力を借りたりして、子どもとの時間を取ることもできます。また、家事をしながら遊んだり、子どもにお手伝いをさせたり、工夫次第で子どもと一緒にいる濃い時間を作ることができます。

----------

女性は、母親になるととても大変です。相談者様と同じように仕事を持ち、家事育児を頑張らなくてはいけないのですから当然です。家事は少しくらい遅くなってしまっても後でやればいいのですから問題はありません。でも、子どもの一瞬は二度と戻ってこないということを知っておきましょう。そうすれば、どちらが優先かおのずと答えは出てくるはずです。

私も息子が3歳の時、仕事と家事育児の忙しさから、「今忙しいからあっちで遊んでて!」と言ってしまうことが何度もありました。そのときの息子の悲しそうな顔が今でも忘れられません。どんなに後悔したって、時間は戻ってこないのです。

お子さんの目を見て笑いかけてあげることや、抱きしめてあげることだけでも子どもは安心できます。ぜひ、短くても中身の濃い時間を過ごしてみてくださいね。そしたら、愛着障害の不安はどんどん小さくなっていくはずです。

【参考文献】

・『子育てハッピーアドバイス』明橋大二・著

●ライター/桜井涼(フリーライター)

新潟県佐渡島出身。親が転勤族だったため、幼少期より引越し・転校を多数経験しました。母親が病弱だったこともあり、「地球が滅亡しても生きていける!」と呼ばれている父の元、家事からサバイバルまでを様々経験してきました(そのワザが震災時に大活躍!)。4人兄弟の長として奮闘してきましたが、現在は、2児の母をしています。妊娠中と出産のハプニングを乗り越え、今はフリーライターとして活動中です!

の記事をもっとみる