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抑えつけてもOK? 親が子どもの前でマイナスな感情表現をするべきか

  • 2015.2.4
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【ママからのご相談】

大人の顔色を伺う息子(6歳)が心配です。明るい性格をしている息子ですが、どこか遠慮がちなところがあります。大人の顔色を伺うところが、なんとなく子どもらしくありませんし、心配になってしまいます。周りの大人からは、「本当にいい子」と言われています。確かにいつもニコニコしていますが、本当はもっと子どもらしくしてくれてもいいのに……。自信はありませんが、抑えつけるような育児や教育をしているつもりはありません。私たちの子育ては何か間違っていたのか? と悲しくなってしまいます。

●A. 子どもも大人も、マイナスな感情を抱いて当たり前です。

ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。

「明るいいい子」と聞いて、どのような子どもをイメージするでしょうか。多くの方は、ニコニコした朗らかな性格の子どもを思い描くのではないかと思います。ところが、私たち大人でも、日常生活の中にマイナスな感情を抱いてしまうことは多々ありますよね。

いつもニコニコしていてほしい、というのはあくまでも理想像であって、現実には毎日さまざまな出来事が起こり、子どもも大人も感情を揺すぶらせながら日々を生きているのです。

●“抑えつけていない”は本当でしょうか?

きょうこころのクリニック院長で精神科専門医の姜昌勲(きょう まさのり)さんは、以下のようなお話をされています。

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『子どもの自己表現の土台となるのは感情です。喜怒哀楽は、子どもの発達において非常に大切な要素です』

『抑えつけられてばかりだと、萎縮して喜怒哀楽が素直に出せなくなり、感情表現も乏しくなります。だからこそ、感情表現が豊かな子に育てるには、子どもの感情を受け止めることが大切です』

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ご相談者様は“抑えつけるような育児・教育をしたつもりはない”とのことでしたが、思い返していただきたいのは“喜怒哀楽”の“怒”や“哀”の部分です。お子様に怒りや悲しみなどの、マイナスな感情表現を教えてあげられたでしょうか?

●子どもたちはマイナスな感情を隠す親を見ている?

ある児童精神科医の言葉には、以下のようなものがあります。

『小さなお子様は自分の感情表現の方法がわかりません。負の感情を表現するために、モノを投げるなどの癇癪を起こすこともあるでしょう。しかし、“怒り”や“辛い”、“悲しい”といった負の感情は、誰しもが普通に抱く気持ちです。そのような感情を言葉で表現できるようになることは、生きていく上でとても大切だと言えるでしょう。幼いお子様にそれを教えるには、常日頃から両親が負の感情を言葉で表しお手本となってあげる必要があるのです』

両親はいつも明るく朗らかで、マイナスの感情をあらわにしないほうが良い、と考えてしまいがちです。ところが、“苦しいこと“・“嫌なこと”を我慢し抱え込んでしまうことも子どもたちは両親から学んでしまうそうです。

お子様の前で、マイナスな感情をきちんと口に出しているでしょうか?

●まずはママがお手本を!

苦しいときや嫌なとき、「苦しいよ」「嫌な気持ちだよ」ときちんと伝えることができれば、そのつらさが和らぐのは大人でも同じですよね。子どもの前でマイナスな感情を露わにすることに抵抗がある方は多いでしょう。

“苦しいこと・嫌なことは悟られないように我慢する”といったことに美徳さえ感じている大人も少なくありません。たしかにヒステリックな感情表現なら、むしろしない方がいいこともあるでしょう。

うれしい・楽しいとき、豊かな感情表現ができるようになることと同じように、“腹が立つ”“哀しい”などのマイナスな感情もうまく表現できるよう、ママからお手本を示してあげてみてください。

【参考文献】

・『「おとなしすぎる子」に不安になったときの子育て』姜昌勲・著

(ライタープロフィール)

木村華子(ママライター)/第一子出産を皮切りに、20代後半のほとんどを妊婦生活で過ごす。自然分娩で生まれてくれた長男の後、胎盤剥離や卵管結紮など、出産での様々なトラブルやアクシデントを経験。現在は日々慌ただしい育児で経験値更新中。3人の子供達と、何考えてんのか分からない旦那様、そして自分を含めた5人の胃袋を満たすため、家事の傍らライター業をはじめました。ガーデニング、家庭菜園、料理、絵、カメラ、お酒、あとは裁縫編み物手芸工芸と、手当たり次第に手を出すチャレンジャー(飽き症)。「お母さんが楽しくないと、楽しい家庭にならんでしょ!」をポリシーに、今日も楽しく育児しています。

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