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チームラボの詩的なデジタルアート空間で迷子になる快感。

  • 2018.5.30

目下ラ・ヴィレットのグランド・ホールにおいて開催されている『Au-delà des limites(境界のない世界)』展では、2,000平米の会場で、チームラボのデジタル・インスタレーションが開催されている。日頃あまりラ・ヴィレットまで足をのばさないというパリっ子も、さすがにチームラボは見逃せないようだ。

11メートルの滝が圧巻だ。

夏の花のヒマワリと5月のカキツバタが隣り合わせで開花。

新作を含めた複数の作品を同時にプロジェクションすることで、ひとつの空間を作り上げている展覧会。たとえば、小さな部屋で見たカラスの群れがしばらく後に別のスペースの壁を横切っていく、というように境界線がない環境で作品同士が混じり合い、コミュニケーションを図り、と作品が発展する。

会場内は複数の部屋に分かれ、その中の最大のスペースでは横幅26.5メートル、高さ11メートルの滝が落ち、流れは床へと続いていく。床を這う滝の流れは会場に立つ人の足にぶつかると、まるで岩に当たったかのように左右に分かれ……。作品間に境がないだけでなく、このように作品と鑑賞者との間の境もなくなるのだ。

カラスの群れが滝、花の中を駆け抜ける。

右向きで行進するウサギたち。顔をタッチすると、こちらを向く。

上から作品を眺められる場所がある。ここから床を見てみよう。会場に立つ人がいることで、その人がいなかったら見られない滝の流れの分岐、床に咲く花を見ることができることに気づく。無縁だった他者との関係がこうして変化するのだ。国境にしても、海と陸にしても地球が続いていることに変わりがない。その境をつくったのは人間。そういった境を取り外すとどうなるのか ? その答えが会場で見ることのできる美しい世界なのである。

ぜひ上の階から眺めてみよう。

人が立つ位置では滝が左右に分かれて流れてゆく。

滝の壁に咲く花は、1時間の間に月ごとの12種の花がみられる。そして、その隣の壁では 5月はカキツバタ、6月は……というように開催中の月の花が咲く。インタラクティブな要素もあって、変化し続ける光景は一期一会で見飽きない。東京ではお台場に6月21日、森ビル デジタルアート ミュージアムがオープンし、チームラボの展示が常設されるという。まずはその前にパリで作品を追いかけて、会場を歩いてみよう。夢中になりすぎて、迷子にならないようご注意を!

5月はカキツバタ。滝の左側のこの壁には、蝶、木、金、蛍などの漢字が上から降りてくる。たとえば蝶にタッチすると、壁一面に蝶が飛ぶ!という仕掛け。漢字を読めないパリっ子たちも、ポエティックな世界の創造に自分が参加することに興奮する。

さまざまな映像が重なり合う。

ポエティックな世界にうっとり。全身白の装いだとプロジェクションが投影されるので、デジタルアートの世界により一体化できそう。

地下鉄Porte de Pantin駅で下車。la Villetteと書かれた出口から地上に出ると、会場の建物がすぐに見える。

「teamLab : Au-delà des limites」展
会期:開催中〜2018年9月9日
会場:Grande Halle de la Villette
211 avenue Jean Jaurès 75019 Paris
開)10:00~19:00(金・土 〜22:00)
休)月
料金:14.90ユーロ
www.teamlab.art/jp/e/lavillette

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