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人生2度目のウェディングドレス、何を着るべき?

  • 2018.5.25
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イギリス王室ヘンリー王子(33)と結婚したメーガン・マークル(36)。5月19日の結婚式より、公式にサセックス公爵妃殿下に。 Photo: Chris Jackson/Getty Images
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ドレストレンドは、典型的なブライダルから個性派デザイナーズへ。

花嫁が2度目のバージンロードを歩くときは、1度目ほど豪華にすべきでないと言われてきた。 再婚の花嫁のドレスは、わずかな華やかさもない控え目で慎み深いもの。伝統的なウェディングドレスを着るべきではなく、白を避け、おそらくクリーム色か、薄いベージュや微妙なグレーであればなおよい。これは、いわば最初の結婚の失敗に対する一種の罪滅ぼしですらあった。

しかしヘンリー王子と結婚式を挙げた、離婚経験のあるアメリカ人女優、メーガン・マークルは、ジバンシィ(GIVENCHY)の純白のウェディングドレスに5mものベールを纏い、父の代わりにチャールズ皇太子にエスコートされてバージンロードを歩いた。

今、2度目の結婚をする女性たちは、自分が好きな服を着ると明言するようになった。 2度目の花嫁(さらには3度目と4度目の花嫁も)は、1度目よりも手が込んでいて、より自分を表現できる美しいドレスを選んでいるという。

「頑固な伝統主義者たちは、2度目の結婚式にウェディングドレスを着る女性に対し、眉をひそめるかもしれませんが、今はマイナスのイメージはほとんどありません」と、『Condé Nast Brides』の編集長で、小説『The Almost Wife』の著者であるジェイド・ビアーは語る。ウェディングドレスが2度目の結婚式に適切かどうかが問題なのではなく、最初のドレス選びの反省をいかし、ゲストに溶け込まないドレスであるかどうかが重要なのだ。

このドレス選びの変化は、ブライダルファッションの進化によるものだとビアーは考えている。「もはやウェディングドレスは、ストラップレスのフォーマルドレスといった典型的なものに限りません。 着やすく、動きやすく、将来ワードローブとして使うこともできるのです」。こういったドレスはブライダルの世界を超え、いわゆるファッションデザイナーが作ったイブニングウェアやレッドカーペットのドレスと変わらない。その例として、ナイーム カーン(NAEEM KHAN)、ミラ・ズウィリンガー(MILA ZWILLINGER)、ガリア・ラハヴ(GALIA LAHAV)などのブランドを挙げている。

ネッタポルテのグローバル・バイイング・ディレクターのエリザベス・ヴァン・デ・ゴルツによると、高級eコマースサイトでは、ガブリエラ・ハースト(GABRIELA HEARST)やブランドン・マックスウェル(BRANDON MAXWELL)のような人気ブランドによるさまざまなブライダルオプションの需要が増えているという。テーラードのパンツスーツやブライダルアイテムなどは「究極の際立ったトレンド」だと彼女は説明する。

夫もドレスもランクアップ!?

メーガン・マークルジバンシィ(GIVENCHY)のウェディングドレスも、1度目の結婚式からの大きなステップアップであることは間違いない。2011年にジャマイカのビーチで行われた式で、マークルは、デコルテにV字型の切り込みが入った、ビジューベルト付きのシンプルなストラップレスドレスを身に着けていた。あれからドラマ『SUITS/スーツ』の元スターは、より良いドレスと伴侶を見つけた。

モデルのミランダ・カーは最初の夫であるオーランド・ブルームとひっそりと静かに結婚したが、スナップチャット創始者、エヴァン・シュピーゲルと2017年にロサンゼルスで結婚式を挙げた際は、ディオール(DIOR)がデザインしたオートクチュールのウェディングドレスをためらいもなく選んだ。結婚式自体は控えめで、ロサンゼルスの家には45人ほどのゲストしか招待されなかったが、ドレスは違っていた。モナコのレーニエ王子と結婚したグレース・ケリーにインスパイアされ、お姫様のようなドレスに、ティアラと見間違うようなヘッドピースを身につけていた。

また、キム・カーダシアンの2度目、そして3度目の結婚式は、ラスベガスで駆け落ちした1度目よりもはるかに手が込んだものだった。 クリス・ハンフリーズとの2度目の式では、ヴェラ・ウォン(VERA WANG)がデザインした3着のドレスに着替えた。そしてフィレンツェでカニエ・ウェストと盛大に挙げた3度目の式では、リカルド・ティッシによってカスタムメイドされたジバンシィ(GIVENCHY)のドレスを選んだ。

「2度目の結婚式を挙げる人たちは、1度目よりも豪華なドレスを着るようになってきています」と、英国のウェディングプランナー、マーク・ニェミェリコは語る。2度目の結婚で豪華なウェディングドレスを着ることに対する後ろめたさは、今となってはまったくと言っていいほどない。「2度目の結婚式で注意すべき唯一の点は、シャンパンが足りなくなるといったように、最初の結婚で起きてしまった物理的なミスだけです!」

年齢を重ねるほど、純白ドレスを避けるように。

それでも、エドワード8世が離婚歴のあるアメリカ人、ウォリス・シンプソンと結婚するために王位を退く必要があった時代から、まだ1世紀も経っていない。しかし現在を見てみると、王位継承者チャールズ皇太子は、コーンウォール公爵夫人カミラと、お互い2度目の結婚式を挙げている。

「王室の一員が離婚歴のある海外の人と結婚するという事実を見ただけで、英国の王室がどれだけ変わったのかが分かります」と、ロンドンを拠点とした国際的な高級ウェディングプランナーであり作家でもあるサラ・ヘイウッドは語る。

ヘイウッドが顧客と仕事を始めるときは、結婚経験があるかどうかなどの質問事項が含まれたリストを準備するが、あまり深く掘り下げた質問をしたり、過去の結婚式について聞いたりすることはない。「もし新しいソファーを買いに行ったとしたら? セールスマンはあなたが捨てようとするソファーについて知ろうとはしません」。 気をつけなければいけないのは、特定の宗教上の条件や子どもがいるかどうかだけだ。

年齢を重ねた再婚の花嫁は、1度目よりも控え目なものを好む傾向があるのも事実だ。しかしウェディング業界関係者によると、それは再婚に対する社会的なプレッシャーからではなく、ただ単に年齢によるものだという。コーンウォール公爵夫人は、2005年のチャールズ皇太子との結婚式で、アンナ・バレンタイン(ANNA VALENTINE)がデザインした紫がかったグレーのドレスを身に纏った。またジェリー・ホールはルパート・マードックとの結婚式に、ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)がデザインした薄いブルーのドレスを選んだ。それも再婚というより、単に年齢によるものだろう。

派手すぎず、地味すぎず......大人再婚のドレス選びの正解は?

アメリカ人セールスコーチのステファニー・クライマン・ゴールドは、2度目となる結婚式のためにカクテルパーティー用のドレスを探し始めたが、ゲストに溶け込んでしまうのではないかという心配がすぐに浮かんできた。当時46歳だった彼女にとって、白いロングドレスは恥ずかしいものだったが、他の色だと自分がまるで花嫁の母親のように思えたのだ。

しかし母が選んだ1度目のウェディングドレスの再現だけはしたくなかった。グレース・ケリーのブライズメイドのドレスを作ったことで有名になった、既に倒産したアメリカのチェーン、プリシラ・オブ・ボストン(PRISCILLA OF BOSTON)のデコルテにハート形の切り込みが入ったロングドレスを着用したのだが、「当時私に選択肢があったかどうかさえ思い出せません」とクライマン・ゴールドは語る。

ピンクのドレスを試着した後、彼女はセールスマンに熱心に勧められたスカーレットレッドのドレスをしぶしぶ試着した。すると「これこそ探していたドレスだわ!」と感じたという。フルチュールのロングトレーンが付いたヴェラ・ウォン(VERA WANG)のマーメードラインのストラップレスドレスに魅了されたのだ。

そのドレスがお気に入りであればあるほど、挙式前に友人たちにドレスのことを話さずにはいられなかった。「少し不安でした。誰かに『大丈夫、大丈夫。それでいいわよ』と言ってほしかったのです」と語る。彼女は将来の夫にまでドレスの詳細を話し、彼もドレス姿をとても楽しみにしていたという。そして4年が経った今でも、ドレスのこととなると「ほんとうに最高の気分でした!」と声高らかに話すのだ。

2度目の花嫁のテーマは、どのように最高の1日を過ごすか。

ロンドンを拠点とした高級ウェディングプランナーのブルース・ラッセルによると、2度目のウェディングドレスを他人がどう思うかということは、さほど重要ではなくなってきているという。その代わり、花嫁は自分の好みを優先するようになった。「欲しいものは手に入れて、そうでなければいらない、それだけです」

もう一人の2度目の花嫁、メリッサ・クレーン・ベイカーは「洗練されていてセクシーだけど、いかにも結婚式用ではない」ウェディングドレスが欲しかった。 彼女は以前、アルマーニのスリップドレスを着て駆け落ちしたのだが、今回はお姫様のような結婚式をしたいとは思っていなかった。そして、キャップスリーブで背中が大きくあいたリーム・アクラのセンスのいいレースのドレスを選んだ。 ヘアアレンジもほとんどせず、前日にドライヤーで乾かしたままのヘアスタイルで行くことに決めた。 彼女の結婚式は「本当に楽しい土曜日のパーティー」という雰囲気だったいう。「たまたまおしゃれなドレスを着ていたような感じでした」

さまざまな予想が飛び交ったメーガン・マークルのウェディングドレスは、クレア・ワイト・ケラーがデザインした、ボートネックのミニマルな純白のドレスだった。そしてイブニング・レセプションのために選んだ2着目は、ステラ・マッカートニーによるシルククレープのハイネックドレス。どちらも幸せな花嫁の笑顔を引き立てる、美しいドレスであったことは間違いない。世界中が熱狂したロイヤルウェディングは、まさに現代の2度目の花嫁の姿を象徴的に物語っていた。
参照元:VOGUE JAPAN

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