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フィービー・ファイロから最後のメッセージ。セリーヌの最新プレフォールに宿る美学。

  • 2018.5.17
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最後にどのアイテムを狙う?

おそらく今、“フィービー・ロス”を感じている女性は世界中にたくさんいるはず。そんな中、発表されたセリーヌ(CÉLINE)の2018年プレフォールコレクションは、嬉しい反面、寂しさも感じさせる。

レザーのパッチワークを施したドレスやコート。超ビッグサイズのトートバッグやフード付きブレザーのスリーピース・スーツetc... ときめかずにはいられないアイテムばかり。しかし、そこに至る美の方程式は実にシンプルだ。メイクは、計算されたノーメイクに近いナチュラル。そしてヘアは、ハンサムな印象のピクシーカットやシニヨン、あるいは長めのルースカットで統一されている。

Less is Moreの美学を貫いた10年間。

これまでもフィービーは、「少ないことは豊かなこと(Less is More)」という美学をストイックに提唱し続けてきた。メイクアップ・アーティストのディック・ペイジによると、それは彼女が常に「透明度と信憑性」を追及してきたからだという。アプリで顔を修正するのは当たり前、皺とり用のフィラー注射が人気上昇という時代にあって、「飾らず、そのままで」というフィービーの最後のメッセージは、他とはかけ離れている。

そしてこのメッセージは、欠点も含めて自分のすべてを大切にしたいという女性のスローガンの役割も。彼女の友人であるヨーガン・テラーが撮影したルックブックは、リアルクローズとしてのセリーヌの魅力が最大限に表現されている。そして、トレンドやメイクアップに左右されない個の主張も感じさせるのだ。

「飾らず、そのままで」というメッセージを感じて。

以前、ファッション・ジャーナリストのサラ・モーアは、「これまでに、セリーヌのフィービー・ファイロほど世界中の女性に自信を与えたデザイナーがいただろうか?」と話していた。彼女がブランドを去った今、私たち“フィービー信者”ができることは、太ももまで届きそうなロングブーツを履いて、ノーメイクで自身を持って歩いていくことなのかもしれない。
参照元:VOGUE JAPAN

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