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日本人も特別賞に!「ロエベ クラフト プライズ」が開催。

  • 2018.5.16
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コンテンポラリーなクラフト作家を選出し奨励するロエベファンデーションによる「ロエベ クラフト プライズ」。
第2回目となった今年は、世界86カ国から約2000人が応募。そのなかから選ばれた日本人5人を含むファイナリスト30人とその作品を集めて、受賞者を決定するセレモニーが2018年5月3日、ロンドンのデザインミュージアムで行われた。

世界中から応募された約2000のなかから厳選された30作品が一堂に介しているさまはまさに圧巻!

エキシビションは昨年新たな建物に移転したばかりのデザインミュージアムで開催されている。

職人の技を軸としながらモダンなアプローチで世界中のファッショニスタを魅了するロエベらしさと呼応するように、最終選考に残ったのはクラフツマンシップに裏付けられながらも未来を見据えた表現でチャレンジする作家の作品ばかり。
クラフト=伝統工芸というイメージを一新してくれた。

受賞者のジェニファー・リーによる「Pale, Shadowed Speckled Traces, Fading Elipse, Bronze Speckes」(2017)

ロエベのクリエーティブディレクターのジョナサン・アンダーソン(左)とジェニファー・リー(中)、プレゼンセーターを務めた女優のヘレン・ミレン。

栄えある優勝者に選ばれたのは、スコットランド出身の陶芸家ジェニファー・リー。
古代から伝わる手法を用いて作られた作品はシンプルでクリーンなフォルムとともに、酸化した金属が創り出す独創的な模様で物語を感じさせる。「ハイエンドのファッションブランドが、新たな表現を目指すクラフトの作り手たちを後押ししてくれるのはとても嬉しく意味深いこと」とリー。

日本人の桑田卓郎は特別賞を受賞。

桑田卓郎の「Tea Bowl」(2017)。器から流れ出すようなプラチナの躍動感が見る者を圧倒する。

岐阜県を拠点とする桑田卓郎は特別賞を受賞。磁器にプラチナとスチールを合わせた大胆さで、これまでにないパワフルなアプローチで目を引いた。「この賞の主旨と自分の目指す作品作りが似ていると感じて応募した。これからもチャレンジを続けていきたい」と語った。

ロエベのクリエイティブ・ディレクターで、賞の審査員も務めたジョナサン・アンダーソンは、「この対照的なふたつの陶芸作品に賞を与えられたことを、とても誇らしく思う。表現方法だけでなく、50年代生まれのリーと80年代生まれの桑田はジェネレーションもまったく違う。そんなふたりの作品を同じスペースで鑑賞出来る機会を持てたこともたまらなく嬉しい」と語り、年齢制限を設けずに幅広い層から才能を募るこの賞の意義も示した。 

今年77歳となるシミーネ・フェルバンの作品「Croissance XL」(2017)。静寂さとダイナミックさが同居した意欲作だ。

もうひとりの特別賞受賞者はフランスのシモーネ・フェルパン。無数の無漂白のコットンを折り畳んで重ねて、自然の情景を描いた。

先人から受け継いだ手法を駆使し、じっくりと時間をかけて自らの表現を突き詰め仕上げられたこれらの作品は、何もかもが目まぐるしく移り変わる現代の私たちに物事のあり方を改めて教えてくれるようでもある。「特に今回は自然に対して謙虚な気持ちを持ちながら制作された作品が並んだとも思う」とジョナサン。

彼が「一点一点すべてに心惹かれる」と語る、30のファイナリスト作品はロンドンのデザインミュージアムにて、6月17日まで展示されている。