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松坂桃李、蜷川実花などマンガの目利きが厳選!今、読むべき11作。

  • 2018.5.12
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出版: 小学館
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小禄拓也推薦 『ダンス・ダンス・ダンスール』 ジョージ朝倉(著)

『溺れるナイフ』の作者・ジョージ朝倉が新作のテーマに選んだのは、「男子バレエ」。繊細な感情を豊かな表現力で描くことに長ける彼女が、120%の熱量で「才能ある者の栄光と挫折」を描く。これがおもしろくないはずありません。特に注目したいのは、明るく愚直に突き進む主人公・潤平と、暗闇に閉じこもる天才ライバル・流鶯(るおう)。月と太陽のように互いの存在を意識し、切磋琢磨し合う二人の関係がとても美しいです。

ジェーン・スー推薦 『クリームソーダシティ』 長尾謙一郎(著)

2014年に未完のまま『週刊ビッグコミックスピリッツ』での連載を終えた幻の名作が、単行本として遂に完結。終末論、ユートピア、複数の個性的な登場人物、絡みあうエピソード、徐々に大きなうねりを見せる物語、エキセントリックな演出、すべて愛してやまない作品ですが、私の表現力ではそれを言語化した時点でチープになってしまうのがつらい。「共感」「親近感」「憧れ」とは無縁の魅力にあふれています。

富永京子推薦 『見晴らしガ丘にて』 近藤ようこ(著)

さまざまな世代や社会的立場にある、どこにでもいるような女性の「心の襞」を、取り立てて何も起こらない日常から、静かではあるが確実に掬いだしている。SNSの中で「主人公」として振る舞うことに疲れたひとにこそ、じっくりと味わってほしい。

蜷川実花推薦 『阿・吽』 おかざき真里(著)

最近、空海に興味を持ち、読みはじめたのがきっかけです。あのおかざきさんがこの題材に挑戦している大変さや作品にかける気迫を感じ、「私もがんばろう」と思う。あと、空海がハンサムなので、すごく読みやすいです。

福田里香推薦 『大奥』 よしながふみ(著)

服が今風にかっこよく描いてあれば、それはファッションマンガでおしゃれでセンスがいいということでしょうか?私は違うと思います。「服で装うこと」の本質を描いてある作品イコールファッションを描くということだと思います。意外かもしれませんが男女逆転のSF時代劇の傑作『大奥』は、なぜ人は盛装するのか?を解き明かす物語と読めます。家光時代にお万の方が着た流水紋の裃を、吉宗時代には老中の水野が、幕末には大奥総取締役の瀧山が、ここぞという運命の大局面で身にまとい、その服のセンスで決意のほどを表明し、周囲を圧倒します。これぞ「衣装」の力。着物の柄ひとつで運命が変わる展開は、まさに服マンガの大傑作です。ファッショニスタを標榜する人にこそ読んでほしい。

松居大悟推薦 『お父さんは心配性』 岡田あーみん(著)

この企画を聞いて、最初に浮かんだマンガです。りぼんマスコットコミックスなんですが、少年時代に読んでゲラゲラ笑って、少しの切なさにグッときて、今でも読み返すと元気が出ます。世代で感じ方は違うかもしれませんが、とにかくパワフルで笑えるんです。

松坂桃李推薦 『NARUTO ーナルトー』 岸本斉史(著)

夢にむかって希望を抱く主人公と、希望を持って突き進んでいたが挫折してしまう人物。二人の対比が面白く、感動もします。仲間の想い・裏切り・嫉妬・家族を大切にする姿勢・子どもを大事にする親の気持ちなど、「想い」がたくさん詰まったマンガなのでオススメします。

萬波ユカ推薦 『デビルズライン』 花田陵(著)

現代版鬼と人間の恋愛模様を描く作品。お話の筋はシリアスでちょっと過激。その中で繰り広げられる二人の恋愛が奥手でもどかしくていじらしくて。スリリングラブ?を楽しみたい方に。続きが気になるマンガ、ナンバーワンです。

村田沙耶香推薦 『天使たちの進化論』 清水玲子(著)

ジャックとエレナというロボットシリーズは私にとって特別な作品ですが、この『天使たちの進化論』は中でも特に好きな一篇です。植物が、動物が、人間が繁殖していく光景と、「死」のないジャックとエレナの存在が絡み合い、そのことがとても美しく愛しいと感じられるからです。

柳下恭平推薦 『うと そうそう』 森泉岳土(著)

いろいろな人が通り過ぎていくのが人生。線画で淡く描かれた、その通り過ぎる登場人物の生活を見ていると、読んでいる自分の人生も切り取られているように心地よく錯覚します。短編が連なり本作を成していますが、表紙から本文まで、作品に寄り添った装釘が、きれいに一冊の本にしています。本棚にささった時に見える背表紙のオレンジも特に好きだな。僕は今まで3冊この本を買いました。誰かにあげたくなる素敵な本。

吉岡里帆推薦 『BOY MEETS "CRAZY" GIRL』 川夏子(著)

敬愛する押見修造先生が推されているのを噂で聞いて書店へ。普通ではない、でもどこか生々しい男女たちの断片。胸キュンって本当はこうだと思う。

小禄卓也(ころくたくや)
「マンガのセレクトショップ」をコンセプトにしたアプリ「マンガトリガー」編集長/生き方・恋・友情・美など、人生で大切な要素が詰まった作品をチョイス。

ジェーン・スー
コラムニスト・ラジオパーソナリティ/近著に自身のリラクゼーション放浪を記した『今夜もカネで解決だ』(朝日新聞出版)。TBSラジオ「生活は踊る」(月〜金曜11時〜13時)オンエア中。

富永京子(とみながきょうこ)
立命館大学産業社会学部准教授/著書に『社会運動のサブカルチャー化』など。書評サイト「ホンシェルジュ」でマンガ批評「マンガを社会学する」を連載するなど、マンガ事情に明るい。

蜷川実花(にながわみか)
フォトグラファー・映画監督/2007年に公開された自身の初監督映画作品『さくらん』は、安野モヨコ原作の同名マンガ。監督第2作『ヘルタースケルター』(12)も原作は岡崎京子の同名作。

福田里香(ふくだりか)
菓子研究家/著書『まんがキッチン』『まんがキッチンおかわり』は自身が心から愛するマンガの世界をスイーツで表現。人気漫画家との対談も複数収録され、ヒットシリーズに。

松居大悟(まついだいご)
映画監督・劇団ゴジゲン主宰/主な監督作品に『アフロ田中』『アズミ・ハルコは行方不明』『アイスと雨音』など。マンガ『ゲームするしかない君へ』『恋と罰』の原作も手がける。

松坂桃李(まつざかとおり)
俳優/『マエストロ!』『不能犯』などマンガ原作の映画にも出演。 自身も大のマンガ好き。4月には主演映画『娼年』、5月には『孤狼の血』が公開される。

萬波ユカ(まんなみゆか)
モデル/国内外のコレクションでも活躍する日本を代表するモデルのひとり。自身のSNSやブログでもお気に入りのマンガや ゲームを頻繁に紹介するマンガ通。

村田沙耶香(むらたさやか)
作家/2016年に『コンビニ人間』で芥川龍之介賞を受賞。『溺れるナイフ』を大好きなマンガ作品にあげるなど、マンガ好きを自認する。

柳下恭平(やなしたきょうへい)
鷗来堂(おうらいどう)代表・かもめブックス店主/昨年オープンしたラブをテーマにした書籍を集めた「歌舞伎町ブックセンター」の選書を担当。今回セレクトした5作品もタイプの異なる愛をテーマにしたもの。

吉岡里帆(よしおかりほ)
女優/主演ドラマ「きみがこころに棲みついた」も同名マンガが原作。自身もマンガをこよなく愛する。

参照元:VOGUE JAPAN

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