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【男から見た結婚のリアル】第20回 結婚が僕にもたらした変化

  • 2018.5.7
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結婚したら何が変わるのかを知りたい人もいると思うので、今回は結婚によって変化したことについて書こうと思っていましたが、変化した、というより、変化させられた、という感覚の方がかなり強いので、今回はこの「変化させられてゆく感覚」について書きたいと思います。

たとえば、これはほんの偶然なのかもしれないけれど、結婚前に僕が頻繁に通っていた近所の飲み屋さんが、入籍の数週間前に閉店しました。それに伴って飲みに行く回数が極端に減りました。そして疎遠になる飲み仲間と、それでもまだ親しくしてくださる飲み仲間とにはっきり分かれました。

「寿司屋や居酒屋からのスナックという流れで、週に3日も4日も遊ぶのは明らかにおかしいからもうやめよう」と、これまで何回思ってもやめられなかったことが、何をもってしてもやめられなかったことが、結婚を機にいとも簡単にやめられた。

やめるのが嫌だとか、やめるのが惜しいという感覚などまったくなく、朝が来たのでベッドから出ますみたいな感じで、飲み歩く習慣をふっと卒業できて、その後、自分が行きたかった場所にすっと行けた。

行きたかった場所というのは、時間をかけて丁寧に小説を書く環境に行きたいと以前から思っていたんだけど、そこにすっと行けた。

そこに行くと、紙の小説の出版がまるっと決まり、それは今夏アマゾン独占販売になります。

仕事がつまらないと思っている人は特に、結婚を機に専業主婦になることを夢見ていたりするよね。

でも結婚して専業主婦になったのも束の間、夫婦で働かないといけない状況になって再び就職して「わたしが思い描いていた結婚生活とちがう」と思ったり、結婚が人生をいい方向に大きく変えてくれるなんてのは幻想だと思ったり、という人もいたりするよね。

僕も結婚ってそういうものかもしれないなあと思っていました。

でも僕の意思を超えて、ある日突然、変化が向こうからやってきた――というか何者かに腕を掴まれて「こっちに来なさい」とぐいっと、なかば強引に引っ張られている感じ。

不思議なもので、いかに変化を望んでも変われない時って、もう何をやっても変化できなくて、自分の無力さや意思の弱さを知るのみ、みたいな時ってあるじゃない?なんかもう、わたしの人生はこの狭い枠の中だけで完結してしまうんでしょうか?わたしはこの枠の外に出られないまま死んでしまうのでしょうか?ここで死にたくないんですが、と、神様に相談しちゃったりする時期って、みんな持ってるよね。持っていたよね。

何者かによって変化させられてゆく感覚をあなたもやがて持つことになるのか、それともそういう感覚はごく一部の人にしか味わえないものなのか?

その答えは僕にはわからないけれど、もしあなたの人生にこの波がやってきたら、楽しみながら波に乗るといいです。どこに連れて行かれているのか今の僕がわからないように、あなたもきっとわからないと思うけど、でも楽しむといいです。

だって、思い出してもみてくださいよ。変わりたくて、でも変われなくて、人知れずやるせなさと不安に怯えた夜を数えたら、あなただってきっと片手では足らないでしょ?(ひとみしょう/文筆家)