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セレブな主婦たちのミステリー、「ビッグ・リトル・ライズ 」。【海外ドラマ完全ガイド】

  • 2018.5.6
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Photo: Photofest/AFLO
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海外ドラマバブル時代のトップを走り続ける。

ここ数年で目まぐるしく動く海外ドラマ業界。NetflixやAmazonプライム・ビデオといったネット動画配信サービスの出現で、手軽に最新の海外ドラマを視聴できる環境が整い、これまでアメリカで放送されても日本で視聴するまでにかなりの時間を要していたものが、本国とほぼ同時に日本でも配信されるようになった。海外ドラマのボーダレス化が進んでいるのだ。

海外ドラマ供給過剰時代とも言える今。高額な製作費がつぎ込まれ、従来のドラマのスケールをはるかにこえたハイクオリティなストーリー展開で視聴者を圧倒する作品が数多く存在する。どの作品も想像を絶するクオリティで、まさに飽和状態に突入しているともいえる。

こんなバブル状態の海外ドラマ市場で、2017年度軒並みトップを走り続けた作品がある。2大オスカー女優であるニコール・キッドマンリース・ウィザースプーンが出演・製作総指揮を務めたサスペンスドラマ『ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~』である。

賞レースに忖度は一切なし!

右を見ても左を見ても、度肝を抜かれる良質なドラマが多い中で、エミー賞で5冠、ゴールデン・グローブ賞で4部門を受賞した実力作。普段海外ドラマを見ない人でも、このドラマは知っているという人も多いのでは?

「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」が、海外ドラマにおける賞レースという賞レースすべてで実績を残したのには理由がある。それは、世界的女優ニコール・キッドマンリース・ウィザースプーンが出演したからということだけではない。

2017年は海外ドラマの豊作イヤーでもあった。エミー賞では「ビッグ・リトル・ライズ」と同じリミテッドシリーズ部門(ミニシリーズ部門)に、殺人事件に巻き込まれたパキスタン系アメリカ人大学生の心の闇をダークに描くミステリードラマ「ナイト・オブ・キリング 失われた記憶」や、2大オスカー女優が主演するライアン・マーフィーの最新作「フュード/確執 ベティ vs ジョーン」もノミネートされた。どの作品が受賞してもおかしくない状況であった。

セレブママ同士の悩みに共感。

カリフォルニア州モントレーという高級住宅地に住むセレブママを題材にした本作。 ビーチ沿いテラス付きの広大な邸宅に住む家族の悩みなんて自分には程遠い…と思うかもしれないが、意外にもすべてを手にしているように見える人々の悩みは、庶民以上に悲惨。

元夫の再婚相手がママ友グループの中にいたり、幸せな家庭を装っているが実は夫のDVに悩んでいたり、悠々自適な専業主婦ライフを楽しんでいるようにみえるが実は「何者でもない」自分に孤独を感じていたり。皆裏の顔を持ち、それをひた隠しにして“私はあなたより幸せよ”と幸せの押し売りをしている母親たちに共感できるのも人気の理由の一つだ。

「専業主婦 vs. ワーキングママ」の構図は、日本でもよく聞く話。ママ友へのストレスや心の中のモヤモヤが作中でリアルに描写されており、それらをニコール・キッドマンリース・ウィザースプーンが演じていることも感慨深い。

モヤモヤが爆発した結果がこのサスペンス…!

日常のリアルだけでなく、高度なサスペンス描写もまたこのドラマの魅力の一つ。 表面ばかり取り繕うプライドの高いママたちのストレスやモヤモヤが爆発した結果、ある恐ろしい事件が勃発する。

このドラマはその事件の真相をシーズンを通して追っていく壮大なサスペンス劇場でもある。犯人がママ友グループの中にいるかもしれないという事実は、エピソード1で分かる。誰が死んだのか、自殺なのか事故なのか、殺人だとしたら犯人は誰なのか、何のために殺したのか、驚きの真相は最終話までわからない。

回を重ねるごとに、幸せそうに見えるママたちの素顔があぶり出され、完璧だと思えた生活が少しずつ崩れていく。結婚の脆さ、母親の孤独さ、友情の儚さと強さ、人生における虚像、本当の幸せとは何か。 ママたちが繰り広げるサスペンスドラマと一言では言い切れない、様々なエッセンスが組み込まれ、最後まで休むことなく見入ってしまう。

映像化に一躍買ったのは、このオスカー女優2人。

もともとは、オーストラリアの女流作家リアン・モリアーティによるベストセラー小説が原作。この作品を読んで感銘を受けたニコールとリースは、映像化ライセンスを獲得するため、自らオーストラリアのリアンの元まで訪れ交渉したという。そしてニコールとリースが制作総指揮を行い、リースはバツイチの専業主婦を、ニコールは完璧な旦那様を持つマダムという、彼女らが演じたかった役を演じている。

ほかにも、映画『ダイバージェント』シリーズで主演を演じるシェイリーン・ウッドリー、レニー・クラヴィッツの娘ゾーイ・クラヴィッツ、映画『ターザン:REBORN』(16)でターザンを演じたイケメン俳優アレクサンダー・スカルスガルドなどが出演。

そして、分業主義のハリウッドでは珍しくシーズン1の7話すべてを、ジャン=マルク・ヴァレ(映画『ダラス・バイヤーズクラブ』)が監督、デイビッド・E・ケリー(ドラマ「アリーmy Love」)が脚本が担当した。

シーズン2の制作が2017年末に発表されたが、シーズン1のメインキャストの他に、ニコールの義母役としてメリル・ストリープがキャスティングされた。ビッグ女優たちのスケジュールをあわせると、放送は2019年と少し先になるそうだ。
参照元:VOGUE JAPAN

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