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「仕事でいちばん大事なこと」に気づかせてくれた名言とは!?【はあちゅうのお仕事名言博物館】

  • 2018.4.25

会社員&フリーランスとして働いてきた作家が、自身の経験した〝仕事にまつわる名言〞を紹介します。

「全部出なくてもいい。でも、最初だけはいろ」(50代・男性・広告代理店勤務)

新入社員時代は会社の仕事の範囲を超えて、大人としての振る舞いのあれこれを先輩方に教えてもらった記憶があります。その中でも特に印象深いのが飲み会でのルール。今は状況が少し変わっているかもしれませんが、広告業界はクライアントと飲む機会も多い業界。ビールをつぐ時にラベルを相手に見せることや、どこが上座でどこが下座なのかという席次のルールなどは先輩との「夜の研修」で教えてもらいました。

日中は目がまわるほど忙しいので、社内飲み会は同じ部署の人との大切なコミュニケーションの機会でもありました。私の所属していた部は部員が全員別のクライアントを担当していた、数カ月に一回の飲み会には、仕事を調整してでも参加すのが暗黙のルール。けれどあるる時、仕事の都合でどうしても出られない時があったんです。そこで上司に相談したら、返ってきたのが「全部出なくていい。でも最初だけはいろ」というセリフでした。この言葉を今月の“お仕事名言”とさせてください。

仕事をするうえでいちばん大切なのは人の縁

その時の飲み会は飲み会といっても、違う部署に異動する先輩の壮行会でした。上司いわく、「そういう人生の節目に祝ってもらえたというのは相手の一生の記憶に残る。だからむげに考えてはいけない」、「もしもスタートの時間に人が集まっていなかったら、主役に肩身の狭い思いをさせてしまう。だから、早退して仕事に行っていいから、最初だけはいろ」ということでした。

このことは、「仕事であること」と「自分であること」の優先順位について、深く考えるきっかけになりました。「仕事がある」と人間関係をおろそかにするのは、実は簡単なこと。けれどそれは「自分だけが忙しい」という身勝手な思い込みの始まりかもしれません。社会人は基本的にみんな忙しいはず。けれど、忙しい中でなんとか都合をつけて大切な節目を一緒に祝ったり、コミュニケーションを取ることが相手との距離を縮めてくれる。そういう相手となら、いいチームになれる。結果、仕事の質も上がるはず。人との絆を築くための飲み会は、ときに仕事以上に仕事なのかもしれません。広告会社は「常に相手の立場になって考える」ことを求められますが、うわべだけでなく、普段からの実践が必要だとしっかりと心に刻まれた出来事でした。
●はあちゅう
作家・コラムニスト。『1 泊2 日で憧れを叶える! サク旅〜国内編〜』(SDP)発売中。公式ツイッター&インスタグラム■@ha_chu

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