1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 第57回ミラノサローネ速報! ファッションブランドの新作インテリアデザイン。

第57回ミラノサローネ速報! ファッションブランドの新作インテリアデザイン。

  • 2018.4.24
  • 1308 views

【さらに写真を見る】第57回ミラノサローネ速報! ファッションブランドの新作インテリアデザイン。

HERMÈS サマーパーティーを盛り上げる爽やかなテーブルウェア。

鮮やかなオレンジ、グリーン、イエローの色調が織りなすエルメスのテーブルウェアは、北アイルランド出身のアーティスト、ナイジェル・ピークによってデザイン。小枝やリーフ、チェック、ヘリンボーンモチーフが、丸いキャンバスの上にめいっぱいにあしらわれている。

ペルマンテ美術館で展示されるホームコレクションの中で小さな一部でしかないが、もしかすると最も魅力的な一部かもしれない。エルメスとアレクシス・ファービーの副アーティスティック・ディレクター、シャーロット・マクー・ペレルマンの手によって、壁紙からコースターまですべてのコレクションを調和の取れたディスプレーで統合された。

LOEWE 異国で見つけた貴重で美しい手仕事。

ロエベのジョナサン・アンダーソンにとって4度目となるミラノデザインウィークでは、世界の隅々まで旅をして見つけた、さまざまな技工のテキスタイルをピックアップ。今年はミラノのストアで披露したラグやタペストリー、トートバッグなどが称賛を浴びた。その他にもインド伝統のリボン手刺繍、古い日本式ボロ、セネガルの精巧なパッチワークなどの工芸品も展示された。

LOUIS VUITTON 旅をするように可能性を広げていく家具コレクション。

ルイ・ヴィトンの旅からインスピレーションを受けた新コレクションのコラボレーション相手は、これまでと同様にフェルナンド&ウンベルト・カンパーナ、マルセル・ワンダース、インディア・マダヴィなど錚々たるデザイナー陣。新たにリストに加わったのは、香港を拠点にするデザイナーのアンドレ・フー。今回は、座った人同士が対面するようにアレンジされた二人掛けの「リボン・ダンス・チェア」をデザインした。レザーでできたアームの優雅なカーブは無限のアイディアを呼び覚ますようだ。

今年も、ルイ・ヴィトンは「レ・プティ・ノマド」のローンチとともにデコラティブなオブジェの展示アリーナに参加。アトリエ・オイ、パトリシア・ウルキオラと、カンパーナ兄弟によってデザインされた洗練されたインテリア小物のコレクションは、スケールは小さいものの、上品な旅と卓越した技能の精神をしっかりと受け継いでいる。

MARNI 伝統とカラフルな色合いでラテンの風を運んで。

遊び心あるデザインを得意とするマルニの今回のインスピレーションソースはコロンビア都市、イバゲ。南米コミュニティの民間伝承、伝統、色彩を大胆な幾何学模様に編み込んだチェア、目を引くサボテンのオブジェ、カラフルなハンモックに落とし込んだ。

イバゲの遥か昔から伝わる伝統技術で作られたバスケットに注目して。鮮やかな色のプラスティックを用い、これまでになかった新鮮さをもたらした。マルニらしいスタイルで新解釈されている一方、見事に伝統の趣きも残されている。張り子と鶏のオーナメントは、ニューメキシコ州のヴィジャヌエバの女性コミュニティによって、4日間かけてハンドメイドされた。

DOLCE&GABBANA 話題のスメッグとのコラボ、第3弾は......?

ドルチェ&ガッバーナとイタリアの家電メーカー、スメッグはミラノデザインウィークで3年連続となるタッグを組み、ヴィヴイッドな色合いのデザインを作り出してきた。最初に誕生したのは冷蔵庫。次にジューサー、トースター、ケトルなどの小型電化製品。そして今年は、なんとキッチンレンジだ。

オーシャンブルーとホワイトのタイルにイタリアのエトナ山と神話の風景が描かれている。そしてレモン、ラフランス、チェリーを幾何学模様とフローラルモチーフで枠取った、シシリア風デコレーションの仕上がりに。さらに同じデザインの冷蔵庫も展開している。

FENDI CASA 時間とともに味わいを増す上質でリュクスなライフスタイル。

建築家でありデザイナーのフランス人、ティエリー・ルメールが手掛けたフェンディ カーサの新しいコレクションは、贅沢なマテリアルとスタイルが融合。大きなアーム、カーブがかった背もたれが特徴的な「コンスタンティン」ソファには、アイコニックなブランドロゴが入ったミンクファー製のクッションがついている。ブロンズメタルの脚と1枚のマーブル状の板でできた「ボーヌ」テーブルは、彫刻的であり滑らかなデザインに仕上がっている。

VALENTINO ファッション&デザイン指数の高いコラボレーション。

ヴァレンティノのクリエイティブ・ディレクター、ピエールパオロ・ピッチョーリは今回特別なインスタレーションを行うために、ニーナ・ヤシャールへ協力を仰いだ。彼女はミラノの著名なニルファー・ギャラリーを裏で支える立役者だ。ピッチョーリとニーナによるコラボレーションは、5つの部屋にわたって披露。各部屋にテーマを設け、建築家マリオ・ベリーニとジオ・ポンティのチェア、リンジー・アデルマンの照明と並び、ギャラリーの家具とブランドの最新コレクションを組み合わせた。

SWAROVSKI PALAZZO 煌めきと高揚感をもたらすホームコレクションがデビュー。

スワロフスキー・パラッツォは、由緒あるセルベッローニ宮内に設営した特別なスペースで、「スパークリング・スプレッド」コレクションを発表。オランダ人デザイナー、トード・ボーンチェとマルヤン・ヴァン・アウベルによる新しい2つのシャンデリア、そしてお披露目されたばかりのホームコレクションも必見だ。ナジャ・スワロフスキーの創造的なディレクションのもとで、香り付きキャンドルやデスク用品をラインナップしている。

ロンドンのファッションブランド、ピーター・ピロットはネンド、ジョン・ポウソン、パトリシア・ウルキオラなどのデザイナーとコラボし、幻想的なキャンドルスタンドをデビューさせた。アレクサンダー・カルダーをインスピレーション源にスワロフスキーらしさも抑えている作品となっている。

BOTTEGA VENETA 職人技が光るモダンな遊び心。

モンテナポレオーネ通りに近いブティック、ボッテガ・ヴェネタ ホームでプレゼンテーションを行ったボッテガ・ヴェネタ。 クリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーとイタリア人デザイナーのオサナ・ヴィスコンティ・ディ・モドローネの2回目のコラボレーションからは、新作の照明やトラディショナルなスタイルをフリンジ飾りで印象を新たにした「ルディ・フリンジ」ソファ、大理石の天板を用いた建築的なメタル製の「エイト・アーチ」テーブル、繊細な手描きによるバタフライのモチーフが施されたポーセリンなどが登場した。

ブランドに長年受け継がれてきた卓越した職人技、テクスチャー、デザイン、機能性の調和を体現していると同時に、遊び心のあるディテールやより明るいカラーパレットが特徴的だ。18世紀の建築をもとにしたこのブティックのように、時間が経過しても不変のクオリティと美が存在する。

COS 建造物の美しさとミラノの空の美しさを融合。

ミラノデザインウィークの会期中に誰もを楽しませてくれるのが、H&Mの子会社、コスだ。昨年はスタジオ スワインが依頼を受け、歴史的映画館に泡を放出する木を設置したが、今年は思わずインスタグラムに投稿したくなるようなインスタレーション。アメリカ人アーティスト、フィリップ・K・スミス3世が16世紀に建てられたパラッツォ・イシンバルディの中庭に作ったのは、カットされたミラー彫刻。そこには空とルネッサンス式建築の華麗な姿が映し出されるようになっていた。

DIESEL LIVING メキシコシティの荒々しさの中に見出す美。

もともと金細工職人のアトリエだった場所で発表した、アンドレア・ロッソによるディーゼル・リビングのテーマは、メキシコシティの壮大なスケールとブルータリズム。昨年にアンドレアと彼のチームがアリゾナ州のフェニックスからカリフォルニア州のパームスプリングスまでを取りあげた、ロードトリップの砂漠からもインスピレーションを得ている。これらは錆びついたような赤と太陽に照らされたす砂のようなピンクなどの色調が特徴的だ。

ROBERTO CAVALLI 落ち着いた大人のグラムロックを表現。

シマウマ、キリン、ヘビのモチーフなどロべルト カヴァリのシグネチャープリントは、既製服と同じようにインテリアにも採用している。今年は落ち着いたトーンの色合いと大胆に組み合わさったクッションやラグ、チェア、テーブルウェア、本棚がラインナップ。ミラノのヴィア・モンテナポレオーネ通りのブティックでは、クリエイティブ・ディレクター、ポール・サリッジによる初のインテリアデザインとして、10個のクリスタル製のカプセルコレクションを展示した。

ISSEY MIYAKE 表現研究者が仕掛け人。自分にとっての初めての自分。

昨年、ミラノデザインウィーク中にイタリア初となるストアをオープンさせたイッセイ ミヤケ。今年、そのストアで東京藝術大学大学院映像研究科教授、佐藤雅彦氏によるデザインが発表された。

インスタレーション「マイ・ファースト・ミー」は初めての自分を知る作品を体験することで、国や人種を超えたクリエイションとその喜びの本質を伝える。映像を得意分野とする佐藤氏にとって、テクノロジーは重要な役割を持つ。最も感動的なのは、「プール・オブ・フィンガープリント」だ。誰かの指紋が、まるで小さな名刺のように現れてくる仕掛けになっていた。
参照元:VOGUE JAPAN

の記事をもっとみる