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ゆっくりやっていけばいい。乗り越えられない失恋なんてないから

  • 2018.4.24
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失恋したときの、あの、自分の存在そのものを否定されているような感じって、すごく耐えがたいものがありますよね。この感覚はきっと、振られた人にも振った人にも共通するものだろうと思います。
振った人はそれプラス、自己嫌悪に陥ることもあるんじゃないのかな。みずから別れを選んだにもかかわらず、「あんなにお世話になった彼氏を振ってしまった自分」を責め続け・・・・・・みたいなかんじで。だから失恋の傷跡が生々しいときって、みんな表情が険しくなるんですよね。

■恋愛が恋愛をはるかに超えるとき

恋愛する前も、恋愛しているときもあまり感じることはないけど、失恋したら恋愛が恋愛をはるかに超えて、「人生」とか「生き方」みたいなワードに頭を支配されてしまって、誰もがちょっとした哲学者もどきみたいな考え方になるのが、失恋のしんどいところじゃないでしょうか。


「彼以外にもイケメンって世の中にたくさんいるから、ま、いっか」とか、「彼氏と別れたらほかの男子と遊ぶといいし」とか、「仕事に集中したかったから、やっと彼氏と別れることができて清々(せいせい)した」とかというようなケース以外の別れは、しばしばわたしたちに「生きるってつらくてしんどいこと」とか、「そもそもなぜ生きてるのだろう」というような重たい考え方をもたらしますよね。これが最悪っちゃあ、最悪、だからできれば避けたいのが別れ。

■人は耐えきれない痛みを与えられることはない

どんなにつらくてしんどくても、人は耐えきれない痛みを与えられることはないです。あなたの人生にとって必要な痛みが、その、あなたが今まさに絶賛通過中の失恋の痛みであって、あなたの人生において必要のない痛みなんてものはないということです。


この、痛みとか、人生をシビアに感じる瞬間というものを「なんのため」なのかと、言語化するのって、すごく野暮で粗野なことなんだけど、でもあえて言語化するなら、たとえば失恋の痛みを通して、誰かの心を知る必要があなたにあるから、という理由があります。
誰かの心の誰かとは、もちろん彼氏なんですが、彼氏を超えて、あなたのお父さんとか、お母さんとか、兄弟姉妹などの気持ちに敏感になるために、その失恋の痛みが存在するのかもしれない。
恋愛って、代理和平協定とか代理戦争みたいなところがあって、彼氏を愛しているという現実の行為の背景に、たとえばあなたとあなたのお父さんとの関係が隠されていたりするから、その失恋の痛みは、あなたがお父さんの気持ちを理解するために必要なことかもしれないのです。

■悲しみは代わってあげられないから

失恋真っただ中にいる人は、もうヘッドフォンで失恋ソングを大爆音で聴いて、自分で自分を慰めるとか、傷口にみずから塩を塗って悲しみの上に悲しみを重ねることしかできないのかもしれないよね。
それはそれでしかたのないことです。悲しみとか孤独、淋しさというものは、こんなにも恋愛のハウツーコラムが繁盛する世の中にあっても、他人が代わりに処理してあげることができないから。他人はその悲しみや孤独、淋しさに黙って寄り添うか、その意味を提示してあげることしかできない。
意味のひとつが、人は耐えきれない痛みを与えられることはないというものです。だから、ゆっくりやっていけばいい。(ひとみしょう/文筆家)


【今夜はちょっと、恋の話をしよう】
(ハウコレ編集部)



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