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清川あさみ、美女を採集して15年。なぜ、採集し続けるのか?

  • 2018.4.24
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“女性は生き物として面白い”。

ーー今回、新たに採集された4名(和田アキ子、ゆりやんレトリィバァ、コムアイ、菅原小春)はそれぞれ年齢も活躍する分野も全く違いますね。なにか共通して採集したかった理由はありますか?

もともと私の創作活動は、一般の女の子から始まっているんです。「美女採集」は、女性ならではの独特の考え方や体、そういうのが丸ごとアートになるって思ったのがきっかけ。だから表に立って表現をしている綺麗な女優さんだけではなくて、元々は年齢も関係なく“女性”を作品にしたかった。「女性は生き物として面白い」ということが創作のモチベーションの源になっているんです。だから私が採集したくなるのは、容姿が綺麗なだけじゃなくて、人間らしかったり、不安定な時期もあったり、そのように人生が色々な局面で大きく変化したような人たち。今回採集させていただいた4人の方々に共通していたのは、生き方に強い信念があるということ。15年経った今だからこそ、最初の根っこの部分を大事にしたかったんです。

ーーじゃあこの4名の方は原点回帰という意味合いが強いということでしょうか?

はい。「美女採集」の本当の意味を理解してもらえる4人じゃないかなって思います。

ーー15年という年月を経て、最初の頃と、今と変わった部分てどんなところですか?

根っこはまったく変わってないです。

ーーむしろ変わってない?

そう。もちろん時代とともに採集する人も変わるし、見る人も違うと思うんですが。ただ言えるのは、「多様性」に対しての認知が広がっている今の時代は「美女採集」にとって絶好の時なのではないかと。この作品シリーズの一貫したテーマは「綺麗なだけじゃない」ということ。ゆりやんはそれをずっとネタにしてくれているけど(笑)。

ゆりやんの時折見せる繊細さを、女神のようなエボシカメレオンに。

ーーゆりやんさん、エボシカメレオンになられて。すごく美しいというか、神々しささえ感じました。

エボシカメレオンて、花とか草を食べるカメレオンのなかで唯一の草食なんです。危険を感じると体を大きくふくらませて体の色を変え、口を大きく開けて警戒音を出して威嚇行動をとるんですよ。なんかね、そういう環境に対する反応とかが、彼女が時折垣間見せる繊細さに通じるな、と。で、「女神」を感じさせる作品にしたんです。大きな作品で、ものすごくいろんな装飾をしてるんだけど、やっぱり「ゆりやん」というオリジナリティーは伝わる。舌もベロって出ていたりして。

ーー作品としてはとても綺麗だけど、どこか引っかかる部分がありますね。「多様性」という言葉が先ほども出ましたが、もともとはやりたかったことがどんどんやりやすい時代になってきている実感というのはありますか?

そう、やっと表現しやすいようになってきたというのは肌で感じます。もちろん見た目が綺麗ってすごく大事ではあるんです。視覚的に綺麗であることってそれ自体にパワーがあるし、人からの憧れを得ることもできる。結果的に美しいものって必ず理由があるし。ただ、「美女採集」自体も、アップデートしてもいいくらい沢山の経験が出来て、今という時代にぴったりだと思ったので、この4人の方々を作品にさせていただいたんですよね。

「歪んだり、不安定なものに惹かれる」

ーー女性を作品の対象としている理由はなんでしょうか?

「一番正直に表現できる」っていうことですかね。自分自身が女性だし、女性に対してリスペクトがある。なんだかんだ言っても、まだ男の人が決断を下すことも多くあると思うんですよね。でも、そこは柔らかく少しでも何かを伝えていかないと。女の子たちは強く生きていった方が今後絶対いいし、芯から強くなった方がいいと思うんです。そういう意味でも、憧れる対象だったり、生きていくうえでのヒントになるような人たちを、見せられたらいいな、と。

ーー今回その個展で印象深い作品はどれですか?

『Complex』シリーズっていうがあるんですけど、それは私にとって記念すべき作品です。単純に綺麗なものに本当に興味がなくて、歪んでいたり、どこか矛盾を感じたり、不安定なものに惹かれるんですよ。どこか、人間らしいもの。それがきっかけでできた作品がこのシリーズなんです。マイナスをプラスに変える力をアートに落とし込めたのは、あれが最初ですね。

ーーそういうものに惹かれる理由ってなんですか?

私自身、子供時代からコンプレックスとか影があるほうで。淡路島の田んぼの真ん中で生まれ育ち、家はすごく厳しくて。地味で、自分には何もないってずっと悩んでた子供でした。16歳くらいの時に、コム デ ギャルソンを見て衝撃を受けました。その時期に清川家ではあり得ない、派手な黄色いリュックサックを背負って登校してみたんです(笑)。その時自分のなかで何か気持ちがストンと落ち着いたんです。それまでの自分には何もないし分からない、という悩みが、ファッションによって克服できた気持ちでした。

これをきっかけに洋服屋で働いたりしているうちに、色んな人とコミュニケーションが取れるようになって、たくさんのことに気づき始め、それを作品に落とし込むことを始めたんです。最初はファッションだったけれど、結果的に自分の中の“影”を作品にすることでなにかに転換できた。そういう意味で「Complex」シリーズは私にとってすごく意味のある作品ですね。

ーーではもう一つの代表作である「美女採集」はどんな意味をもつのでしょうか?

「美女採集」は「女の人の味方になりたい」っていうことですね。作品から誰かが何かを感じて参考にしたり、生きる勇気をもらえたらいいなって。採集させてもらった人はみんな力強いから、エネルギーをたくさんもらうと思うんです。それで少しでも誰かが元気になってくれたら嬉しいですよね。

ーーまだ採集してないけど、いつか採集したいと思ってる人はいますか?

YOSHIKIさん!

ーーそれはどうして?

うーん、究極ですよね。自分自身の影と光がしっかりあって、両方自分でコントロールしてる感じとか。刺繍が追いつかないような存在感があります。最近すっごく気になっていたら、『VOGUE JAPAN』で表紙になっていてびっくりしました(笑)。

ーーYOSHIKIさん、そんなに注目されてたんですね。

あとは吉永小百合さん。「吉永小百合」さんって、どこか美しく完結していると思うんですよね。だからこそ、興味があります。

ーーどの方もみてみたい。

実現したら最高に楽しそうです。清川あさみ個展「ADASTRIA 美女採集 by ASAMI KIYOKAWA」
会期/2018年4月27日~5月6日
会場/表参道ヒルズ(東京都渋谷区神宮前4-12-10) スペースオー、大階段、エントランス
開館時間/11:00~21:00(4月30日、5月6日は~20:00)

参照元:VOGUE JAPAN

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