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人生における大切な喜びを問いかける、愛の物語『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』【今月のプロ押し映画!】

  • 2018.4.20
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Photo: Everett Collection/AFLO
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リュウマチをかかえて身体の自由が利かず、両親を亡くして兄にも叔母にも邪魔者扱いされながら、カナダを代表する画家になったのがモード・ルイス。生涯にわたって地元の漁港に住み、素朴で綺麗な色の可愛い絵を描き続けた。

演じているのは『シェイプ・オブ・ウォーター』の声を失ったヒロイン役で話題のサリー・ホーキンス。名声など考えることもなくひたむきに絵を描くことに没頭する女性を演じて、観る者の心を奪う。

叔母の家を出る決意を固めたモードは家政婦を求める貧しい魚の行商屋エベレット(イーサン・ホーク)の家に押し掛けて住み込ませてもらい、家事をしながらいつの間にか彼とベッドを共にするようになっていく。そして結婚も、というようにハンデにめげることなく思ったことを実行に移す姿を見るのはすがすがしい。そして幸せだったのは彼女の才能を認める人との出会いがあったこと。ニューヨークから避暑に来ていた女性が素朴な温かさに満ちた彼女の絵を見て才能を認め、絵をお金にしてくれた。

映画より近年はブロードウェイの舞台で大物になったイーサン・ホークが演じる夫のエベレットは魚の行商人。悪人ではないけれど、孤児院育ちで他人を思いやる気持ちや優しさを知らない粗野な男。それでも長年一緒に暮らすうちにモードとは気持ちは通じ合い、甘い言葉ひとつないけれどお互いにかけがえのない仲になっていく。言葉ではなく行動で示す愛。時間が作った愛と思いやり。こんな男女のつながりも悪くない。素敵な愛の物語だ。
『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』
公開中
配給/松竹
http://shiawase-enogu.jp

参照元:VOGUE JAPAN

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