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ルイ・ヴィトン、122年の歴史をもつモノグラム。あなたはどこまで知ってる?

  • 2018.4.18
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Photo: Getty Images
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誰もが知るモノグラム・モチーフの始まりは1896年。

1854年、ルイ・ヴィトンはパリのヌーヴ・デ・カプシーヌ通り4番地でトランクの商売からスタートした。人々の移動手段が鉄道から車にシフトし、旅が生活の一部となったことで、事業はみるみる成長した。ポール・ポワレ、ドラ・マール、フランシス・ピカビアなどに愛用されたトランクは、ステータスシンボルとしてのみならず、実用品として購入された。今もそうだが、創業当時からルイ・ヴィトンのトランクは中身が損害を被らないよう防水仕様となっている。

初めてモノグラム・モチーフが誕生したのは1896年。イニシャル「L」と「V」の組み合わせにフラワーモチーフがあしらわれたものは、ルイ・ヴィトンの息子ジョルジュ・ヴィトンがデザインした。それから約120年の時を経て、世界で最も知られるモチーフとなった。

旅する女優たちのシックな相棒に。

50、60年代に富裕層が飛行機で頻繁に旅する時代がやってくると、ルイ・ヴィトンのトランクは世界を飛び回る女優たちの御用達アイテムとなった。例えばアンナ・マニャーニは、1960年にパリへ向かう際にすべてのバッグをルイ・ヴィトンで揃え、それらは『VOGUE』にも紹介されることとなる。

60年代には現代女性の必須アイテムとして活躍。

60、70年代にはプレタポルテ(既製服)が大きく成長し、ブランドのハンドバッグも同じ道を辿った。今また流行している「スピーディ」や1972年にTVドラマ「奥様は魔女」にも登場したバケツ型バッグ、財布は女性の誰もが欲しがるアイテムとなった。

革命児、マーク・ジェイコブスがメゾンに参加。

1997年、当時人気上昇中だったNYのデザイナー、マーク・ジェイコブスがブランドのアーティスティック・ディレクターに就任。彼はモノグラムに新しい命を吹き込み、友人であるナオミ・キャンベルケイト・モスなどのモデルたちが、メゾンの洗練されたハットボックスや新しい「モノグラム・ヴェルニ」シリーズを愛用するようになった。

マークは可能性の限界を押し広げる力に長けていた。説得に説得を重ね、アーティストのスティーブン・スプラウスを起用し、2001年春夏コレクションで「モノグラム・グラフィティ」を発表することとなる。グラフィティとしてロゴがあしらわれたバッグは、ポップカルチャーにセンセーションを巻き起こした。

 2004年にスティーブンが他界した際にマークがこの「モノグラム・グラフィティ」を復活させ、彼のメゾンでの最後のショーでは、モデルのエディ・キャンベルの身体にペイントしたことも記憶に新しい。

無限の可能性を広げたアーティストとのコラボ。

2003年春夏コレクションで、マークは日本人アーティストの村上隆とコラボして新しいキャンバスを制作。最初のシリーズは白地にマルチカラーのモノグラムを配したもの、さらにピンクのモノグラムに桜をあしらったものだった。このバッグは、ティナ・フェイ脚本の大ヒット映画『ミーン・ガールズ』(2004)の超人気キャラクター、レジーナ・ジョージが持ったことで、10代、20代の女の子たちにとって不滅のマストハブとなった。

以来退任するまで、マークは新たなモノグラムを次々に提案してきた。2007年春夏コレクションに既存のスタイルを接ぎ合わせたデニムのバッグ、2010年春夏コレクションに染色を施したデニムのメッセンジャーバッグ、2010-11年秋冬コレクションにスパンコールをあしらったバッグを発表した。

モノグラムが人気を博すのと比例し、小物のバリエーションも増えていく。ハットやタイツ、傘からファーのストールまで、ありとあらゆるアイテムをランウェイで披露し、ストアでの売り上げも確実に伸ばした。

2008年春夏コレクションではアーティスト、リチャード・プリンスとコラボし、色彩を重ね合わせて水彩の滲みを再現したアートワークを組み合わせたバッグが話題を呼んだ。さらにショーのオープニングを飾ったのは、ナースの服装をしたスーパーモデルたち。この斬新なアイデアはストリートでも流行し、ウリヤナ・セルギエンコはパリのストリートを全身ブランドのナースルックを着て歩いた。

ニコラ・ジェスキエールによるモダンウーマンへの賛辞。

2014年、ニコラ・ジェスキエールによるファースト・コレクションはデイリーに着用できる服を提案し、どこか70年代のスピリットを漂わせるもので、パリコレに新風を吹き込んだ。このコレクションの最大のインパクトは、ブランドのアイコンともいえるトランクにインスパイアされた「プティット・マル」シリーズだった。

ニコラは他にもモノグラムでさまざまな実験を試みた。例えば2014-15年秋冬コレクションでは波打つようにモノグラムを配したバッグを、2015年春夏コレクションではヒールを花の形にカービングしたブーツを発表。さらに、2016年クルーズコレクションで打ち出したレザードレスには、穴加工によってモノグラムと花柄をあしらった。

6人の気鋭クリエイターにバッグのデザインを依頼。

2014年、ルイ・ヴィトン創業160周年を祝して、メゾンは6人のデザイナーやアーティストに伝統的なモノグラムを使ったバッグのデザインを依頼した。カール・ラガーフェルド、フランク・ゲーリー、シンディ・シャーマン、マーク・ニューソン、クリスチャン ルブタン川久保玲のそれぞれが独自の個性を最大限に生かしたバッグをデザイン。川久保玲は大きな穴を施したバッグを、建築家のフランク・ゲーリーはカーブがかったボックス型バッグを、そしてカール・ラガーフェルドはサンドバッグとボクシンググローブを提案した。

人気コラボの仕掛け人、キム・ジョーンズ。果たして次はどんな時代に......?

ヴァージル・アブローの前任者、キム・ジョーンズがショーで発表したシュプリームとのコラボレーションはファッションキッズたちを夢中にさせた。発表されたモノグラムは、「LV」のロゴとシュプリームのイタリック体のロゴが並んでいるものだった。

そして今年1月。2018-19年秋冬メンズコレクションは、キム・ジョーンズのラストショーだった。フィナーレで友人のナオミ・キャンベルケイト・モスが纏ったモノグラム・コートは、まるで締めくくりの署名のような存在感を放っていたように感じられた。
参照元:VOGUE JAPAN

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