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第二の人生を楽しくする“生前整理”のススメ

  • 2015.1.28
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【ママからのご相談】

60代主婦です。生前整理をしたほうがいいのかなと思いながら、どこから手を付ければいいか分かりません。さらに死ぬための準備のようで、気持ちもいまいち乗りません。本当に生前整理は必要な行為でしょうか。

●A. 生前整理って必要? 不必要?

ご相談ありがとうございます。片付けパーソナリティあさがみちこです。

そのお気持ちよく分かります。特に60代70代の方は“物を大切に”と育ってきた方々、包装紙や、そこについていたリボン、銀行でもらったメモ用紙や粗品、全て大切な物。

でも、本当に全て大切な物ばかりなのでしょうか。ゆっくり考えてみましょう。

エンディングノートの講座や、生前整理のお話をすると、ご相談者様のように、「死ぬための準備みたいで抵抗がある」と、おっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。そうなると、整理は促進されません。

●生前整理の目的をしっかり持ちましょう

そう考えずに。生前整理は忙しかったご自身の暮らしをゆっくりと振り返る時間。物を整理して、スッキリとした豊かな暮らしを得るための作業であると捉えてみませんか?

●“もったいない”を履き違えないで

以前にも書きましたが、もったいないといって使っていないままのタオルや食器、ハンカチやメモ帳、ボールペンなどはありませんか?

物は使われてこそ意味があります。ずっと使わずにとっておいても、それはただ場所を占領している物体。そして使用しないまま朽ちていく物も。

すてきな食器があるのなら、食器棚の中にある欠けた食器やグラスを処分する。新しく柔らかいタオルがあるのなら、古いタオルは掃除用にする。せっかくある物はどんどん使用しましょう。

●安全・安心を手に入れるための作業でもある生前整理

『平成26年版高齢社会白書』によると、事故発生場所は一般道路やレジャーなどではなく道、圧倒的に住宅で起きています。若年層は71.4%に比べ、65歳以上は77.1%と約6%ほど高くなっています。

階段からの転落や居室での転倒が多いのが実状ですが、実際いろんな方に現場でお話を伺っていると、床に置いてあったものに足をぶつけて骨折をしたり、棚上にある物を取ろうとして椅子から落ちてしまったりと、物と関係している事故もたくさん起きているんです。

そんな事態が起こらないようにするためにも、床置きをやめて、必要のない物は思い切って人にあげたり、リサイクルショップなどに持っていくといった形で、物の量を減らしてみませんか。それに物が少ないと掃除も行き届き、衛生面でも安心ですよ。

●物が必要か。想いが必要か。何が大切か

私は遺品整理もさせていただいているのですが、あまりに残された物の量が多すぎて判断に困り、結局何もかもを処分してしまう。そんなお客様がいらっしゃいます。

もしかしたら亡くなった方は、「これだけは孫ひ孫の代にも引き継いでほしい」そう思っていた物があったかもしれません。でも、整理されていないと亡くなったことに対する悲しみと、遺された物に家族は戸惑うばかりです。

生前整理は第二の人生を楽しむための1つの手段です。ぜひ前向きにとらえてチャレンジしてみてください。

(ライタープロフィール)

あさがみちこ(片付けパーソナリティ)/整理収納アドバイザー2級認定講師・遺品整理士。イベントMCやナレーション、ラジオのレポーターなどの仕事の傍ら、趣味が高じて取得したアドバイザーとしても精力的に活動中。完璧ではなく「好い加減にちゃんと」をモットーに、企業やカルチャースクールでの講座を担当したり、悩める女性のためのカフェレッスンや、お客様のお宅に伺っての整理収納作業なども行っている。電子書籍『好い加減にちゃんと。: 恋愛上手になれる片付けマインド』iTunes/Kindleで配信中。

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