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偽物の運命の恋とマジな運命の恋のちがいとは?

  • 2018.4.16

運命なんて言葉がこれほどまでに迂闊(うかつ)に使われるようになった時代って、ちょっとほかにないんじゃないのかと思えるほど、今ネットでは「運命」が大人気なんだそうです。
ルートヴィヒさん(ベートーヴェンのことね)も、ウイーンの墓石の下でさぞ喜んでおられるのかもしれません。
さて今回は、マジな運命の恋と、勘違いの運命の恋のちがいについてお届けします。「それ、勘違いだから」という事例をいくつか見つつ、その集合体から見えてくるマジな運命の恋とは?

■トラウマ的なものが同じ

たとえば親に厳しく育てられて、自分がしたいことができず、親の言う通りのいい子を演じてオトナになりました、というような人って、心のどこかにトラウマ的なものを抱えていたりしますよね。
この場合のトラウマとは、簡単にいえば淋しさのことです。人って、自分の心に素直に生きていないと、簡単に淋しさを抱え込んじゃう生き物だから。
自分とおなじトラウマ的なものを、育ちの中で抱え込んじゃっているように見える相手に惹かれて、それを「運命の人だ」と思う人もきっと、大勢いると思います。
そしてそこから出発して、うまくゴールにたどり着いた人もいます。
がしかし、淋しさから出発した恋って、どこかで終わるんですよね。
淋しさが産んだ恋って、お互いに隠れ家がほしいと思っているということで、でも人生ずっと隠れてばかりいられないから、終わるんです。人生があなたを、日の当たる場所に引きずり出した時点で終わる。
淋しさに触発されて相手に運命を感じても、それは広く見れば誤解にすぎない、と言えます。

■理想のルックスとドンピシャ!

「そうそう! わたし、こんな感じの顔の彼氏がほしかったの!」と、喜び勇んで彼に急接近し、運よく付き合えて運命を感じたとしても、それは偽物の運命かもしれないということです。
もちろん男だって、理想のルックスの女子に会った瞬間、運命を感じることがあります。
たとえばキャバクラで。あなたの恋とキャバクラの恋を一緒にすると、もしかすればあなたは怒るかもしれませんね。でもルックスに運命を感じた、という点において、同じことです。
キャバクラで相手に運命を感じたらどうなるのか? 十分すぎるほどお金を払う羽目になって、貧乏になります。
相手のルックスに運命を感じたい気持ちはすごくよくわかりますが、でもやっぱり「内面(精神)」の出番も用意しといてあげないと、なかなか本当の運命の恋にたどり着かないのかもね。

■ノリが合った

わかりやすい例を挙げるなら、夏フェスとかビーチなんかで、初対面でノリが合った彼に運命を感じる、みたいなパターンってありますよね。
そこで運命を感じて、そのあと家に帰ってからLINEのやり取りが朝まで続いて……みたいになれば、もうその時点で頭の中は運命でいっぱい……みたいなシチュエーション。
こういうのって、こうやって冷静に文章を読むとわかる人もいるかもしれませんが、運命ではなく夏のいたずらです。夏というのは、季節のことを指しているのみならず、燃えるような恋の象徴としての夏ということです。
いかがでしょうか。
運命って、今この瞬間「これは運命だ」と思うものではなくて、あとになって「あれは運命だったな(そうと決められていたんだな)」とわかるもの……というのが、ひとつのオトナの答え方です。
なので、本物の運命の恋とは、あとからそうとわかるもの、でしかない、と言えますが、こう書くと、ここまで読んできてオチはこれかい! と思う人もいると思うので、ちがうことを書きます。

本物の運命の恋とは……彼氏 or 彼氏候補の中で、今あなたは誰に会いたいですか? と聞かれて、真っ先に頭に浮かんだ人が、あなたにとっての運命の人です。
それが片思いであろうと両思いであろうと、破たんしかけている恋であろうと、そんなのは関係なしに、あなたが心に描いた人が、あなたにとって運命の人です。
おそらく多くの人は、運命の人=わたしのことを振らない人=わたしを幸せにしてくれる人、と思っているのだろうと思いますが、
運命って、身にめぐって来る吉凶禍福のことだから、悪いことも含めて運命なわけですよ。つまり、運命に「美味しいとこ取り」は、ない!
運命の人とキラキラした恋をしたい、と思っている人が言う「運命」には、凶も禍も含まれていないでしょ?
だから「うかつ」だと冒頭に書いたんです。問いの立て方がそもそもまちがっているから、べつの視点で恋愛を考えてみよう、というのが、
酸いも甘いも知っているオトナ(たとえばスナックのママとか)が言う答えじゃないのかなと思います。(ひとみしょう/文筆家)
(愛カツ編集部)

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