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自然と対話する、スウェーデンの森の隠れ家。

  • 2018.3.28
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ウルナチュルの原点。最初に造られた「リトルツリーハウス」。
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自然を愛する人々と森の恵みを共有する。

首都ストックホルムから南西に車で2時間ほど行くと、スウェーデンで2番目に大きなヴェッテルン湖にたどり着く。その名の由来は、水を意味するとも、森や湖の精を意味するとも言われ、そのまま飲用できるほど、どこまでも清らかで良質な水を湛えている。

その湖から車で数分、まさに森の精が棲んでいそうな深い、深い森の中にある「ウルナチュル」は、4つのツリーハウスと6つのキャビンを構える"ハーミテッジ"。隠れ家という言葉通りの森の宿だ。オーナーであり、林業家のハカン・ストロッツと生物学者でデザイナーのウルリカ・クリニッツは、当初自分たちのために小さな農場を買い取ったものの、森の恵みのあまりの素晴らしさに感動し、人々と共有したいとコテージを造ることを決意。嵐で倒れた木などを利用して小屋を建て始め、2007年にウルナチュルをオープンした。

ゆりかごのような樹上の家で過ごす。

「リトルツリーハウス」は、ハックルベリー・フィンの暮らしに触発されて造った最初のツリーハウス。リサイクルした木材を使った、シングルベッド一つのシンプルな小屋は、大きな窓から眺める山間の渓流と白鳥が浮かぶ湖の景色が自慢。樹上の小屋は、風が吹けば少し揺れて、ギシギシときしむ音もするが、それも魅力のうちだ。

2人で過ごせる部屋が欲しいというリクエストに応えて造られたハートフルな「エアーキャッスル」は、中に入るためには、松の木に架けられた螺旋階段を登り、近くの展望台には、吊り橋を伝ってアクセスするという、遊び心に溢れたタイプ。他にも“カラスの巣”と名付けられた大小2つのツリーハウス「ビッグレイヴンネスト」と「リトルレイヴンネスト」があり、どちらもうっそうとした北欧の針葉樹林と一体化し、映画のワンシーンを思い起こさせる。

苔むしたキャビンで気分は森の住人。

なんとも言えない素朴で愛らしい外観を持つのが「モスキャビン」と「ウルフコット」の2つのキャビンだ。森の小人の棲みかのような小屋は、夏の間、三角屋根が野イチゴの葉ですっぽりと覆われる。中央の暖炉を囲むようにシングルベッドが4つ、華美なインテリアなどはなく、まさに隠れ家にふさわしい。

タールを塗った木板で屋根を葺いた伝統的なスウェーデンハウスの「フォレストキャビン」は、手造りの木造建築で、外壁には斧の跡が残っている。室内はアーミッシュのカルチャーに影響された清潔でシンプルなインテリア。電気の使用を拒む彼らと同じように、暖房は薪ストーブ。そのほか、アメリカ開拓時代のコテージにインスパイアされた「グレード」や、炭焼き職人の小屋をイメージした「チャコーラーズハット」など、全部で6室のキャビンにはそれぞれにストーリーが込められている。

アウトドアクッキングで自然の恵みを実感。

ウルナチュルの朝食は、お手製の発酵種を使ったサワードウブレッドに、手作りのジャム、放し飼いの鶏の卵、自家農園のフルーツなどが並ぶブッフェ。昼と夜は、自家農園で採れたオーガニックの野菜を使って、各自が調理するセルフケータリングスタイル。アウトドアのキッチンで薪を燃やして、採れたての新鮮野菜をグリルする。口の中に広がる野菜の旨みと甘さは感動ものだ。

5月と9月には「フォレスト・バス・リトリート」という4泊5日の森林浴ツアーも実施。自然と健康に関する著名なライター、アーサ・オットソンと、生物学者であり、薬草とデザインの専門家でもあるウルナチュルのオーナー、ウルリカ・クリニッツが、森林浴の効能、森の生態系などに関するレクチャーやヨガのクラス、森の中でのクッキング体験などを提供し、五感を通じて森の魅力に触れることができる。ウルナチュル(Urnatur)
Urnatur Hb, Sjögetorp 3, SE-599 91 Ödeshög, Sweden
Tel./+46-144-10234
料金/1人1泊 1,400スウェーデンクローナ~(2018年3月現在)
・申し込み受付中
http://urnatur.se/

参照元:VOGUE JAPAN

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