1. トップ
  2. ファッション
  3. 愛・ハピネス・自由、春モードで行こう!

愛・ハピネス・自由、春モードで行こう!

  • 2018.3.27
  • 1019 views

愛にあふれた60ー70年代……。フラワーチルドレンや野外フェスなどハッピーで自由なムードを、今年風にアレンジして発表したアナ スイの春夏コレクション。デザイナー、アナ・スイのニューヨークでのインタビューと一緒にお届け。

夜空に輝く星を集めた、ロマンティックドレス。
ゴールドの星がきらめくブルーのカフタンドレスと、フロントにカラフルな刺繍を施したロングケープの組み合わせ。ショーのトップを飾ったこのルックは、「暁の青い霧が漂うコミューンでの、恍惚に満ちた早朝の儀式がインスピレーション源になった」とデザイナーのアナ・スイは語った。
ワンピース¥139,320、ロングケープ¥85,320、ネックレス、サンダル(ともに参考商品)/以上アナ スイ(伊勢丹新宿店)

60ー70年代はデザイナー、アナ・スイの大好きな時代。音楽、ファッション、アートなど、多くのコレクションに投影してきた。しかし彼女にとって最愛のカウンターカルチャー、ヒッピーをテーマにしたのは今回が初めて。

「ストリートの現象や流行りものではなく、その時、私の心を無性に駆り立てるものがインスピレーションになる」
と言うアナ。今回、彼女の心を駆り立てたのが昨年ニューヨークのデザイン美術館開催の『カウンター・クチュール』展とサンフランシスコのデ・ヤング美術館の『サマー・オブ・ラブ』展だった。

デジタル時代こそ、手作りで。

ヒッピーについては知っていても実際に体験した世代ではないアナが、美術館で見たファッションやライフスタイルのドキュメンタリーから深い感銘を得た最大のものは、「デジタル時代を謳歌する現在こそ、足りないものや必要なもの」だった。アナは言う。

「ヒッピーたちのファッションはみな手作り。クラフトマンシップあふれるバティック、刺繍、レース編み、パッチワーク、マクラメなどはデジタル時代の人々の心に響くものがあるし、私はデザイナーとして、特にデジタル時代だからこそ、その手作りのよさを失いたくないと思ったの。そしてヒッピーのコミューンで生活のバックボーンになった愛と平和は、人々の絆が薄れ、政治的社会的に分断の危機感が感じられるいまこそ必要なスピリット。だからそういったことを伝えたかった」

こうして生まれたコレクションは、ヒッピーのシンボルでもある花や宇宙をモチーフにした楽天的なプリントに、夜明けのコミューンでの厳かな空気感を表した青や紫、ナチュラルなアーストーン……。ローブやショールをさらりと羽織るスタイリング……。

「郊外の退屈な生活を抜け出し、サンフランシスコでヒッピー文化に触れて自由で愛と平和の大切さを知ったモダンガールの世界を、ファッションで楽しんでほしい」。そうアナは願う。

 

左:ライオンプリントのワンピース¥92,880(4月下旬展開予定)、ソックス¥1,620

左奥:サイケデリックなハンドペイントに注目。ジャケット¥344,520、ドレス¥150,120/以上アナ スイ(伊勢丹新宿店)

アナ・スイ Anna Sui
ファッションデザイナー

 

アメリカ、デトロイト出身。4歳でデザイナーになることを決心。ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、1980年に自分の名前を冠したブランド、アナ スイをスタート。ロック&ガーリーな世界観が特徴。

 

の記事をもっとみる