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「子どもの失敗が許せない」ママに必要なこととは?【子どもが伸びる「アドラー式子育て」3】

  • 2018.3.14
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「何回言ったらわかるの?」「やめなさいって言っているでしょ!」
言うことを聞いてくれない子どもについイライラ。

「いい母親になりたい」そう願いながら、「は~、また怒ってしまった…」と、後悔する日々を送るママは少なくないでしょう。そんなママに、1万5000人以上のママを勇気づけてきた原田綾子さんは「立派なママにならなくていい」と話します。

「自分から行動できる子」を育てるには? 【子どもが伸びる「アドラー式子育て」1】
「子どもをほめる」ことの副作用にご用心!【子どもが伸びる「アドラー式子育て」2】の続きです。

「子どもが伸びる『アドラー式子育て』」のラストは、疲れていることにさえ気が付かずに、子育て、家事、仕事にがんばるママへの「勇気づけ」のお話です。

■「子育ての悩み=自分に対する悩み」だった!

© hanack - stock.adobe.com

「ちゃんとあいさつしなさい」「まだ着替えていないの?」
毎日のようにイライラして子どもに小言を言ってしまうママも多いことでしょう。

原田さんはこう言います。
「子どもはママの気持ちを映し出す鏡のようなもの。教師時代を含め、これまでにたくさんのママを見てきてわかったことなのですが、子どもにあれこれ言ってしまうママは、子どもの心配をしているように見えて、じつは自分にダメだしばかりしていたり、自信がなかったりすることが多いですね。

自分にコンプレックスがあるから、『こんな私でいいのだろうか?』と、不安に思っている。その気持ちが子どもへの接し方として表れています」

自分に厳しいママは子どもにも厳しくなる。自分の失敗を許せないママは子どもの失敗も許せない。人目を気にして「ちゃんとしなきゃ」と思っているママは、子どもに「ちゃんとしなさい!」と言ってしまう…。と原田さんは指摘します。

■「イライラする」自分を受け入れるためには

「自分に自信がない」そう思っているママは多いのではないでしょうか。原田さんはそんなママたちにこう言います。

「たとえば、『また子どもを叱りすぎてしまった…』と自己嫌悪に陥ることがあるかもしれません。でもそれは、『いつもニコニコしているママ』という理想の母親像を求めているから、そう思ってしまう。『立派なママ』になろうとしなくていいんです」

そもそも人間は不完全なもの。カンペキな母親なんてどこにもいないと原田さんは強く言います。
「まだママ歴●年。毎日、育児に家事、『あたり前』のことを休みなく続けている。その『あたり前』こそ子どもへの愛なんです。

さらに仕事をしているママもいる。まさにママたちはスーパーウーマン! 『不完全なまま子どもと一緒に成長すればいいんですよ』と言いたいですね」

ありのままの自分を受け入れる、というと難しく聞こえるかもしれません。原田さんはこう続けます。
「ママたちこそ自己肯定感を高める“勇気づけ”が、自分自身に対して必要なんです。“勇気づけ”のポイントは、結果ではなく、姿勢や過程に目を向けること。うまくいかないときも、『私、一生懸命がんばっているよね』『次に生かそう』と思うことが大切です。

また、『イライラしてもいいんだよ』『そういうときもあるよね』と自分を勇気づけましょう。夫婦間で“勇気づけ”するのもいいですね」

「ママ自身が自分のことを受け入れられるようになると、子どもはもちろんのこと、パパや友人、職場の人など周りの人を受け入れられるようになります」と原田さんは言います。

ありのままを認めるということは、『この部分はダメだ』と○×をつけて、ジャッジをしないということ。自分(他人)を責めず、不完全な自分にOKを出し、自分を勇気づけましょう。その方がママ自身も気持ちがラクになれそうですね。

■ママが弱音をはきたくなったら

© taka - stock.adobe.com

「ありのままを認める」ようになれれば、イライラの回数は減るでしょう。それでも、毎日の育児や家事に疲れてしまったり、悩んでしまったりすることもあるかもしれません。そんなときは、家事の一部をパパや子どもに任せて、ママも息抜きすることが大切だと原田さんは言います。

「今日は疲れちゃったな。手伝ってもらえるかな」と頼んでみましょう。お手伝いをお願いする以外にも、「たまにはカフェに寄ってから帰ろう」「今日は総菜で済ませよう」などと気分転換をしてみたり。なんでもちゃんとやろうとせずに『ま、いっか』を合言葉に家事を割り切ったりしてみてもいいでしょう。

困ったときは、ママ一人で抱え込まずに、パパや親しい友人などに話を聞いてもらうことも大切だと原田さんは言います。

最後に、原田さんに頑張っているママたちにメッセージをいただきました。
「子育てに正解・不正解はありません。100人いたら100とおりの子育てがあっていいのです。自分の中にある『●●すべき、●●しなければ』を減らし、自分を勇気づけ、肩の力が抜けると、子育てはグッとラクになりますよ」

© Paylessimages - stock.adobe.com

■今回のお話を伺った原田綾子さんのご著書

『マンガでやさしくわかるアドラー式子育て』¥1,512(税込)(日本能率協会マネジメントセンター)

子どもが言うことを聞かなくて困っている/感情的に子どもを怒ってしまう自分を変えたい/「自立した子」に育てたいけれど、何をどうしたらいいのかわからない……。そんな悩みを抱えるママたちに、「あるある」と思わずうなずいてしまうようなマンガと解説で、アドラー心理学による子育てをわかりやすく紹介しています。
原田綾子さん

勇気づけ親子教育専門家。株式会社HeartySmile 代表。1974年生まれ。埼玉県在住。二女の母。小学校教員時代、子どもを伸ばすには母親自身の心がイキイキしていることが重要だと気づき、教員退職後、「勇気づけ」をベースとした子育て講座、講演活動を開始。関東だけではなく、全国各地に受講生が多数おり、10年間でのべ1万5000人以上に勇気づけを伝えている。著書に『アドラー式「言葉かけ」練習帳』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。
原田綾子さんオフィシャルブログ:https://ameblo.jp/haraaya0731/
(コバヤシカヨ)

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