ブラック企業に騙されない方法〜いい会社とはどのような会社なのか?〜

良くない会社とは、無理をしているから良くないのです。
たとえば人件費を極限まで削って、深夜のお店に1人しかスタッフを置かない会社というのは、当然深夜のスタッフに無理を強いているわけです。「お前は無理をしてでも、会社の売上に貢献しろ」と。
コンビニなら、レジに来たお客さんの接客をし、トラックでやってきた商品の陳列もし、翌朝発注する商品のリストをつくり、店内の床の掃除もし、POPを張り替え、防犯にも気を配り……というようなことを、たった1人のスタッフに任せることを「無理がない。妥当である」なんて言える人って、正気の沙汰か?
正気の沙汰ではないから、さらにその上をいく正気の沙汰ではない人が、そのようなお店に目をつけて「金を出せ」となるわけです。
似たものどうしってにおいでわかるから、強盗はどこのコンビニに行くと強盗できるのか、よく知っているのです。

毎年「前年比120%の売上」を目指すなんて、正気の沙汰か?

あるいは、たとえば無理な営業ノルマを課す会社は、最近ではブラック企業と呼ばれていますね。
売上目標って、たいてい「前年比」で立てられますよね?前年比120%の売上を目指します!とか。
これだって「うちの商品は、競合商品よりも魅力が色あせてきているから、今期は前年比80%の売上でいいよ」と、社長が言えば済む話です。あるいは「少子化の時代で、うちの商品の潜在顧客が減ってきているのだから、前年比70%を目標に、みんなでのんびりやっていこうぜ」と言えばいい。でもそういうことを言う社長はあまりいない。
商品に魅力がなくなろうと、顧客が減ろうと、現場のスタッフに無理を強いて、あくまでも前年よりいい売上を目指し、無理にでも株主にいい顔をする社長のほうが多い。
株主も株主で、無理をしてでも株で儲けたいと思っている。無理の「無理な循環」が、現代社会に不幸をまき散らしているのです。

風通しのいい会社が「いい会社」

ぼくは19歳くらいから30歳くらいまで、アルバイトを含め、いろんな会社で働いてきました。
その頃は作詞家を目指して師匠(というか先生)に作詞を教わっていたので、いずれ作詞家になれるだろと思っていました(実際にはなれなかった)。

言葉でなにかを表現するときに、なにがもっとも大切か?
人によっていろんな答え方をすると思いますが、20年以上、人の心に届く文章を書きたいと奮闘してきたぼくは、自分の気持ちにウソをつかないことだと考えています。
無理がある考えから生まれた言葉や文章って、人の心に届かないのです。だから、ウソのない、無理のない心のありかたというものを、ずっと追求してきました。
だからなのか、会社が含むウソとか、無理をしている会社というものに、すごく敏感になっているところがあり、どうしても風通しのいい会社を、いい会社だと判断してしまうところがあります。

よくない会社に騙されない方法

あなたが就職先を選ぶとき、年間休暇日数が多いとか、育休制度が充実しているとか、社内に洒落たカフェのような打ち合わせ用の広いスペースがあるとか、残業のときのお菓子代を会社が支給してくれるとか、一部上場企業であるとか、「社会貢献します」と書いてある社長のご挨拶を見てうっとりしちゃうとか、いろんな「目に見えるもの」を見て「いい会社かよくない会社か」を判断すると思います。
もちろんそういうことってすごく大切ですが(育休制度が充実していない会社より、充実している会社のほうがいいに決まっている)、どこまで無理をしている会社なのかを見抜くこともすごく大切ではないかと思います。

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それって、どう見抜くのか?
面接のときの相手の雰囲気とか、社内の雰囲気を、自分の目で見て、肌で感じて、確かめるほかないように思います。
その会社に知人がいるのであれば、知人に「ぶっちゃけどうよ?」と聞けますが、ふつうは知人がいないですよね。
ふだんから、「わたしは今、自分の気持ちにウソをついていないか」とか、「わたしはなにかに対して無理をしているから、最近鬱っぽくなっているのではないか」などと自問自答するしかないのでは?
どの会社も、目に見えるところをクリーンにクリーンにしていっている時代、目に見えないものを見る目を養うことが、よくない会社に騙されない第一歩ではないかと思うのです。(ひとみしょう/文筆家)

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