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OLを辞めて陶芸家へ。自由を求め独立した“折居ゆか”さんの生き方

  • 2018.2.28
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私が初めて出会った、折居ゆかさんの作品は”可愛らしい花びらの縁が印象的な輪花皿”でした。青磁の落ち着いた色合いを生み出す作者はいったいどんな人なんだろう…?いつかお目にかかりたいと思っていた、折居ゆかさんを取材しました。

OL生活から一転、笠間に移住し陶芸の道へ。

笠間焼で知られる茨城県笠間。そこに工房を構える折居ゆかさん。工房は、大きな門のある資材置き場の中と聞いてはいましたが、人影が見当たらず、本当にここでいいのかと恐る恐る訪ねてみると、明るい笑顔でお出迎えいただきました。

「大学時代、近くで行われる陶器市に笠間の焼き物屋さんが定期的に来られていて、親しくなって家にも遊びに行ったりするうちに、こういう生活もあるんだな、こういう生き方もいいなと思うようになっていました」。元々物づくりに興味はあって、いろいろなジャンルに挑戦してみたそうですが、なかなか間口が狭く、一旦は就職してOLに。でも、そんな会社員生活を続けるのが苦しくなって、陶芸家を志して笠間に移住。「笠間は誰でもウェルカムな感じですんなり入ってこれたんです。そして、紹介された工房で1年余り修行をしました」。

自分に合った“鋳込み”の手法に出会って、「これだ!」と思いました

独立は何かきっかけが?とお尋ねすると「何となくです。自由になりたかったというのが正直なところ」と折居さん。工房をやめてしばらくはぶらぶらとしていたそうですが、偶然窯付きの工房の物件に出会い、じゃあそこでまた焼き物をやろうと決心。

「自分はこれを作ろうというところに至るまでは、ずいぶん試行錯誤がありました。今、私がやっているのは“鋳込み”という手法です。石膏で器の型を作り、そこに粘土を流し込んで器の元(生地)を作り、それを焼いて器にします」。その手法に出会った時、これだ!自分はこれでやっていこうと思ったそうです。「その鋳込みで作った器を焼いて窯から出して重ねて行くとき、本当にきれいに重なっていったんです。それがあまりに整然としていて感動したので、私にはこれが一番合っているんだと思いました」。

自分らしい陶芸への向かい方とは?

“鋳込み”の技法で器を作るうち、さまざまな出会いがありました。器専門店“千鳥”の柳田さんは、新作を作ると必ず意見を伺うそうです。そして陶器市で出会ったモデルの雅姫さんは、ご自身のセレクトショップで扱ってくれるようになり、折居さんの器は広く世に知られるようになりました。

「以前は、朝から晩まで作品作りに没頭していたこともありましたが、身体に不調が出てきてしまったんです。それから、私は女性としての身体のリズムを大切にするようになりました。むしろ今、作品作りに向かう時間は以前より少なくなりましたが、良い結果が出るようになった気がします」と語る折居さん。今後は、そんな自分と作品とへの向かい方を極めたいのかも…と明るい笑顔で言われて、思わず自分はどうだろうか?と振り返ってしまいました。
writer / reeeko photo / 川村尚子

取材協力

折居ゆかさんの器が買えるお店
◆千鳥
〒101-0061
東京都千代田区三崎町3-10-5
原島第二ビル201A
Tel/Fax 03-6906-8631
営業時間 12:00~18:00
(定休日はHPまたはブログでご確認ください)
http://www.chidori.info/

インスタグラム @utsuwa.chidori
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