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いつまでも悩まない!黒猫が教えてくれた「人生をたくましく生きる」コツ

  • 2018.2.12
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猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。イラストレーターで紙版画作家の坂本千明さんものその一人。黒猫姉妹の墨(すみ)ちゃんと煤(すす)ちゃんから教わったのは「ポジティブの正体」だったと言います。

小さくも大きな生命力

社交的で物怖じしない墨(すみ)ちゃん、内弁慶で極度のビビりである煤(すす)ちゃんは黒猫の姉妹。生まれたばかりの頃に地域猫の会に保護され、イラストレーターであり紙版画作家の坂本千明さんが里親となりました。

「墨と煤に出会う前から居た、我が家にとって初めての猫・楳(うめ)が、他の猫とどう過ごすのかを見てみたかったのと、病気を患っている楳が、いずれ逝ってしまったら、私自身が耐えられないかもしれないという少し身勝手な理由から、墨と煤を迎え入れることにしました。
保護施設で対面した墨と煤は、両手の平にすっぽり収まるほど小さいにもかかわらず、もの凄いエネルギーの塊でした。楳が長く患っていたこともあって、楳とこの子たちとのギャップ、命の力強さに涙が止まらなかったのを覚えています。もう5年以上も前のことなのに、今こうして話していても涙腺が緩んでしまうくらい」

姉妹ゆえの当たり前に続く信頼関係

坂本さん宅での取材日、写真に撮ることができたのは墨ちゃんのみでした。煤ちゃんは私たちよそ者の気配を察するなり、今まで入ったこともない洗濯機下に身を隠し、息を潜めていたのです。ごめんね、煤ちゃん。そして、煤ちゃんの分までホスト役を引き受けてくれてありがとう、墨ちゃん。

「煤はキャリーで近所の病院へ行くだけでも、泡を吹いちゃうくらいのビビり。一方で墨は、煤の吹いた泡を舐めてキレイにしてあげるしっかり者。性格は全く違う二匹だけど、姉妹というだけでこんなにも仲がいいのもの!?と驚いてばかりです。私が一人っ子だから、余計にそう思うのかもしれません。
お互いが絶対的な信頼を寄せ合っているのがわかるんです。じゃれ合いから喧嘩に発展しても、数秒後にはケロッとして身を寄せ合ったり、毛づくろいしたり。墨と煤が生を受けて5年。生まれた時から当たり前のように続く信頼関係に、いつも感心しています」

まるで何事もなかったかのように

黒猫姉妹の数秒後にさえ持ち越さない喧嘩を見ていていると「ポジティブだな」と感じると坂本さん。

「猫には過ぎたことは気にしないというポジティブさ、たくましさがあるように思います。何を隠そう、私はすごくネガティブなんです(笑)。すぐ落ち込むし引きずるから、猫たちのポジティブが眩しい。
かといって落ち込まないようにするのは無理なので、一旦落ち込むのはよしとして、いつまでも気にしてしまうのを意識的にやめました。気にしてこだわり続けず『よし、次!』って、墨と煤みたいに、まるで何事もなかったかのように切り替えられるようにしたいんです」

足を滑らせ、派手な物音を立てて着地に失敗したとしても、次の瞬間にはまるで何事もなかったかのように、気高さを取り戻す猫。そのたくましさを見習って、私たちも落ち込むことに使うはずだったパワーを“次”に役立てたいものですね。

次回、最終回は坂本さんの地元・青森の猫たちから教わった「猫のしあわせ」についてです。お楽しみに!
writer / 宇佐見明日香 photo / 工藤朋子

取材協力

イラストレーター・紙版画作家/坂本千明
https://www.instagram.com/chiakisakamoto/

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