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まるでテレパシー? 齊藤工と高橋一生の“特殊な関係”

  • 2018.1.30

まるでテレパシー? 齊藤工と高橋一生の“特殊な関係”

世界の映画祭で話題沸騰の長編映画『blank 13』。公開を前に、監督をつとめた齊藤工さんと主演・高橋一生さんの対談が実現しました。

齊藤:今回、映画でご一緒させていただきましたが、一生さんが主演じゃなかったら『blank 13』はこのかたちになってなかった。音信不通だった父親との再会は、放送作家はしもとこうじさんの実体験ですけど、僕らが一方向からしか見ていなかった物語に、一生さんご自身の角度を加えて、台本を立体的にしてくださって。
高橋:それは以前、僕自身にもこの作品に近いことが起きてしまって、脚本が肉薄していたんです。脚本の生々しさとはまた違う、自分の生々しさも話させてもらえたのは工さんの心の広さです。
齊藤:悲しいときに誰もが泣くわけじゃない。感情がどう転ぶかは本人にしかわからない。そういう話し合いから物語が深くなっていったし、一生さんは「表現しない表現」で何層にもなっている主人公の心に感情移入させてくださる。

高橋:余白を残すお芝居は、わかりづらいと言われることもあるんですが、工さんは受け止めてくれました。試写を観たあと、別の場所でお会いしたときに、「僕、これ以降は余生です」と言ったんです(笑)。ここまで余白を許してもらえるんだという充実感もそうですが、この作品の頃には自分がしたかった表現に到達できている感じがあったんです。
齊藤:撮影前からエモーショナルな交流をしてしまったし(笑)。
高橋:言ってみれば、摩擦で皮膚が剥けちゃった手で「痛い! 痛い!」と言いながらガチッと握り合っているみたいな(笑)。お互い、そんな感覚があるのではないかと。
齊藤:テレパシーじゃないけど、言葉で必要以上にコミュニケーションをとらなくていいという交流をさせていただきましたから。
高橋:ちょっと特殊な関係なのかもしれない(笑)。
齊藤:もともと映画ファンとしても、一生さんは大好きな俳優さん。1年間に朝ドラと大河と月9をやる俳優さんがかつていただろうかっていうぐらいのウェーブにも飄々と冷静に乗っている感じがイカしている。一生さんて、年代とかでくくる次元じゃないんです。似ているというわけじゃないけど、マインド的にちょっとかぶるのがライアン・ゴズリング。すごく成熟した心が宿っていて、あの人には何か日本的な要素を感じる。
高橋:そうそう、最小限に抑えますからね。
齊藤:奥行きありますよね。まったく平たい部分がないというか。そういうところが、映画ファンとしては重なる二人です。

高橋:僕がライアン・ゴズリングかはさておき(笑)、僕も彼は大好きなので、影響されている部分があるかもしれない。確かに奥行きがあるというか。3DSの立体感が、前に飛び出してくるんじゃなくて、奥行きの表現みたいな。ライアン・ゴズリングを3DSにたとえるのもなんですが(笑)。
齊藤:そんな大好きな俳優さんである一生さんやキャストみんなの才能を、海外の人たちに知らしめたい。それが僕のミッションだという意識はあります。
さいとう・たくみ 1981年8月22日生まれ、東京都出身。俳優として活躍する一方、監督業にも挑戦。長編初監督作『blank 13』が2月3日シネマート新宿にて公開。2月24日より全国順次公開。
たかはし・いっせい 1980年12月9日生まれ、東京都出身。『blank 13』では、主役の松田コウジを演じている。現在、映画『嘘を愛する女』が上映中。また『空飛ぶタイヤ』の公開が控えている。
高橋さん・ジャケット¥233,000 シャツ 参考商品 パンツ¥132,000(以上ジル・サンダー/オンワードグローバルファッション TEL:0120・919・256) 齊藤さん・レザージャケット¥345,000 シャツ¥62,000 パンツ¥71,000 ベルト¥36,000(以上ディースクエアード/ディースクエアード 東京 TEL:03・3573・5731)
※『anan』2018年1月31日号より。写真・笠井爾示(MILD) スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・田中真維(MARVEE/高橋さん) 赤塚修二(メーキャップルーム/齊藤さん) 文・杉谷伸子 重信 綾

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