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北斎が西洋に与えた衝撃とは?「北斎とジャポニスム」展

  • 2018.1.27

東西文化の交差が導いた絵画史、今ここに

エドガー・ドガ《踊り子たち、ピンクと緑》1894 年 パステル、紙(ボード裏打)) 吉野石膏株式会社(山形美術 館寄託)

19世紀後半に西洋美術界を席巻したジャポニスム。その立役者に浮世絵師・葛飾北斎の姿がありました。そんな葛飾北斎の描いた作品と、彼にインスパイアされた西洋美術の対比を愉しめる企画展「北斎とジャポニスム」が上野・国立西洋美術館で開催されています。会期は2017年10月21日(土)〜2018年1月28日(日)まで。

貴重な北斎の錦絵を約40点と版本約70冊、合計おおよそ110点、さらには西洋芸術の名作約220点が一堂に会する“東西・夢の共演”の舞台を見逃すことなかれ。

根底に流れる“北斎”をその目で確かめて

(左)葛飾北斎《牡丹に蝶》1831-33(天保2-4)年頃 ミネアポリス美術館(中央)クロード・モネ《黄色いアイリス》1914-17年頃 国立西洋美術館(右)フィンセント・ファン・ゴッホ《ばら》1889年 国立西洋美術館(松方コレクション)

江戸時代後期を代表する浮世絵師・葛飾北斎。鋭い観察眼とユニークな発想で『北斎漫画』や「冨嶽三十六景」などの代表作を次々と残しました。そんな彼の作品は海を渡り、19世紀後半の西洋芸術に多大な影響を及ぼすこととなります。新しい視点として多くの美術家を熱狂の渦に巻き込んだジャポニスムは、印象派のモネやドガ、セザンヌやゴーガンといった有名な作家の作品にも色濃く姿を現しました。

モネの《陽を浴びるポプラ並木》は、北斎の《冨嶽三十六景 東海道程ヶ谷》に描かれた松の木の構図と呼応するように、絵の中でリズミカルに躍動します。さらに「踊り子の画家」として名高いドガの作品は、『北斎漫画』での人物の捉え方と類似しているようにさえ感じることでしょう。

今までになかった“北斎とジャポニスム”という観点で、身近にあった近代西洋芸術を見つめてみれば、知られざる一面が見えてくるかもしれません。じっくり鑑賞して、比較して、自分だけの発見を愉しんで。

文/おゝしろ実結

イベント情報

・イベント名:北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃
・催行期間:2017年10月21日 〜 2018年01月28日
・住所:東京都台東区上野公園7-7
・電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)

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