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【男から見た結婚のリアル】第13回 初めてヨメのおならを聞けた日…愛情がより深まる

  • 2018.1.26

はじめて聞くことができた日の感動はいつまでも覚えているもので、たとえばぼくはソプラノ歌手の森麻季さんの『カヴァレリア・ルスティカーナ』をはじめて生で聴けた日の感動を、今でも覚えています。
プログラムには載っていないサプライズ的な歌で、このまま森さんに手を引かれて天国に連れて行かれてもいいと思えるくらい感動的な歌でした(森さんは、ぼくの手を引きたいとは思っていないと思われるが)。

その日は、ある日突然やってきました。
ヨメとふたりで夕飯を食べ終え、TBSの『新・情報7daysニュースキャスター』を見ているときでした。少々活舌が悪くなったビートたけしさんが喋っているのを、注意深く聞いていたそのとき、ヨメがぼくの後ろで妙な音を発しました。
ぼくは一瞬、それがなんの音かわからなかった。
生放送を欠席するなど、サプライズを起こすのがうまいたけしさんのこと、なにか5.1chサラウンド効果的な音を、たけしさんがぼくの後ろから発したのかなと思って振り返ったら、そこにはしれっとした顔のヨメがいました。

「今、なんつった?」
「おならした」

それから1週間ほど経ったとき、ぼくは自分の心がわけもなくウキウキしていることに気づきました。
なぜウキウキしているのか、最初は皆目わかりませんでした。
この1週間、これといって心躍るような出来事があったわけではなく、むしろ土日含め、大学の勉強その他で分刻みのスケジュールをただこなしているだけの日々なのに、なぜ心はウキウキしているのか?電車のなかで考えました。

考えついた理由はただひとつ。ヨメのおならを聞けたことでした。
あのね、女子のみなさんね、彼氏の前でおならをしたら彼がドン引きするとか、そういうことがネットに書かれていますが、あれはウソでっせ。
彼は、あなたのおならの音を聞いたら、(一瞬、鼻を曲げることがあるかもしれぬが)喜ぶんですよ。
彼女のことがますます好きになるんですよ。

「おなら=相手のことをますます好きになる」こう思いつつ、電車のなかで不覚にもニンマリしてしまったぼくは、少々気が緩んだのか、音を伴わないおならが出てしまいました。
その瞬間、少し左のケツを浮かせましたが、隣に座っていた誰かさんがぼくのことを好きになる可能性は、0%どころかマイナスであるのは、言うまでもない。(ひとみしょう/文筆家)

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