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低炭水化物ダイエットについて知っておきたいこと

  • 2018.1.19
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そもそも炭水化物ってなに?

意外と知られていないけれど、炭水化物は微量ながら私たちが食べているほとんどの食品に含まれている。サッカライド(saccharide)と呼ばれる単糖類から作られていて、体内に入ると分解され、体の組織や臓器、代謝、脳のシナプス活動などのエネルギー源となるという。つまり、糖類は私たちが生きるうえで必要な燃料となっているのだ。
たんぱく質、脂質、炭水化物、どれも体内でエネルギーとして使われるけれど、なかでもグルコース(単糖)は体の主要なエネルギー源。私たちの体は、グルコースを全身に供給するため、必要に応じては脂質やたんぱく質が生み出すエネルギーをも消費するのだそう。
代謝機能を正常に保つため、体はあらゆるエネルギーを消費し、最終的に残った脂肪細胞(adipocyte)を蓄える。だから必要以上の脂肪細胞が蓄積されたら体重は増加するし、必要以上にエネルギーを消費したら体重は減少するというわけ。

低炭水化物ダイエットの減量効果

低炭水化物ダイエットで減量効果は得られやすいと言われている。それには2つ理由があって、ひとつは体が炭水化物をエネルギーとして使っているから。炭水化物を制限すれば、ほかの栄養素からエネルギーを作り出し、臓器を動かす。そして筋肉に蓄えられたグリコーゲンもエネルギーに変える。
筋肉に蓄えられたグリコーゲンが減少するとどうなるのか? まずは水太りが解消されるという。私たちの筋肉は、1gのグリコーゲンにつき、3gの水分を蓄積。そのため、グリコーゲンをエネルギーとして使用すると、水分が減って体重も減少する。だからもし低炭水化物ダイエットを実践し、「たった一週間で減量に成功した!」という人がいたら、体内に溜まっていた水分が減っただけで、余分な脂肪が落ちたわけではない。
ふたつ目の理由として、ほとんどの人たちは普段から炭水化物を摂りすぎる傾向に。米国農務省(USDA)が公表した「米国人のための食生活指針」によると、炭水化物の摂取量は総エネルギー摂取量の50%が理想的。1日の基本摂取カロリーを2,000kcalとした場合、炭水化物の必要量は多くて250gだそう。お茶碗一杯のごはんが約150gなので、もしかすると食べ過ぎているかも?

低炭水化物ダイエットで食べていい食材

低炭水化物ダイエットと聞いて、「ステーキ、ベーコン、チーズ、アボカド、ココナッツオイル。肉類と脂質は好きなだけ食べていいんでしょ?」と思いがち。ところが残念なことに、ほかのダイエット同様、適度なカロリー制限も大事なのだとか。
世の中には多量栄養素(プロテイン、脂質、炭水化物)をバランスよく制限するダイエット法もあれば、脂質だけをカットしたり、炭水化物だけを抜くダイエット法がある。でも結局のところ、カロリー制限をすれば体重は減るし、たくさん食べれば体重は増える。だから多量栄養素のひとつを大幅にカットしたところで、それ以外の食べ物を無制限に食べたらあまり意味はない。

低炭水化物ダイエットにトライするべき?

低炭水化物ダイエットにもさまざまなメソッドがあり、プラントベース(植物由来)の食品に含まれる炭水化物をよしとするものや、炭水化物を完全に抜くという、今話題のケトジェニックダイエットがある。ただ、水分や食物繊維を豊富に含む炭水化物を制限する場合は、短期間にわたる便秘と長期間にわたる免疫力の低下や消化器癌のリスクを伴うことも忘れてはいけない。
また低炭水化物と低脂肪ダイエットを比較した研究結果はいくつも発表されているけれど、低炭水化物の方が効果的という結果もあれば、低脂肪の方が効果的という結果もあり、実際のところ効果はほとんど同じのよう。それに低脂肪ダイエットよりも低炭水化物ダイエットの方が長期的な効果が期待できると言われているけれど、ほとんどの研究は1年間のみだったため、2年後や5年後、10年後の効果はまだ証明されていない。
低炭水化物ダイエットの欠点は、長期的に続けることができないこと。記念日、祝日、職場の飲み会など、食事を自分でコントロールできない時の対策がなく、やむを得ず高炭水化物食を食べてしまったなんてことは誰にでもあるだろう。でもちょっとサンドイッチを食べただけで、グリコーゲンとともに水分も増え、すぐに体重は増加するという。そして頑張ってダイエットを続けていたのに…と落ち込み、あれよあれよという間にリバウンド。それを聞いて、低炭水化物ダイエットにチャレンジしてみたいと思う人はあまりいないはず。それゆえに挑戦する意味はないし、おすすめもできない。

では代わりにどんなダイエットがおすすめ?

ひとくくりに炭水化物といっても、全てが体に悪いわけではない。問題なのは、白米や小麦粉、砂糖類などの精製された炭水化物。これらの炭水化物を減らせば、栄養不足になることなく、食物繊維や水分をたっぷり含んだ美味しい食事を堪能することができる。
おすすめは、でんぷん質を多く含む野菜、フルーツ、100%全粒穀物を中心とした食事、名付けて「スーパーカーボダイエット」。プラントベース(植物由来)の食事を摂ることで、長期的に体重を維持し、慢性疾患のリスクを低下させることができる。そして栄養バランスがとれた食事を心がけながら、たまにはヘルシーな間食を食べることを忘れずに。その方が心も満たされ、長くダイエットを続けられる!

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