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フレンチとインドのコラボレーション『グッドラックカリー』のカレーパン|by PARISmag

  • 2018.1.16
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毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARISmag(パリマグ)から、恵比寿で人気のカレー店「GOOD LUCK CURRY(グッドラックカリー)」をご紹介します。

食のエンターテインメントタウン、恵比寿。賑やかな西側エリアを背に、山手線沿いを渋谷方面に進んだ比丘橋近くに、今回お邪魔する『GOOD LUCK CURRY(グッドラックカリー)』があります。

雑居ビルの2階へ上った先にある店舗は、一見カレー屋とは思えない佇まい。しかし店内に漂う芳醇でスパイシーな香りはまさにカレー屋さん!

フレンチシェフがなぜカレー屋さんに?

「もともとカレー屋はずっとやりたいと思っていたんです。カレーってたくさん種類があるのに、『カレー』という言葉で一括りにされがちなんですよね。だから自分たちが本当においしいと思えるカレーを提案していきたいと思い、このお店を始めることにしました。

カレーはフレンチと同じくダシがポイントになる料理なんですよ。うちのカレーは南インド系と呼ばれているルーを使わないカレーなので、ダシがすごく重要。また、『Ata』は特別な日に利用してくださるお客さんが多いのですが、デイリーに使えるお店もやりたかったんです。日常に近いものをと考えたら、やっぱりカレーだなと(笑)」。

2017年5月にオープンしたばかりなのに、毎週通ってくれる常連さんがいます。すでに街の風景にとけこんでいるようです。ところで『Ata』は魚介を中心としたビストロですが、『グッドラックカリー』のカレーも魚介エッセンスが入っているのでしょうか?

「魚介だけじゃなく肉のカレーも豆のカレーもあるんですけど、看板メニューにもなっている『エビカレー』はお客様からもご好評いただいています。このエビカレーにはオマール海老の頭からダシをとったビスクとブイヤベースを使っているんです。そういう意味で『エビカレー』はビストロのエッセンスが入っていますね」。

『グッドラックカリー』のカレーには掛川さんのフレンチシェフスピリットが息づいています。

フレンチの技法を使いながら、独自のコンセプトを大事にしているという掛川さん。それは店内のインテリアからBGM、食器やメニューのラインナップにまで感じられます。

コトコト煮込まないカレー!?

『グッドラックカリー』のカレーには“煮込まない”という特徴があります。

「煮込まないというとお客さんから『生煮えなんじゃないの?』と言われることもあるんですけど(笑)。そうじゃないんです。煮込みすぎないことでスパイスの香りを最大限に活かしています。カレーは煮込めば煮込むほどおいしくなると思われがちですが、僕はそうじゃないと思っています」と掛川さん。

香りを楽しむため、ホールのまま使うスパイスもあるのだそう。「エビカレー」にはクミンがホールのまま入っており、食感が楽しめるだけでなく、噛むたびに爽やかな香りが口に広がります。

幻のカレーパン!?

そして『グッドラックカリー』には14時から販売が始まると、あっという間に売れ切れてしまうという、幻のカレーパンがあります。なぜカレーパンを作ろうと思ったのでしょうか?

「正直、今まで満足するカレーパンに出会ったことがありませんでした。だったら自分で作ってしまおうと思ったのがカレーパンを作ったきっかけです。パンの生地は手作りで、中に入れるカレーもその日お店で提供しているカレーを使います。

生地もカレーも水分が多めなので作り置きできません。なので、オーダーが入ってから、生地にカレーを包み揚げています。手間とコストを考えると完全に赤字なんですけど、でもおいしいカレーパン食べてもらいたいなと思って!」。

カレーパンはできたてのアツアツをいただきました。

半分に割ってみると中からとろ〜りとしたカレーが!この日のカレーパンの中身は『イカカレー』。大きなイカがゴロッと入っているのが見えます。さっそくひと口いただくと、薄い生地と細かいパン粉のコンビネーションで、外側はカリッとしながらも、とろけるような不思議な食感。その食感と深い味わいは今まで食べてきたカレーパンの常識を覆すほど。

揚げたてにキビ砂糖とスパイスの粉末をふっています。ふんわりと軽く甘い味わいも感じられます。

アツアツのカレーパンを頬張る時間って、なぜこんなにも幸せなのでしょう。オーダーごとに揚げてくれるので、少々待つ時間もありますがそれもまたおいしさのスパイスになっています。

あのおつまみが旨みのアクセントに!

この日にいただいたカレーはほうれん草ベースの『サグカレー』 と看板メニューの『エビカレー』のWカレー。

ひと口、口に含めると芳醇なダシの香りと、パンチのあるスパイスの刺激がダイレクトに広がります。ただ辛いのではなく、それぞれのスパイスの個性がひとつひとつ感じられ、またその食感も楽しめます。ルーを使っていないため、サラッとした口当たりでとても爽やかなカレー。もはや薬膳と言ってもいいかもしれません。

「エビカレー」はエビのおいしいところが凝縮されたカレー。エビからとるダシならではの香りと旨みのほか、煮込み過ぎないからこそ引き出せるエビのプリプリとした食感が楽しめます。

そして、ちょっと珍しい付け合せがどれもおいしい!ココナッツとライムを合わせた「サンボル」は箸休めとして口の中をリセットしてくれますし、インドの漬物「アチャール」はカレーと一緒に食べると味に変化を加えることができます。マッシュポテトは欧風で、スパイスの刺激を受けたお口を優しく落ち着かせてくれます。

店内では、カレーにカレーパンをのせた「カレーパンプレート」をいただくこともできます。女性のお客さんでも案外ペロリと完食されるのだとか。カレーパンは14時からテイクアウトも可能だそうですが、ぜひできたてアツアツを味わって欲しいです。

「カレーを食べた瞬間に『わあ〜!』と、こぼれるお客さんの笑顔を見ると、このお店を始めて良かったと思うんですよね」と話す掛川さん。仕上がったカレーとカレーパンを見て「うまそ~!」と、カレーを食べているお客さんと同じくらい顔がほころんでいたのが印象的でした。

これからもカレーのラインナップは、新作を開発していくそうです!カレー好きが作り出す、絶品カレーに会いに『グッドラックカリー』を訪れてみてはいかがでしょうか?

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